第5話(5)

エピソード文字数 1,863文字

 俺達は交通機関を巧みに使って高知市の隣にある南国市へと動き、更に隣の香南市(こうなんし)に移動。俺らは今そこにある海水浴場にいて、俺は砂浜で皆の着替えが終わるのを待っています(ここの海水浴場は手入れが行き届いており、気持ち良く過ごせるためお奨めです。また、ここ香南市には『どろめ祭り』など他にも楽しめるイベントや、『高知県立のいち動物公園』などの楽しめる場所が沢山ありますので、時間がある方は是非チェックしてみてくださいませ)。

「…………よう、一年ぶりだな。色紙優星、帰ってきたぜ?」

 潮風を浴びつつ髪を掻き上げ、香南市側の太平洋さんに挨拶をする。
 太平洋、お前は相変わらず美しいな。再会できて嬉しいぜ。


『ママー、あの人海に笑いかけてるー。海に笑うとお返事してくれるのー?』
『こらっ、指差しちゃダメ。バカがうつるわよっ』


「………………」

 バカな俺は大人しく待つようにして、6分くらい経った頃かな。最初に従妹が来たよ。ぐすん。

「お待たせして、ごめん……なさい。ぇと、わたしの水着、どう……ですか?」

 白のビキニにパレオを合わせた育月は、モジモジ問うてくる。
 くっそ、ムカつくな。この女、自分が一番映える衣装をわかってやがる……!

「にい……様。どう、です……か?」
「とってもお綺麗ですよ。超綺麗」
「そ、そうです……か。今年は、兄様のために頑張って……よかったぁ」

 育月ちゃんは、胸元に両手を当てて破顔一笑する。しているんだけどね皆様、コイツは去年も同じ水着でこう言ってるんですよ。
 黒月ちゃん、ホント法螺吹き。

「……お前は、どこまでもネコを被るな。ここだと誰も――」
(どこに誰が居るかわかんないのよ。黙って黒真達を待て)
「イエスマム」

 目付きが恐ろしいので、わたくしは服従。姫の命令通り黙って黒真達を待っていたら、ビーチボールを抱えたフュルが走ってきた。

「師匠っ、待たせたぜよっ! ワシの一張羅はどうかえっ?」

 勇者魔法使いの水着は、黄色のタンキニ。こちらは隣の従妹と違って、完全に彼女らしい出で立ちだ。

「うん、バッチリだよ。これぞフュルって感じで、似合ってます」
「そうかえそうかえっ。ワシ、悩殺しちゃったがやね!」
「あ、あはははは。そう、だね」

 ってお茶を濁していたら、今後はシズナが登場。彼女のは控えめであり大胆でもある黒のビキニで、大和撫子な容姿に合っている。

「従兄くん。私の水着はどう?」
「100点満点だよ。言うことなしです」

 これで中身が普通なら、惚れていた。人間外ではなく中身ってのは、まことだったんだなぁ。

「にゅむっ、あたしが最後だねー。着るのに時間がかかっちゃいましたー」

 シミジミそう思っていると、最後の一人・レミアが到着した。さて、この子の水着はというと――

『優星っ! すげぇな!!

 ああ謎の声っ。こいつぁすげぇよ!
 俺――


 首から足首まである競泳用の水着、初めて生で見た!!


「おいなんだよそれは! アンタは冷徹な見た目で子供っぽいんだから、これ以上ミスマッチ成分を加えるなよ!」

 俺はもう神速で叫んだにゅむ。
 見掛けは冷血な魔王で、中身は無邪気。そんな人物が、アスリートの格好で海にいる。浮きまくりだよバカ。

(ちょっと待って、従兄くん。この姿には意味があるのよ)

 わたくしが盛大にキレていたら、シズナの唇が耳元に近づいてきた。

(意味ぃ? なにさ)
(それは、魔王さんの正装の一つなの。魔王さんは英雄の中でも最も伝統がある職業で、服装まで決まっているのよ)

 ほ、ほぅ。ゴスロリ服以外にも、制服があったのか。

(しかし、なぜに本気の競泳用? どんな理由でこいつになったの?)
(それはねっ、初代さんがこれを着てたからだよーっ。魔王(まおー)のお洋服(よーふく)は全部、初代さんが最初に着たものなんだーっ)
(師匠師匠。男先生であっても女先生であっても、魔王先生だけはおんなじモデルながで)

 男が、あのゴスロリ服を着用するんだ。絵的にキツイな……。

「ぁ、あの……兄様? なにをお話、されているの……ですか?」
「や、レミアの水着の値段とかを聞いてたんだ。もう済んだんで、波打ち際に行きましょう」

 俺は吐き気を抑え込み、五人でゴー(ダジャレではありません)。暫しキャッキャッと水の掛け合い等をやり、それに満足するとビーチバレーに興じることとなりました。
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登場人物紹介

色紙優星 16歳の少年


高知県生まれの主人公。

リリウという神様の聞き間違えで魔王使いになってしまい、おまけに『究極奥義』と呼ばれる力を何個も持ってしまった高校生。優しく他人想いなのだが、彼はとあるセンスが全くないのであった……。

黒真レミア 16歳の少女


魔王、でありながら伝説の勇者の能力を持つ。冷徹でクールな容姿と声音を持つ美少女だが、性格はほわほわでお子ちゃま。『にゅむ』という独特な言葉を多用し、時にはにゅむのみで会話を行おうとする。例「にゅむーむ。にゅむ。にゅむりん」。

なお愛用の武器である聖剣は魔王の天敵であるため、使うと痺れる。

金堂フュル 16歳の少女


伝説の勇者、でありながら伝説の魔法使いの能力を持つ。元気一杯の猫っぽい女の子で、高知県の英雄・坂本竜馬の大ファン。そのせいで『ぜよ』と中途半端に覚えた土佐弁を使い、主人公のことは『師匠』、仲間のことは名前のあとに『先生』とつけて呼ぶ(例えばレミアの場合はレミア先生)。

なかなかにおバカな女の子。

虹橋シズナ 17歳の少女


伝説の魔法使い、でありながら魔王の能力を持つ。大和撫子然とした容姿を持つ美少女であり、主人公の義理の従妹。

重度の怒られ好き。

とにかく変で厄介で面倒くさい人。

茶操ユニ 18歳の少女


伝説のドールマスター、でありながら伝説のプリーストの能力を持つ。キグルミ族という一族の人間で、閉園したテーマパークのキャラクター・二足歩行ウサギの着ぐるみを着ている。口癖は、ミョン。

実はお笑いにうるさく、親戚は某有名人。

プリースト神 年齢不明


茶操ユニが持つプリーストの杖に宿る、プリーストの神様。

実は……。

橙式エイリ 14歳の少女


伝説のモンスターテイマー、でありながら伝説の召喚士の能力を持つ。所謂スケバン然とした容姿と声を持つが、グループ最年少の中学生でみんなの妹的存在。でもレミアやフュルよりずっとまともで、ヤツらの方が妹的存在な気がする。

野菜が大好きで、とても詳しい。

タンザ・クー 年齢不明


橙式エイリの召喚獣で、俳句世界(はいくわーるど)の王女。

タンザが姓で、クーが名。

二万年後に、地球の傍に誕生する世界からやって来た。


色紙育月 16歳の少女


高知県大豊町在住の、優星の従妹。中学卒業と同時に本格的にピーマンの生産を始め、今ではテレビの取材を受けるほどになっている。


薄幸の美少女然とした容姿と、従兄想いの優しい性格が自慢の従妹です! by色紙優星

謎の声 年齢不明


優星にだけ聞こえる、不思議な声。

なぜか正体を明かそうとしない。

リリウ 神様


願いを聞き間違えて、優星を魔王使いにしてしまった神様。

神様の世界で流行しているゲームに夢中で、神様のお仕事はほとんどしない。

とってもダメな、神様(?)な神様。

麗平活美 16歳の少女


ストロベリーブロンドのドリルヘアーが特徴の、優星のクラスメイト。

お嬢様然とした容姿で気品があるように見えるが、非常に活発。実は……。

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