第9話 相続 資産家バージョン(タワマンのCさん)

文字数 1,642文字

 相続税の申告が必要な人とは……(国税庁HP『相続税のあらまし』から抜粋)

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)=遺産にかかる基礎控除額A

相続財産の価格-(控除できる債務+葬式費用)=B

A<Bの場合、その財産を取得した人は相続税の申告、納税をする必要がある。
(相続財産は不動産の評価額、現金・預貯金、有価証券、生命保険金、死亡退職金などの合計額)


***************

 以下はCさんが行った相続の手順。資産家バージョン。
Cさんの場合、
3,000万円+(600万円×本人のみ1人)=3,600万円

3,600万円超の財産を相続すると相続税がかかる。……超えたようです。

 相続手続きには、亡くなった人(被相続人)の出生から死亡まで

戸籍謄本が必要。
まずは現在の戸籍謄本を取得し、それを(さかのぼ)って『改製原戸籍謄本(かいせいはらこせきとうほん)』というものが必要となります。

 Cさんの亡母は本籍地が遠隔地であったため、戸籍謄本の取り寄せから難儀したと。
「もう、時間かかるし本当に面倒だった!」と身振り手振りで語るCさん。


① まず知り合いの税理士に相談。相続税が発生することがわかったので、相続税の申告書を作成依頼。
(信頼できる税理士、会計士に相談することがポイントであると。先生によって報酬額、手数料に違いがあるらしい。ゾッとする話)
(相続税がゼロだったら申告の必要はありません)


② 葬式費用は相続税の対象となる財産から控除できる。葬儀屋や火葬場などの領収書を保管しておく。
 死後請求が来た医療費(未払金)も控除できるので領収書を保管しておく。
 お寺への支払い(戒名代・お車代・お食事代等)も控除できるが、領収書が発行されないのでメモ書きでOK。

(生前、生計を同一にする相続人が立て替えて払った医療費も、相続財産から控除の対象になるらしい。とにかく領収書、レシートなどはきちんと保管しておくことが大切みたい。ここら辺はちょっと複雑なので要確認です)

(香典返し、墓地・墓碑の購入、法要の費用などは控除の対象外と記載あり。国税庁HP)

(もちろん借金があったら、財産から控除できます)


③ 不動産があるので相続による所有権移転登記も一緒に行う。
 司法書士を紹介してもらい依頼する。


④ 後日、税務署から相続税の納付書が届く。
支払いして終了。


 途中でCさんは言った。
「法務局でね、相続人の一覧表を

で作成してもらえるの。いろいろな手続きにそれがあるといいかもってあとで気づいたの」
さっそく帰ってから法務局のホームページを確認する。


『法定相続情報証明制度』
~本制度は相続人が法務局(登記所)に必要な書類を提出し、法定相続人がだれであるかを登記官が証明する制度です。法務局で「法定相続情報一覧図」の写しを交付します。~

なるほど。メリットとして、証明書の手数料が無料! 
相続に必要な枚数を発行してくれます。そしてこの書類は相続税の申告や金融機関の手続きに利用できるようです。故人が銀行口座をたくさん持っていたりして、書類提出先が多い方にはいいかもしれません。

ただし、この一覧図を作成するにあたって、被相続人(亡くなった人)の戸籍謄本(出生から亡くなるまで連続したもの)・住民票除票、相続人の戸籍謄本などが必要となります……

 親が高齢になってきたら、金融機関の口座を可能な限りまとめておいてもらった方がいいかもしれませんね。(でもペイオフの絡みがあるから資産家には難しいか)


追記
 うちは庶民のくせに、母の強い希望で、昔商売をやっていたときの顧問税理士に相談しました。今では大の仲良し(一緒に羽生結弦のDVDを見る仲)であるCさんからのご教授もあったので。
やはり税理士へ費用が(私からすると)まあまあかかりましたね。母が平然と支払っていましたが。

まずは第11話に出てくる国税庁のHP『相続税の申告要否判定コーナー』で、相続税がかかるかどうかをチェックし、
「やあやあ、我こそは資産家なり!」
という方は税理士へご相談ください。

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