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文字数 497文字

 寒さのために、王さまの尾羽は、雪とおなじ、まっ白に変わっています。その尾羽がいっぱいにひろがって、もぐらの部屋は、氷のシャンデリアに照らされたように、輝いています。
「もぐらくん、なにやってるの。これは、ぼくらの王さまじゃないか!」
「ええっ?!」
 もぐらもまたまた、びっくりぎょうてん。
「王さまだなんて知らなかったんだよ。どうしよう?」
「ぼく、みんなを呼んでくる」
「まってよ、はりねずみくん、きみもいっしょに、王さまをあたためてよ」
「だめだめ、ぼくのはりが王さまにささっちゃう。とにかく、いってくるよ」

 はりねずみはおおいそぎで、穴からとびだしました――と、いっても、よち、よち、としか走れません。足が、おそいんですね。
 ちょうどそのとき、目の前を、ひゅんっ、と、よこぎったものがありました。

「うさぎさん!」
 うさぎはもう、ずっと先まで走っていましたが、ひととびで帰ってくると、「はい、なあに?」と、ききました。

「たいへんなんだ。くじゃくの王さまがたおれていて、いま、もぐらくんの家に――」
「なんですって?!」
 うさぎは耳をぴんと立ててさけぶと、おしまいまでききもせずに、すっとんでいきました。
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