わたくし、やります(2)
文字数 1,324文字
屋敷に帰り部屋に戻ると、萌香は左手首を爪で弾いた。
「どうせ、何か言いたいのでしょう?」
萌香の心の中の問いかけに、すかさず寧樹が返事を返す。
「良く分かるわね。その通りよ、萌香。どうした風の吹き回し? 頭でも打ったかな? それもとも熱でも出たのかな?」
「失礼ですわね。相変わらず……」
「冗談よ。でも、本当にどうしたの?」
「わたくしも、何か一つでも出来るようになれればと思っていますの……。駄目でしょうか?」
「ま、無理かな!」
「寧樹~」
「冗談よ、冗談。ご免ね、冷やかしたりして。本当は、萌香なら何でも出来ると信じているわよ」
「本当?! 有難うございます!!」
萌香の声が嬉しそうに弾む。
「一層のこと、サント・”アルウェン”・ネイジュもやってみる?」
「え~、でも前に、私にはやらせないって仰ってらっしゃらなかったかしら?」
「あれ? そんなこと言ったっけ? ま、私がフォローすれば大丈夫よ!」
「わ、ありがとうございます」
「いい? 細かいことは私がやるから、萌香は先ず、私の能力にどんなものがあるかを理解してね」
「はい!」
「じゃあ、悪魔能力からね……。最初に、私のオリジナル能力、読心術。次に叔母さんの能力、危険察知。それから私の父の能力、皮膚硬化。その他に、右掌低温、右手分離、左掌高温。光線砲 、気流操作、飛翔、水中行動、重力質量変換、擬態、過去伝言、魅了、悪魔能力封じ、何てのがあるわね」
「覚えきれませんわ」
「そりゃそうよ。私これでも、過去に最強の大悪魔って言われたこともあるんだもん」
「今は違うのですね……」
「失礼よ、萌香! 心の中で考えても、私たちはお互い筒抜けなんだからね!」
「ご免遊ばせ……。でも、多過ぎですわ」
「普通は、大悪魔の特殊能力は一つなんだけどね、私の師匠に当たる大悪魔が琰って云う法具を使って、仲間の大悪魔から能力をコピーしちゃったのよ。それを今は、私がコピーさせて貰ってるって訳……」
「琰?」
「今見せられないのが残念だけど、占いの水晶玉みたいな物よ」
「なにか、反則みたいですのね……。でも、そう言えば、瞬間移動が無いのは何故ですの? 前に使っていたではありませんか?」
「あれは魔法よ。強力な能力は魔法を使っているわ。魔法なら大概のことは出来るわね。私の得意の『極光乱舞』も魔法の一つよ」
「でも、それなら魔法だけで良いのではありませんか?」
「魔法には色々と制約があるのよ。まず、毎朝使う魔法を決めておかなければいけないの、それと実行するには、呪文を唱えなければならないわ。私の場合、言葉にする必要がないんだけどね」
「はぁ」
「いずれにしても魔法発動には時間が必要で、そのタイムラグが致命傷になることもあるの。拳銃の弾が当たった瞬間に皮膚硬化して防ぐなんて、魔法じゃ不可能ね」
「はぁ……」
「大体、呪文なら一日に500個近くは使えるし、『瞬間移動』とか、『極光乱舞』とか得意な術は、最低10個は準備しておくから、安心してくれて大丈夫よ」
「それは安心でしょうけどね……」
「じゃぁ次からは、サント・”アルウェン”・ネイジュも萌香がやってね!」
唖然とする萌香を他所に、寧樹はその後、腕輪が見えているのも関わらず、ピタと黙ってしまうのであった。
「どうせ、何か言いたいのでしょう?」
萌香の心の中の問いかけに、すかさず寧樹が返事を返す。
「良く分かるわね。その通りよ、萌香。どうした風の吹き回し? 頭でも打ったかな? それもとも熱でも出たのかな?」
「失礼ですわね。相変わらず……」
「冗談よ。でも、本当にどうしたの?」
「わたくしも、何か一つでも出来るようになれればと思っていますの……。駄目でしょうか?」
「ま、無理かな!」
「寧樹~」
「冗談よ、冗談。ご免ね、冷やかしたりして。本当は、萌香なら何でも出来ると信じているわよ」
「本当?! 有難うございます!!」
萌香の声が嬉しそうに弾む。
「一層のこと、サント・”アルウェン”・ネイジュもやってみる?」
「え~、でも前に、私にはやらせないって仰ってらっしゃらなかったかしら?」
「あれ? そんなこと言ったっけ? ま、私がフォローすれば大丈夫よ!」
「わ、ありがとうございます」
「いい? 細かいことは私がやるから、萌香は先ず、私の能力にどんなものがあるかを理解してね」
「はい!」
「じゃあ、悪魔能力からね……。最初に、私のオリジナル能力、読心術。次に叔母さんの能力、危険察知。それから私の父の能力、皮膚硬化。その他に、右掌低温、右手分離、左掌高温。
「覚えきれませんわ」
「そりゃそうよ。私これでも、過去に最強の大悪魔って言われたこともあるんだもん」
「今は違うのですね……」
「失礼よ、萌香! 心の中で考えても、私たちはお互い筒抜けなんだからね!」
「ご免遊ばせ……。でも、多過ぎですわ」
「普通は、大悪魔の特殊能力は一つなんだけどね、私の師匠に当たる大悪魔が琰って云う法具を使って、仲間の大悪魔から能力をコピーしちゃったのよ。それを今は、私がコピーさせて貰ってるって訳……」
「琰?」
「今見せられないのが残念だけど、占いの水晶玉みたいな物よ」
「なにか、反則みたいですのね……。でも、そう言えば、瞬間移動が無いのは何故ですの? 前に使っていたではありませんか?」
「あれは魔法よ。強力な能力は魔法を使っているわ。魔法なら大概のことは出来るわね。私の得意の『極光乱舞』も魔法の一つよ」
「でも、それなら魔法だけで良いのではありませんか?」
「魔法には色々と制約があるのよ。まず、毎朝使う魔法を決めておかなければいけないの、それと実行するには、呪文を唱えなければならないわ。私の場合、言葉にする必要がないんだけどね」
「はぁ」
「いずれにしても魔法発動には時間が必要で、そのタイムラグが致命傷になることもあるの。拳銃の弾が当たった瞬間に皮膚硬化して防ぐなんて、魔法じゃ不可能ね」
「はぁ……」
「大体、呪文なら一日に500個近くは使えるし、『瞬間移動』とか、『極光乱舞』とか得意な術は、最低10個は準備しておくから、安心してくれて大丈夫よ」
「それは安心でしょうけどね……」
「じゃぁ次からは、サント・”アルウェン”・ネイジュも萌香がやってね!」
唖然とする萌香を他所に、寧樹はその後、腕輪が見えているのも関わらず、ピタと黙ってしまうのであった。