(二)-10

文字数 217文字

 辰巳は振り返って千川の方を向いた。そして「お前、何やってんだ、いい歳して!」と怒鳴った。
「すみません」
 千川は腰を折って頭を下げた。
「でもあいつ、俺たちのこと馬鹿にしてましたよ!」
「デモもストライキもねえだろ。ガキのいうこと真に受けんなよ。世間じゃ昼間に酒を飲む人間はアル中のロクでなしなんだよ」
「でも、いいんですか、言われっぱなしで。俺たちだって真面目に仕事しているのに。仲卸なんだから朝早いのは当たり前じゃないですか!」

(続く)
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