1 『銀英伝』と文明論

文字数 821文字

 2018年、『銀河英雄伝説』が再アニメ化されました。その年の初めに完全アニメ化された『デビルマン』と同様に、この作品もまた、文明要素の全てを描いたスケールの大きな作品です。

 私は漫画版『デビルマン』やアニメ版・小説版の『銀河英雄伝説』に刺激や影響を受けて、素人SF『 Lucifer(ルシファー) 』シリーズを書くうちに、次のような文明理論(仮説)を考えることができました。

 文明とは、高度な技術を伴う社会活動の様式であり、それには六つの要素があると思います。

 まず、①科学・技術、②経済・社会活動、③制度・政策。これらは、個人の活動でいえば、知る(認識)、行う(行動)、決める(決定)に対応しています。

 文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動(ここでは文化活動や行政活動も含む)ですが、科学・技術はそれを豊かにするため、制度・政策はそれを健全に保つために、分業化した活動といえましょう。

 しかし、科学・技術は④物的資源に具現化されないと、社会を豊かにできませんし、制度・政策は⑤人的資源を通じて実現されないと、社会を健全に保てません。
制度・政策が次の科学・技術を開発するにあたっては、⑥自然・社会環境への考慮が必要です。

 現代においては巨大科学(ビッグ・サイエンス)と言われるように、科学・技術の研究・開発には多くの物資や人材、資金など政策による支援が必要です。また、それに際しては資源産出や技術移転の可否、社会の需要や価値観などの、自然・社会環境が制約または促進条件として働きます。




 以上①~⑥の要素は、〝ダビデの星〟や〝籠目(かごめ)〟の紋様とも呼ばれる、六芒星形(ろくぼうせんけい)(✡)で図示することができ、私はこれを『文明の星(The Star of Civilization)』と呼んでいます。
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