第5話

文字数 245文字

       5

 というわけで、彼女の実家に行くことになったんだよ。いやいやながらね。しようがないよ。なんといっても幽霊は強引で融通がきかないからね。いやほんと。でもね、実は計算があったんだよ。いきなり行って留守を狙うという計算さ。行ったけど留守だったよ。また今度にしよう。それで逃げるのさ。だからあえて実家の電話番号を聞かなかったんだよ。だけど、世の中うまくいかないもんだ。両親は在宅だったし、おまけに妹もいたよ。この妹というのがかなり厄介な存在だった。どう厄介だって? まあ、聞いてよ。
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