第一幕(12)

文字数 315文字

終わったら、ください。
はい?
茶碗ですよ、ミスター・アイ。片づけますから。
(ちょっと不満)大氷原を渡るあいだ、ずーっと「ミスター」なんですか?
(笑って)なんとお呼びしたらいいか、わからなくて。
僕の名前はゲンリー・アイですよ。
それはわかってます。「エストラヴェン」も私の名前ではなく――
エストレ地方のご領主の一族ってことなんでしょう。僕だってどう呼ぼうか、迷ってたんです。セレム・ハース、ええと、レム・イル・エストラヴェンて――
ハースでいいですよ。
(半分喜び、半分とまどい)あの、セレム、じゃないんですね。
(とまどい)ええ……、まあ。
ファーストネームを使うのは、まずいんですか?
ふつうは、きょうだいか、友だち同士だけですからね。

沈黙。

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登場人物紹介

ゲンリー・アイ

地球出身。惑星同盟《エキュメン》の特使。惑星《冬》ことゲセンに単身降り立ち、カーハイド帝国の皇帝に開国をうながす。長身。性格は誠実で直情的。推定される容貌はアフリカ系。男性。

セレム・ハース・レム・イル・エストラヴェン


ゲセン出身。帝国カーハイドにおける《王の耳》(宰相に相当する最高実力者)。ゲンリーの使命の重要性をただ一人理解する。やや小柄(ゲセン人の平均的体躯)。性格は慎重かつ大胆。推定される容貌はアジアあるいはエスキモー系。中性(両性具有)。

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