池田屋事変

文字数 698文字

 元治元年6月5日の夜、京都の長州藩定宿の池田屋に長州藩・土佐藩・肥後藩などの尊王志士たちが集まった。
 新選組に捕縛された古高俊太郎の扱いを論じ合った場には亀弥太とシジミもいた。

 結局、古高の奪還は行わず新選組を待ち伏せ反撃することとなった。

 その後、亥の刻に池田屋へ近藤勇、沖田総司、永倉新八、藤堂平助ほか計10名が到着した。 
 外につながる表口と裏口に3人ずつ配置し、屋内1階に永倉と藤堂、2階に近藤と沖田が突入する。

 「御用改めである。手向かいいたすと容赦なく切り捨てる」

 待ち構えていた尊王志士たちは一斉に新選組に襲いかかる。
 
 沖田は志士を一人切り倒したが、肺結核の発作がおきその場に卒倒。
 藤堂は鉢金をとった額に敵刃を受け出血で視界を失った。
 永倉も切り合いの際に左手親指の付け根を切られ刀が持てない。
 近藤勇は一人で十数名の志士と対峙していた。

 そのうちの一人が声を上げて近藤に切りかかった。

 その場全員の腹に響く近藤のかん高い気合が轟くと、虎徹が一閃し相手が斃れた。

 志士一同は恐れおののき、ある者が亀弥太を近藤の前に押し出した。亀弥太は震えあがり身をすくめた。

 「この卑怯者めが」

 近藤が声の方を見るとシジミが、こると輪胴けん銃を志士たちに向けていた。
 
 その刹那、左手で扇をあおぐように撃鉄を連続して動かして6連射した。
 近藤が見とれていると銃身を持って銃を二つ折りにして空の輪胴をはずし次の輪胴に取り換え、さらに6連射。
 銃煙が立ち込めるなか、近藤は志士たちの中へ飛び込んで行った。

 「今のうちに亀弥太は長州藩邸へ行け。また会おう」

 シジミはそう言い残すと部屋を飛び出した。
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