私を月に連れてって (11)
文字数 862文字
わあ遅刻だもう遅刻だ!と死にものぐるいでダッシュして教室に飛びこんだら、
誰もいなくて。
へっ?
どゆこと?
――みたいな。
何が、どうなって、こうなってる?
――みたいな。
完全にフリーズドライした彼を見て、アリアもパニックにおちいった。
「ごごごめんなさい、これってアウティングってやつだった? 違うよね、あのあのあたし誰にも言ってないし言わないし、愛に性別は関係ないと信じてるしっ」
「……」
「だけどあたしほら水原くんとなんていうかつっ、つ、つきあってて、なのに佐藤くんこんなすごい優しくしてくれて申し訳なさすぎっていうかっ」
「……」
「ていうかあたしが甘えすぎっていうかずうずうしいっていうかひどいよね、佐藤くんの気持ちぜんぜん考えてなくて、だって楽しすぎてほんとにほんとにごめんなさい」
「あの……、波多野さん。なんの話?」
「だから」
「うん?」
「佐藤くんて、水原くんが、好き……、なんでしょ?」
目をつむった彼が、ふたたび目をあけるまで、三秒足らずの間があったのだが。
アリアには、五時間くらいに思えた。
「どっから出てきた? その話」
「え、だって、」
はいここで作者から質問です! アリアにこんな嘘っぱちを吹きこんだのはいったいどこの誰でしょう? ご記憶の読者さまいらっしゃいますか? あ、手を挙げてくださったそこのあなた、凄い。ダブルダブル検定二級の証書をさしあげます!
正解は、
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「だって水原くんが
(『ダブルダブル』第一部第一章第一話「佐藤くんとあたし(1)」参照)
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