誕生日のプレゼント
文字数 1,838文字
恋人からの誕生日プレゼントって、どんなものが浮かびますか?
アクセサリーや時計、服、花束や本。旅行や映画、観劇なども素敵です。
夫は恋人だったころからそんなしゃれたものはくれません(ーー;)
結婚前の誕生日、仕事を終えて一人暮らしの部屋に帰るとドアの前に薄汚れたプラスチックの植木鉢が置いてありました。
カランコエの赤い花でした。
花の名前も鉢に貼ってあるシールで初めて知りました。
私の印象では役所の入り口の花壇に植えてありそうな、主張しない(言葉を変えれば地味な)お花です。
そのころはまだ恋人だった夫からのプレゼントでした。
う〜〜ん……。
本当にごめんなさい。
正直がっかりしたのです。
付き合って初めての誕生日。
「もうちょっとなんかあるやろ……」と思ってしまいました。
せめて、鉢を綺麗にしてリボンをかけるとか。
スーパーの袋に入れて置いてありました。
夫は夕方からも仕事があったので、その合間にわざわざ届けてくれたのです。
それだけでもありがとうですよね。
でも、私にも一応「乙女心」というものがあり。
なにをくれるかなぁ……なんて期待してしまっていたのです。
夫は思いやりはありますが乙女心は全くわかりません。
長年友達として付き合ってきて、そういうのわかる人だと思っていました。
電話で「ありがとう。でも、なんなんあれ……」と突っ込んでしまいました。
夫は「なんなんあれって、いい花やねんで!」とかなんとか言っていたと思います。
結婚したときに新婚家庭に持って行くまでは枯れていなかったと思いますが、あの後どうなったんだろう。
薄情な女ですみません。
夫の誕生日には新婚生活が始まっていました。
身につけるものにもちっともお金をかけない夫。
私は「もういい年だし、せめて靴ぐらいは良いものを履いてほしい」と思い、ちょっと奮発して革靴をプレゼントしました。
夫は「どれだけ歩いても疲れない」と、とても気に入ってくれました。
あれから10年以上経っていますが今も大事に履いてくれています。
話は戻りますが、結婚前にもらってろくに大切にもしなかったカランコエ。今なら大喜びします。
というのも、去年の夫からの誕生日プレゼント、なななんと、花も咲いていないただの葉っぱでした(◎_◎;)
いつかのように、薄汚れた鉢に入って……。
またまたスーパーの袋に入っていました。
もちろんリボンなんてついていません。
もうさすがに悲しくて腹が立って文句を言いました。
「なんで花も咲いてないの?」
ポットに刺さっている説明書には赤い花と黄色い花の写真が載っていました。
でも、現時点では花は一輪もついていません。
そんなプレゼントってありますか?
夫のことも知っている、家族ぐるみでお付き合いのある友達に半分笑い話で愚痴りました。
「せめて咲いてる花を一輪添えたらよかったのになぁ」と言って同情してくれました。
ほんとにそうですよ。
私は植物を育てるのが苦手で「サボテンも枯らす」と友達にも笑われていました。
そんな私にこんなものくれるなんて……。「他になんぼでもあるやろ!」と思いました。
しばらくすると、みるみる育ってたくさんの花をつけ始めたのです。
どんどん大きくなるので、土を買ってきて一株ずつ植え替えました。
もうかわいくて、毎日花柄を摘み、土が乾いたら水をやり、雨がひどくなると聞けば軒下に入れました。
世話をすればするほど、どんどんきれいな花を咲かせます。
私はすっかり土いじりの虜になっていました。
夫からもらったのは、なにかわからない花も咲いていない葉っぱじゃなくて「花を育てる」という楽しみでした。
結果的にそうなりました。
ちょっと悔しい。
その花はカリブラコアという、初心者でも手入れのしやすい花でした。
びよ〜んと茎が伸び、花が少なくなってきたら思い切って刈り込みます。
このまま枯れてしまうのでは……と不安に思うのですが、しばらくすると新芽がたくさん出て、また元気に花をつけてくれます。
冬を越し、2年目もたくさんの花を楽しませてくれました。
今年の誕生日には、同じカリブラコアの紫と濃いピンク、今回はちゃんと花のついたものをプレゼントしてくれました。
楽しみをプレゼントするなんて、やるやないか……。
なんか悔しいけど。
そう思いながら、今日もせっせと花パト(花パトロールの略。花の様子を見に行って世話をすることを勝手にこう呼んでいます)しています。
アクセサリーや時計、服、花束や本。旅行や映画、観劇なども素敵です。
夫は恋人だったころからそんなしゃれたものはくれません(ーー;)
結婚前の誕生日、仕事を終えて一人暮らしの部屋に帰るとドアの前に薄汚れたプラスチックの植木鉢が置いてありました。
カランコエの赤い花でした。
花の名前も鉢に貼ってあるシールで初めて知りました。
私の印象では役所の入り口の花壇に植えてありそうな、主張しない(言葉を変えれば地味な)お花です。
そのころはまだ恋人だった夫からのプレゼントでした。
う〜〜ん……。
本当にごめんなさい。
正直がっかりしたのです。
付き合って初めての誕生日。
「もうちょっとなんかあるやろ……」と思ってしまいました。
せめて、鉢を綺麗にしてリボンをかけるとか。
スーパーの袋に入れて置いてありました。
夫は夕方からも仕事があったので、その合間にわざわざ届けてくれたのです。
それだけでもありがとうですよね。
でも、私にも一応「乙女心」というものがあり。
なにをくれるかなぁ……なんて期待してしまっていたのです。
夫は思いやりはありますが乙女心は全くわかりません。
長年友達として付き合ってきて、そういうのわかる人だと思っていました。
電話で「ありがとう。でも、なんなんあれ……」と突っ込んでしまいました。
夫は「なんなんあれって、いい花やねんで!」とかなんとか言っていたと思います。
結婚したときに新婚家庭に持って行くまでは枯れていなかったと思いますが、あの後どうなったんだろう。
薄情な女ですみません。
夫の誕生日には新婚生活が始まっていました。
身につけるものにもちっともお金をかけない夫。
私は「もういい年だし、せめて靴ぐらいは良いものを履いてほしい」と思い、ちょっと奮発して革靴をプレゼントしました。
夫は「どれだけ歩いても疲れない」と、とても気に入ってくれました。
あれから10年以上経っていますが今も大事に履いてくれています。
話は戻りますが、結婚前にもらってろくに大切にもしなかったカランコエ。今なら大喜びします。
というのも、去年の夫からの誕生日プレゼント、なななんと、花も咲いていないただの葉っぱでした(◎_◎;)
いつかのように、薄汚れた鉢に入って……。
またまたスーパーの袋に入っていました。
もちろんリボンなんてついていません。
もうさすがに悲しくて腹が立って文句を言いました。
「なんで花も咲いてないの?」
ポットに刺さっている説明書には赤い花と黄色い花の写真が載っていました。
でも、現時点では花は一輪もついていません。
そんなプレゼントってありますか?
夫のことも知っている、家族ぐるみでお付き合いのある友達に半分笑い話で愚痴りました。
「せめて咲いてる花を一輪添えたらよかったのになぁ」と言って同情してくれました。
ほんとにそうですよ。
私は植物を育てるのが苦手で「サボテンも枯らす」と友達にも笑われていました。
そんな私にこんなものくれるなんて……。「他になんぼでもあるやろ!」と思いました。
しばらくすると、みるみる育ってたくさんの花をつけ始めたのです。
どんどん大きくなるので、土を買ってきて一株ずつ植え替えました。
もうかわいくて、毎日花柄を摘み、土が乾いたら水をやり、雨がひどくなると聞けば軒下に入れました。
世話をすればするほど、どんどんきれいな花を咲かせます。
私はすっかり土いじりの虜になっていました。
夫からもらったのは、なにかわからない花も咲いていない葉っぱじゃなくて「花を育てる」という楽しみでした。
結果的にそうなりました。
ちょっと悔しい。
その花はカリブラコアという、初心者でも手入れのしやすい花でした。
びよ〜んと茎が伸び、花が少なくなってきたら思い切って刈り込みます。
このまま枯れてしまうのでは……と不安に思うのですが、しばらくすると新芽がたくさん出て、また元気に花をつけてくれます。
冬を越し、2年目もたくさんの花を楽しませてくれました。
今年の誕生日には、同じカリブラコアの紫と濃いピンク、今回はちゃんと花のついたものをプレゼントしてくれました。
楽しみをプレゼントするなんて、やるやないか……。
なんか悔しいけど。
そう思いながら、今日もせっせと花パト(花パトロールの略。花の様子を見に行って世話をすることを勝手にこう呼んでいます)しています。