(二)-13

文字数 249文字

 僕たちもジーノの後を追った。あの頭巾の男が父の居場所を知っているのだろうか。
 桟橋から陸地にやってきた頭巾の男性とジーノはなにやら話をしていた。僕たちは彼らの近くにいてその話を聞いていたが、言葉が違うらしくて何を話しているのか、わからなかった。
 すると、頭巾の男がゆったりとした服の中から革製の巾着袋を出し、その中から金貨を一枚出して、ジーノに手渡した。
 ジーノは「交渉成立だ。お前たちはこの船に乗ってゆけ。この人のいうことを良く聞くんだぞ」と、僕たちの背後に回り、背中をグイッと押した。

(続く)
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