第三十七話、休息
文字数 1,609文字
暗くなり、ドワーフは兵を引いた。レマルクの軍はドワーフの軍の少し離れた北側で野営した。
リボルは言った。石垣は所々ドワーフによって破壊されたが、ドワーフの侵入を許さなかった。
スタミンは笑った。
補給と部隊編成の話を少ししたあと、リボルとスタミンは分かれた。
バナックは落ち込んでいた。馬に乗り暴れ回っているうちに、自分が物語の英雄か何かになったような気分になってしまい、周りが見えなくなってしまった。結果、預かった兵を半数近く失ってしまった。顔を上げて周りを見ることができなかった。
背後に人の気配がした。
スタミンがバナックの横に座った。
平謝りした。
まぁ、元気出せと、スタミンはバナックの肩を叩き、他の兵の集まりに向かった。
ドワーフの北側、レマルクの陣、兵と馬は休んでいた。
ゴプリはプレドに薬草を背中に貼って貰っていた。
ゴプリはドワーフ相手によたよたと八人ほど倒した後、へろへろになって動けなくなった。その後はプレドの背中におぶわれ逃げ回った。
ゴプリの怪しげな槍さばきに、プレドは感銘を受け勝手に師と仰ぐことにした。
ゴプリは身振り手振りをまじえながら、戦場における槍の極意を早速教え始めた。それをプレドは真剣に聞いた。
途中から歩兵を二つに分け、ベリジの部隊から逃げる部隊と、ムコソルの部隊を攻撃する部隊と役割を分けていた。ゴプリとプレドはベリジから逃げ回る部隊に入っていた。
プレドは槍を握りしめうなずいた。
ドワーフの王はドルフは、小麦とふかしたジャガイモをバターと練り込み、焼いたものをほおばっていた。ジャガイモのほっこりとした食感にバターの塩味がいい。
ムコソルは言った。