第46話  龍子さんとデート? 1

エピソード文字数 2,970文字

 

 ※


 本日土曜日。夜の喫茶店にて。

 バイトが終われば龍子さんと飯を食いに行く約束となっていた。


 この日もバイト連中は全員集合であり、今日は魔優が休んでの編成だったが、その場合美樹ちゃんが厨房に回ると喫茶店は上手く回るようになっている。


 そして先日から厨房の仕事もできる龍子さんが魔優の立ち位置となり、まさにオールラウンダー的ポジションを確立しつつあった。

坂田さんもすっかり慣れちゃいましたね。

いえいえ~お姉さま達のように反射神経良くないから、まだまだですよ~。

いあ、坂田さんも相当早いぜ。やっぱ紫苑の教え方が上手いんだろうな。

聞いてるこっちとしても、ああなるほどって場面が多いし。

ちょい。あんまり褒められても困るって。

龍子はんやて、店内と厨房の両方よーみてるし、美優ちゃんと同じリーダーっぽくなってるやん。

そうよっ! ここにいる子達はみんな美人で仕事もできる素晴らしい人達ばかりだわっ!

素敵よっ! 素敵過ぎるわっ! みんなっ! 


まるで精鋭部隊だわっ!

だからの。麻莉奈と相談したんじゃが、来週から時給をもうちょいあげるぞい。


やった! これは嬉しいですねっ!
でも私は、まだ四日目ですし、おすし。

いえいえ~そんなの関係ないですよ。

一生懸命お手伝いしてくれてるんだもの。

ふぉ~~! 魔樹くんに褒められ……
そうじゃぞ沙織ちゃん。みーんな一緒に時給を上げて、みーんなハッピーじゃい。
おお、良い事いうじゃねーか。見直したぜ

 龍子さんはそう言いながら、じいじのつるっぱげ頭を当然のように撫でる。

 

ですね。俄然やる気になってきますよ。

 俺も同じように頭を撫でるけど、じいじは何も抵抗しないんだよな。

 むしろ喜んでいるようにも見える。

そうよっ! ここで一緒に戦ってくれる同士なのだから、当然だわっ!  当たり前よっ!

それでもまだ忙しいから、バイトは募集してるけど、みんなが自由にシフトを組めるようにするから、もう少し我慢して頂戴ね。

 今日のママはちゃんと仕事をしていた。珍しく。

 どういう心境の変化なのか分からないが、ちゃんと動けば一番頼りになるのに。多分……


 


 今日は土曜日だから華凛とももまろはそのまま白竹さん家に泊まることになっていた。


 俺は一旦家に帰ってから、近くの公園で龍子さんと待ち合わせする予定だ。

 もちろん、ミユマユや華凛にも龍子さんと飯を食いに行くのは伝えてある。

まぁこのままでいっか。ポニテが一番楽だし、別にデートするわけでもないし。

 とりあえずシャワーを浴びてささっと準備すると、いつもの服で出かける。

 その時、ふと聖奈から貰った洋服一式が目に入るが……やはり普段着で行こうと思った。

まだスカートはムリゲーだな。

まずは聖奈やミユマユちゃん達に教わるべきか。

 玄関を閉めて近所の公園へと歩いていくと、すぐに龍子さんを発見したのはいいのだが……

どうもです。今日はよろしく。
龍子さん。バイク?

 何となくヤンキーが好きそうなバイクである。

 俺はあまり詳しくないので、名称までは分からないが、レーサーのようなバイクじゃなくって、どこかしらレトロな感じもするバイクであった。

ですです。車でもいいかなと思ったんですけど、今日はこっちで。

 マジか。龍子さんがバイクに乗れるだなんて知らなかった。

 しかも車まであるのかよ。


 参ったな。龍子さんは19だから、免許も持ってるってことか。

 俺みたいな偽物の19才じゃないからな。

何処かいきたい場所とかあります? 何が食べたいっすか?

楓蓮さんのお好きなところへ行きましょう。

あ、えっと……何も考えてませんでした。

龍子さんの好きなところでいいですよ。

ふはっ。そーいうのが一番困りますねぇ。

じゃあ俺にお任せってことでいいですか? 後悔してもしりませんよ。

大丈夫です。龍子さんが選ぶ場所だったら間違いないですから。

おっと、結構なプレッシャーですね。

じゃあ、俺にお任せってことで、行きましょう! 押忍!

押忍っ!

 龍子さんからヘルメットを受け取り、バイクの後ろに乗せてもらう。

 実は俺って、バイクの後ろに乗ったのは初めてだったりする。


 発進した瞬間に落とされそうになったが、慌てて龍子さんにくっ付くと「バイク初めてですか?」と速攻バレてしまった。

 肩じゃなくて腰を持ってくださいね。

 ちなみに、肩を持たれるとちょっと運転しにくいという難点がありまして。 

すみません。私本当に乗った事がなくて……

いえいえ、乗った事無い人って、ほぼ肩を持とうとするんですよね。

しっかり腰を持っててくださいね。行きますよ。

 うぉっ! 早い! 早すぎるだろ!

 初バイクの印象は、圧倒的なスピード感だった。


 肌で感じる風は凄まじく、しっかりと腰に掴まっておかないと振り落とされそうだ。

 

楓蓮さん。すみませんね。バイクを選んだのは確信犯です。

こうなるのを分かってて、今回はバイクに……

ああ、ずっとこのまま……時間が止まればいいのに。

そしていつかは龍一で……あなたを後ろに乗せて走りたい。


 ※


 龍子さんのバイクが向かっているのは繁華街らしい。

 地元からは電車で十五分ほどの場所に、日本でも超有名な繁華街がある。


 実はそこにも行った事がない。行きたいとは思ったが特に用事もないからな。

 それに高校に入ってから速攻バイトを始めたので、行く時間さえなかったというのが正しい。

だけどバイクがあるといいなぁ。俺も中型免許欲しいぜ。

 バイクは四車線ある大きな国道を進む。

 しばらく進んでいくと、夜中なのに大きなネオンが輝く場所までやってきた。


 龍子さんはウィンカーを出すと、そのまま駐車場へとバイクを止める。

この辺からそっちに歩けば、何でもあると思います。行きましょう。

はい。だけど私……

こんな場所に夜中来るの初めてで。

 時間は十一時前。こんな夜中なのに人がすげー多いんだけど。

 若いヤツや、サラリーマンの軍団。酔っ払いみたいなおっさんもいれば、すっげーケバイ女の人もいる。


 いやーさすが都会だわ。

 地元でもそう感じたけども、この繁華街はまさにテレビで見るような……そんな世界が広がっていた。

大丈夫ですよ。俺がいますんで問題ありません。

 ここは龍子さんに任せたほうがいいだろう。

 田舎者にとっては、こんな場所で何をするといってもサッパリわかんねー。

 龍子さんの後ろに付いていくと、明後日の方向から「君」「君」と声が聞こえた。


 その声の主と目が合う。うん。全然知らんヤツだ。

【ホスト暦二ヶ月のイケメン】

ねぇ君。俺とどこか遊びにいかない?

 あー。そういう類のヤツか。

 すっげースーツだな。紫だぞ紫。

こらテメー。何を楓蓮さんをナンパしてんだよ!

ぶっ殺すぞ! 

 早速エキサイトし始めた龍子さんだった。

 声を掛けてきた男の胸倉を掴んで、締め上げようとしてたその時――


 後ろからまた声が聞こえたので振り返ると、また同じような男が俺に声を掛けてくる。

楓蓮さん。とりあえず行きましょう。こんな奴ら無視です。

はい。行きましょう。

 ったく! どこから沸いてくるのか知らないが、鬱陶しい奴らだ。

 ただ俺達は飯を食いに来ただけなのに、こんなに声を掛けられるとは思わなかったぜ。

ひっひっひっ。こりゃすげーわ。

道行く男達が全員楓蓮さんを見て驚いてやがる。


やっぱり、楓蓮さんの魅力は半端無いぜ。

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登場人物紹介


 ★登場人物でも若干のネタバレを含みます。第一部からお読みいただきますようよろしくです。

 ★逆に第二部の登場人物を先に読んでから、第一部をお読み頂きますと、別の意味で楽しめます。

 

 ★読者視点は神視点。登場人物の心の声も聞こえます。(フキダシの色がこの色)

 ★ 黒澤 蓮 くろさわ れん


 本編の主人公。高校一年

 男女入れ替わり体質。
 
 弟の凛と共に、新天地で新たに生まれ変わろうと、楽しい学校生活を送ろうとする。友人作りに重きを置き、人との付き合いにはとても慎重である。


 自分自身の事よりも、仲間の為ならば凄まじく有能になる。

 ★ 白峰楓蓮 しらみね かれん


 蓮の女性の姿。類稀なる美少女だが本人にはあまり自覚がない。


 外部には黒澤家の親戚(蓮の姉)となっている。

 楓蓮では世間との関わりあいを最小限にしてきたが、徐々に一人の女性として目覚め始める。

 

 自分を理解してくれる人間が増えるたびに楓蓮は飛躍的に成長してゆく。  

 ★ 黒澤 凛 くろさわりん


 小学校六年生

 男女入れ替わり体質。

 

 兄である蓮を慕い、とっても素直で女の子のような性格。
 ことある毎に兄に甘えてしまい、いつまで経っても、子供のままなので、蓮は凛の将来をとても心配している。

 

 二部中盤で凛オンリーの章があります

★ 白峰 華凛 しらみねかりん


 凛の女性の姿。

 外部との接触が無いので、彼女の存在を知るのは黒澤家の秘密を知るものだけ。

 楓蓮と違い、おしゃまさん。

★ 黒澤 玲斗 くろさわ れいと

★ 白峰 麗華 しらみね れいか


蓮や凛のお父さん。ただいま遠方で仕事中。

麻莉奈や平八。ティナとは大親友。


後半から再び登場します

★ 美神聖奈 みかみせいな


 高校で蓮と同じクラスとなる。実は小学四年生までの幼馴染。

 容姿端麗。成績優秀。運動神経抜群。リーダーシップ抜群。お金持ち。


 高校当初から蓮と関わりを持ち、お互いに影響されてゆく。無二の親友?

 記憶喪失だったが、徐々に昔の事を思い出してゆく。


 二人目の主人公。

★ 平八 へいはち 


 聖奈専属の運転手。

 黒澤家の秘密を知っており、蓮の親である麗斗(れいと)とは旧知の仲

 おっぱい職人。ツイッタのフォロワーは10万以上の有名人。

 作中でも最強だと言われるが……

★ 白竹 美優 しらたけ みゆう

 

 男女入れ替わり体質

 蓮と同じクラスとなる。ピンクの髪が目立つ美人。とても内気で、語尾が変になる。

 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は魔優と入れ替わっている

 歌が上手く、全国でも有名な絵師でもある。(エロ同人が本業)

 

 三人目の主人公。 

★白竹 美樹 しらたけ みき


 白竹美優の男性の姿。

 外部では白竹魔樹と名乗っているので、彼を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で厨房担当したり、サイクルの都合上、学校でも魔樹として振舞う。

 男の子の身体で遊ぶのが大好き

★白竹 魔優 しらたけ まゆう


 男女入れ替わり体質。

 外部では白竹美優と名乗っているので、彼女を知るのは家族と秘密を共有する人のみ。

 主に喫茶店で接客担当。サイクルの都合上、学校でも美優として振舞う。

 心の中は女の子なので、こちらが真の姿となる。

 四人目の主人公

★白竹 魔樹 しらたけ まき


 魔優の男の姿。外部に知られているのは魔樹である。

 蓮の隣のクラスで、常にクール。成績も良く、空手や合気道を習得。

 学校内では魔樹王子と呼ばれるほどモテる。


 自分の家の喫茶店で働いている事になっているが、実は美優と入れ替わっている

 乙女ゲー大好きのツンデレ。

★白竹 麻莉奈 しらたけ まりな


美優。魔優の母。入れ替わり体質。


とてもピアノが上手く、蓮はプロの犯行だと断定。

双子の母だけあり、とても美人だが色々とヤバい人。

男の姿は、でかい上にマッチョらしい。


★ じいじ


 白竹家のおじいさん。喫茶店のオーナー。

 小太りでツルっぱげ。チョビ髭が可愛い。

 厨房担当で楽しい事があると、その場でクルクル回りだす。

★ 染谷龍一 そめやりゅういち


 男女入れ替わり体質。

 蓮と同じクラスとなり、前の席という事で付き合い始める。

 わりと積極的で、クラスでも人気がある。

 楓蓮に一目惚れし、ずっと彼女を追い求める。

 オムライサーでありポニテマニア。

 

 五人目の主人公

★山田 龍子 やまだ りゅうこ


 龍一の女性の姿。

 楓蓮を追って同じ喫茶店で働く事になる。全国でも有名な山田組の人間。

 ケンカが強く、蓮も認めるほど。

 楓蓮に近づく男を排除しようとする俺っ子。

★山田 虎子 やまだ とらこ


男女入れ替わり体質。龍一の弟(妹)

全国統一を夢見る女の子。既にチームを結成しており、チームヴァルハラと名づける。

口調はキツいが、兄弟には頭が上がらない。

デコトラならぬデコチャリで街中を暴走する。

★染谷 翔一 そめや しょういち 


男女入れ替わり体質。龍一の兄(姉)

龍一が恐れる唯一の兄貴。百人でかかっても勝てないらしい。

ただいま、新婚生活真っ最中。

★染谷 桜 (そめや さくら)


 翔一の奥さん。普通の人間。

 とても清楚で大人しそうな美人だが染谷三兄弟は彼女に対し頭が上がらない。

 翔一を女らしくする為、日々調教中。

★百済 紫苑 くだら しおん


 高校二年。軽音部。実家はソッチ系統の百済組。

 楓蓮達と一緒に喫茶店でバイトを始める。関西弁ちっくな喋り方だが、とても優しく後輩想い。

 蓮の同じクラスである、米山まゆこと、坂田沙織は小学校からの付き合い。

 マイブームはマジョリーナちゃん(ミニチュアダックス)を可愛がる事。

★坂田 沙織  さかた さおり


 高校一年。蓮と同じクラス。

 いつもニコニコ。おっとりとした口調でマイペース。

 紫苑と同じ軽音部。ベース担当。

 親が犬のブリーダーで楓蓮に二匹のダックスを譲る。

★ 西部

 蓮と同じクラス。

 事あるごとに蓮に絡んでくるが、その目的は聖奈や美優と接点が持ちたいが為である。

 ツイッター名では「モントゴメリー」。おっぱい職人を神と崇める。

★真鍋

 蓮と同じクラス。西部の友達。

 頭は良く、テストでも上位だが、彼もおっぱい職人を神と崇める。

 ツイッター名は「穴バースト」

★米山 まゆこ (だんじりバージョン)


 蓮と同じクラス。坂田とは昔からの親友で、紫苑は先輩に当たる。

 魔樹王子にベタ惚れてしまい、蓮に紹介してもらえるよう頼んだ。

 バスケ部所属。一年なのに相当の実力を持っている。

★ 三輪 加奈子 みわ かなこ

 

 蓮と同じクラス。坂田沙織の友達で幼稚園からの付き合い。

 男の子同士がホニャララするのが好き。

★ 清原 愛美 きよはら まなみ


 魔樹と同じクラス。米山まゆこと中学時代からの付き合い。

 ちなみに魔樹王子と呼び出したのはこの子。

★ 梶谷


 蓮と同じクラス。西部の友達で小学生からの付き合い。

 バスケ部所属。一年でレギュラー筆頭。

★高坂


蓮と同じクラス。梶谷の友達。

ギャルゲーのアイドルプリンセスをこよなく愛する男の子。

★ 鼻


楓蓮が命名。

その昔、蓮にケンカ売ってきたり、美優をナンパしたり、ろくでなし男であったが楓蓮や龍子にボコられる。だが楓蓮に鼻を治してもらったと勘違いしている。

楓蓮に殴られてから、とんでもなく優秀な男へ変貌する(だがケンカは弱い)

★ヴァルハラメンバー 


 只今メンバーは八人。

 虎子率いるチームヴァルハラメンバー。俗に言う不良だが、楓蓮。龍子。虎子には従順。

 実は全員イケメンレベルだが、とにかく頭も弱く、ケンカも弱い。

 NO表示されており、変なヤツが混じってます。 

 竜王 冴子 りゅうおう さえこ


 高校一年。西部曰く、彼女と美神聖奈。白竹美優を三大美女認定している。

 いつも笑顔。とても愛想が良い彼女だが……

 王二朗曰く、超危険人物。鞄にスタンガンを隠し持ち、女の子を襲うらしい

★ 播磨 王二朗 (はりま おうじろう)


 高校一年。竜王冴子と共に登場。190センチの巨漢であり極道顔。

 とてもじゃないが高校生には見えない容姿に、シルエット姿となっている。

 警官とエンカウントすると、ほぼ職務質問されてしまう。

 ゴリラのモノマネが神がかっている。

★竜王 将哉 りゅうおう しょうや


 萌ゴリと共に現れた男性。とてもイケメンだが萌にナンパーマンであると暴露されてしまう。萌は恋人だと告げるが……楓蓮は最初から将哉を警戒する。 

★稲坂 萌 いなさか もえ


 楓蓮が早朝マラソンに出かけた際に知り合った女性。

 巨漢で筋肉質なので、楓蓮は男だと勘違いするほど。

 とても気さくでしゃべりやすい印象を受けた萌ゴリ。ちなみにラッキースケベ体質。

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