勇者凱旋
文字数 785文字
ついに勇者とその仲間は魔王を討ち滅ぼした。
世界の闇は晴れ、人々は光の中で歓喜していた。
勇者は姫と仲間と共に町へ帰ると、盛大に宴が開かれた。
平和の中で人々が落ち着きを取り戻した頃、
勇者アレフレッドとマルガレーテ姫の結婚式が執り行われた。
人々に祝福されながら二人は永遠の愛を誓った。
勇者と姫は毎晩お愉しみだった。
ぐわああああああああああ！！！！
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ！！
……え、死なない？
いや、死ぬわ。
ぐわあああぁぁぁっ！！！！
あぁ、すごい絶叫。
あの恐ろしい魔王を倒した伝説の勇者とはとても思えませんわ。
うっとりしちゃう
マルガレーテは勇者をベッドに拘束し、ナイフで腹を開いて、健康そうな真っ赤な内臓を眺めていた。
知ってる？
ここが胃で、小腸、大腸へ繋がっているの。
それで、この二つの袋が肺。
で、フフフ、これは知ってるわよね。
このドクドク忙しなく活動しているのが心臓。
緊張してるの？ すごい速さよ
ぎ、いいいぃぃっいいいいいいい！！
あ、ああああああ、あぁ！！ 緊張してるよ！！
嫁に大事なところ触られてんだからなぁぁぁぁ！！
バカ野郎があああぁぁぁぁあぁぁぁぁ！！！！
ちょっと、流石にうるさいわ。
肺、潰すわよ
姫は、風船に針をたてる子供みたいに、ナイフを容赦なく肺めがけて振り下ろした
ひっ……こひゅ……ぐぽっ……
はぁ、素敵な感触……
腕や胸の筋肉とは違う、柔らかいお肉の感触……
…………
あ……心臓止まっちゃった。
血が流れ過ぎたのかしら。
それともリリーが言ってた、痛みと急な失血による死、ってやつかしら。
勇者のくせに情けないわね
……
はぁ、なんで、死ってこんなにも私を魅了して離さないのかしら。
生きているあなたは好きよ。
でも、死んだあなたも大好き。
頑張ってくれたご褒美に今日は一緒に寝てあげる。
冷たい身体は、私が特別に、素肌で暖めてあげる。
まあ、あなたは覚えてないでしょうけどね
