2020/02/09 18:39

文字数 650文字

僕はダメな奴だなぁ、と思う。なにも成し遂げられない。なんて無力なんだろう、と打ちひしがれる。じゃあ、努力してるかと言えば、たいした努力をしてないんじゃないか、とも思う。自分のなかでは努力してるつもりだけど、相対的に見たらダメだ。なにもかもが足りない。絶望のなか、それでも僕は生きていく。だいたい、感情にムラがありすぎるよね。器用に生きられるひとはいいなぁ、と思う。そういうひとにはもちろんそういうひと特有の悩みがあるし、器用に生きてるひとなんて少ないし、ない物ねだりはやめたらどうだ、と言われそうだけど、じゃあ、僕はこれからも今まで通りに下を向いて歩きながら、人々の嘲笑を浴びていかなければならないのだろうか。悔しい。悔しいなら努力をしろ? 努力をして、報われたことなんてないぞ。努力が足りない? 堂々巡りな議論だ。議論にすらならない。詭弁だろう。病院の処方薬で睡眠時間がめちゃくちゃになって、僕の体を蝕んでいく。生きることはつらいし、死ぬのもつらいことだ。生きるのでも死ぬのでもなく、仮死状態で袋叩きのサンドバッグ役として存在していく、この人生に、なにか救いはあるのだろうか。価値なんてない。僕に価値はない。……考えてみれば、昔からこんなことばかり書いてきた。他人を不愉快にさせるだけの文章。価値のない存在の僕が書く文章もまた、価値がないのだろう。それは唾棄され、嘲笑の的だった。うんざりだ。楽しい小説が書きたいなぁ。読んだひとも僕も、楽しくなれる、そんな小説が。
2020/02/09 18:39
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僕:語り手。

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