第54話 バジリスク、オークエンペラー、カーバンクル

文字数 2,209文字

俺達はオーク軍の本隊を急襲した。

始めは航空部隊だ。
航空部隊は方陣。
3列になって進む。

飛行する戦力のないオーク軍は空から蹂躙される。
ドラゴン達のブレス。
キラービーナイトのニードルバレット。
キラービーナイトに乗ったスライム達の魔法攻撃。
イビルアイ、魔眼達はオークの魔力を吸収していく。
コカトリス達が上空から石化のブレスを吐き出す。

絨毯爆撃のように、隙間にのない攻撃がオーク軍に降り注ぐ。
オーク軍は阿鼻叫喚を極めた。

蛇王「さて、儂達も進撃するか。」
蛇王はコカトリスに騎乗し、同じコカトリスに騎乗したリガント将軍と並びながら会話している。

リガント「行きましょう。魚鱗の陣準備!」
リガントの今回の戦術は、蛇王に頼まれ魚鱗の陣で中央突破。

ヒロトがオークエンペラーを倒す前に、現場に到着しオークエンペラーと剣を交わしたいようだ。

ガラード王国軍を迎撃したオーク軍の別動隊が、戻る前に決着も着けたい。

蛇王がコカトリスを降りて、バジリスク形態に変わる。
体長3m。
身体は深緑色の竜。
西洋のドラゴンだ。
前足は蝙蝠のようなドラゴンの羽。
尻尾は長く太い。蛇の尻尾。
後ろ足は膝よりしたが鷲の足。
4本の太い正足、鋭い鉤爪。
顔は鳥類。鋭い嘴。
ぎらぎらとした鋭い眼光。
顔の周りに炎の形、深紅のたてがみ。
立ち姿に王の威厳が滲み出る。

蛇王が吠える。
オーク軍は一瞬のうちに混乱に陥る。

蛇王「進撃だ!」

蛇王を三角の頂点として、空から蹂躙されたオーク軍の中を殲滅しながら魚鱗の陣は突き進む。

蛇王の前にオークジェネラルが5匹立ちふさがる。
蛇王「どけ!」

蛇王が睨み付けただけでオークジェネラルの周りにいるオーク兵は石化する。
オークジェネラルは石化こそしないが、身体の自由がきかない。

蛇王の爪がオークジェネラルの頭を握り潰していく。
嘴が魔石を、心臓を食い破る。

あっと言う間にオークジェネラルを蹂躙すると、そのまま突き進む。

コカトリスに騎乗し蛇王の後を追うリガント将軍とリガール親子。
リガール「恐えー。蛇王様凄すぎ。」
リガント「無駄口を叩くな!戦いはこれからだ。」

次は、オークキングが5匹立ち塞ぐ。
オークキング「ここより前に行かせん。」

無言でリガント将軍は右の、リガールは左の、両端のオークキングに斬りかかる。真ん中のオークキングキング3匹を蛇王が相手する。

蛇王が立ち止まり。
戦は乱戦となっていく。

数は拮抗していたが、航空部隊の攻撃後に、地上部隊が進撃するため、一方的に蹂躙していっている。

グレイア「凄いわね。これほどまでの攻撃力があるとは、思わなかった。敵対しなくてよかったわ。」
グレンシー「本当にそうですね。」

ダークエルフ軍は後方で、うち漏らしたオーク達を魔法で殲滅しながら歩いていく。

グレイア「眷属にしてもらって良かったわ。魔力が全く減らないの!使った側から魔力が回復していくわ。魔法を使い放題よ。こんなことが出来るなんて。」

グレイアの周りにイビルアイが数匹飛び回っている。
イビルアイが敵の魔力を吸収し、俺のスキルで自動的に魔力が分配されている。

グレンシー「女王陛下、ズルいです。戻ったら私も眷属にしていただかなくては。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
オークキング「うぬぬ、いったいどうした!2万の兵がこんなにも蹂躙されていくなんて!!」
報告に来たオーク兵はオークキングに殴られて吹き飛ぶ。

オークエンペラー「儂が出よう。」
オークエンペラーは扉を開けて外に出る。

俺達が待ち構えていた。

俺の右手にハク、左手にレイ。
身体にスラオ、腰にムラマサ。
左目はアイ。肩の上にライゾウが浮いている。
俺の周りは4体の精霊が飛び回っている。

左後ろ上空にハピ。
右後ろ上空にヒナ。

ちょっと離れて右側斜め前方にコボミ。スキュラ形態。

ちょっと離れて左側斜め前方にスパ。
アラクネ形態。

左前に盾を持ったリザ。
人化状態。

オークエンペラー「精霊達、セイレーン、吸血鬼、スキュラ、アラクネ、エルダードラゴンか。この辺りにはいない魔物達、それらを束ねる人間。お前は何者だ。」

「ただの人間ですよ。貴方の目的は何ですか?」
会話出来るならちょっと色々聞きたいところだ。

オークエンペラー「知れたことよ。人間どもを排除して魔族の大王国を復活させる。なぜ邪魔をする。ゴブリンどももお主が倒したのか。」

ライゾウ(まあ、元々この大陸のほうぼうに魔族は住んでいたからね。王国ではなかったけど。人間達と戦って北に追いやられたけど。今さらだね。)

「ゴブリン達を倒したのは俺達だよ。人間の国と戦うのを今のところ邪魔するつもりはない。勝手に戦ってくれって感じ。それより、この深淵の樹海を荒らされるのは黙ってないぞ。」

オークエンペラー「樹海の守護者気取りか。おい!樹海の守護者を檻ごと持ってこい。」
オークエンペラーは近くにいたオークに命令する。
「樹海の守護者?」

オークは檻を抱きかかえて持ってきた。鑑定したところ特殊な魔法処理がされている魔道具の檻だ。

中には白いリスのような動物がいた。
額に真紅の宝石。カーバンクル!?
オークエンペラー「トロルの集落を殲滅した時に捕まえたのよ。」
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登場人物紹介

佐藤 大翔(サトウ ヒロト)年齢35歳。

異世界転移後は見た目14歳ぐらい。

淡々と物事を進めるタイプ。

女性に言いたい事を言えない。

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