第3話(8)

エピソード文字数 1,462文字

「ユウ? 何故にゲッソリしてるんだ?」

 僕の悪友・空霧雲海が、不意に問うてきました。
 え? こうなってる理由かい? そんなの決まってるじゃん。


 放課後になっても双剣が見つからないからだよ!


 休み時間は勿論のこと、昼休みなんてご飯を食べながら探したんだ(二人とも弁当箱持参のため、先生に『歩きながら食うな!』と怒鳴られた)。
 なのに、発見できず。自分を元気にできない僕は、身体と精神の疲れでぐったりなっておりますのです。

「色紙クン。完全下校になるまで、まだ時間がありますわ。キミはキツイだろうけど、二人で探しましょう」
「お、ラミラミが来た。今日は部活休みだから、探し物があるなら手伝うぜ?」
「あぁいや、お構いなくっス。事情があって、二人じゃないといけないんだよ」

 コイツが黒い線なんて見つけたら、大騒ぎして大問題に発展する。最悪レミア達の関係者か白金族を招集できるので、お気持ちだけ頂いておきますよ。

「ほぉ、そうなんか。だったらせめて、オレは占いで貢献するとしようか」
「? 占い? アンタ、そういうの得意だったっけ?」
「夏アニメのヒロインが、大の占い好きでな。占星術とか八卦ってのを勉強したんだよ」

 そういやコイツって、影響されやすいんだよなぁ。神魔法少女イウを作成したのだって、その時ハマったヒロインに作詞作曲の趣味があったからなんですよ。

「ユウは、オレが異様に飲み込み早いの知ってんだろ? 探し物がある場所を、バシッと当ててやるよ!」
「確かにアナタは、二次元が絡むと凄まじいよなぁ。それではやってみてくださいませ」

 占いが当たった、なんて話は幾度も耳にしたことがある。どうせ手がかりがないんだから、これに頼ってみよう。

「あいよ相棒っ。……では、お尋ねする」
「うんどうぞ」

 お尋ねされましょう。

「オマエらが探しているのは、誰の物なんだ? ユウ、ラミラミ、それとも別の人?」
「俺ではなくラミラミで、麗平さんのモノだよ」

 ミラルの、双剣。探しているのは、本物の聖剣っス。

「ふむ、ラミラミか。それでは失礼」

 雲海は、ガシッ。麗平さんの右手を強めに握る。

「ラミラミ、オマエが求めている物をイメージしてくれ。精密に浮かべると成功率が上がるから、しっかり頼むぞ」
「ら、ラジャーですわ。………………んんっ、イメージしましたわよ」
「オッケ。したらば」

 彼は小声で何かをブツブツ呟き、多分詠唱をする。そしてそのあと視線を数回右から左、左から右へと動かし、目をカッと見開いた。

「降りてきたぞ! ラミラミの探し物は、職員用駐車場にある落書きされたマンホール、その上空2メートルにある!」

 ………………。すげぇな占い。そこまで具体的なのが降りてくるんだ。

「なあ。アンタ、あてずっぽう言ってませんか?」

 繰り返す。具体的すぎるだろ。

「ユウよ、オレの占いは100回に1回は当たるんだ。これまでやった99回すべてに失敗してるから、次は的中だぜ!」
「……お前、頭ダイジョーブ? 全てに失敗してるんなら、100分の1にはならないだろ」

 その確率は、100回やって1回当たった場合に出るの。今回当たる保証なんて、どこにもないんだよ?

「案ずる勿れ、自信がありまくりだ。騙されたと思って行ってみな」
「そ、そう? なら行ってみるわ」

 ヒントがないのだから、どこから探してもおんなじ。なので俺は麗平さんと共に、指定されたエリアに向かった。
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登場人物紹介

色紙優星 16歳の少年


高知県生まれの主人公。

リリウという神様の聞き間違えで魔王使いになってしまい、おまけに『究極奥義』と呼ばれる力を何個も持ってしまった高校生。優しく他人想いなのだが、彼はとあるセンスが全くないのであった……。

黒真レミア 16歳の少女


魔王、でありながら伝説の勇者の能力を持つ。冷徹でクールな容姿と声音を持つ美少女だが、性格はほわほわでお子ちゃま。『にゅむ』という独特な言葉を多用し、時にはにゅむのみで会話を行おうとする。例「にゅむーむ。にゅむ。にゅむりん」。

なお愛用の武器である聖剣は魔王の天敵であるため、使うと痺れる。

金堂フュル 16歳の少女


伝説の勇者、でありながら伝説の魔法使いの能力を持つ。元気一杯の猫っぽい女の子で、高知県の英雄・坂本竜馬の大ファン。そのせいで『ぜよ』と中途半端に覚えた土佐弁を使い、主人公のことは『師匠』、仲間のことは名前のあとに『先生』とつけて呼ぶ(例えばレミアの場合はレミア先生)。

なかなかにおバカな女の子。

虹橋シズナ 17歳の少女


伝説の魔法使い、でありながら魔王の能力を持つ。大和撫子然とした容姿を持つ美少女であり、主人公の義理の従妹。

重度の怒られ好き。

とにかく変で厄介で面倒くさい人。

茶操ユニ 18歳の少女


伝説のドールマスター、でありながら伝説のプリーストの能力を持つ。キグルミ族という一族の人間で、閉園したテーマパークのキャラクター・二足歩行ウサギの着ぐるみを着ている。口癖は、ミョン。

実はお笑いにうるさく、親戚は某有名人。

プリースト神 年齢不明


茶操ユニが持つプリーストの杖に宿る、プリーストの神様。

実は……。

橙式エイリ 14歳の少女


伝説のモンスターテイマー、でありながら伝説の召喚士の能力を持つ。所謂スケバン然とした容姿と声を持つが、グループ最年少の中学生でみんなの妹的存在。でもレミアやフュルよりずっとまともで、ヤツらの方が妹的存在な気がする。

野菜が大好きで、とても詳しい。

タンザ・クー 年齢不明


橙式エイリの召喚獣で、俳句世界(はいくわーるど)の王女。

タンザが姓で、クーが名。

二万年後に、地球の傍に誕生する世界からやって来た。


色紙育月 16歳の少女


高知県大豊町在住の、優星の従妹。中学卒業と同時に本格的にピーマンの生産を始め、今ではテレビの取材を受けるほどになっている。


薄幸の美少女然とした容姿と、従兄想いの優しい性格が自慢の従妹です! by色紙優星

謎の声 年齢不明


優星にだけ聞こえる、不思議な声。

なぜか正体を明かそうとしない。

リリウ 神様


願いを聞き間違えて、優星を魔王使いにしてしまった神様。

神様の世界で流行しているゲームに夢中で、神様のお仕事はほとんどしない。

とってもダメな、神様(?)な神様。

麗平活美 16歳の少女


ストロベリーブロンドのドリルヘアーが特徴の、優星のクラスメイト。

お嬢様然とした容姿で気品があるように見えるが、非常に活発。実は……。

空霧雲海 16歳の少年


頼れる兄貴系の容姿と性格を持つ優星の同級生であり、悪友であり、重度のオタク。

作中に登場する名曲(迷曲)を作った人。

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