人類・千葉時代
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この画像は、同じ時代には存在し得ないはずのアンモナイト(左)と現生人類(右)を、同時に撮影する事に成功した、(自称)奇跡的な比較写真である。この現生人類は、動物界脊椎動物門哺乳綱霊長目ヒト科ホモ属サピエンス種モンゴロイド亜種のうち、日本列島に棲息する和人(倭人)と推測され、毎年12月の池袋ミネラルショーに出没するなどの習性が報告されていたが、実際に池袋文化会館での生痕が観察された。
そして、新生代。人類が誕生した年代は、遅くとも数百万年前の新第三紀(中新世・鮮新世)まで遡ると考えられていますが、ヒトも進化と絶滅の輪廻を繰り返し、私達に最も近い遺伝子を持っているのは、約20万年前に出現したサピエンス人種です。それは、氷河時代として知られる第四紀更新世の中期でした。二十万年前のアフリカに居た一人の女性が、今いる私達全人類の共通の祖先であり、それ以外の旧人類は絶滅してしまった…と云う説は『旧約聖書』「創世記」に因んで「ミトコンドリアEva」「ノアの方舟モデル」と呼ばれます。まさに「世界は一つ、人類皆兄弟」ですね。滅んでしまった人々の遺伝子や文化も、現生人類に影響を与え、私達の中で生き続けている可能性があります。例えば、死後の世界を信じ、亡くなった方を大切に埋葬する精神文化は、ネアンデルタール人の時代に遡る事が、メソポタミアの北部にある「シャニダールの献花」遺跡の発掘で明らかになっています。
「この遺跡からは、体に障碍のある人を介護する社会が営まれていた形跡も見られるわ。その後、メソポタミアには人類最初の文明が建国されるけど、現代のイラクでは、数多の人々が政治の過ちで殺されている…果たして私達は、本当にネアンデルターレンシスより『進化』したと言えるのかしら…?と、国立上野博物館の人類学者が言っていたわ」
「更新世は『ノアの洪水で土砂が積もった時代』という意味で、洪積世とも呼ばれる。更新世は氷河時代なので、実際は氷河によって造られた地形が多いと考えられているが、氷河時代には『間氷期』という温暖な期間もあるので、気候変動で大陸氷床が溶解し、大洪水などの異常気象災害が引き起こされたとしても、不思議ではないだろう」
地球の中心核は鉄で、外核では液体になっていますが、この鉄が対流すると、電磁誘導で電気が流れ、これが磁石の力に連鎖して地球磁場が発生します。太陽風の電子・陽子が、地球の酸素・窒素と衝突し、化学反応で発光する現象がオーロラですが、その発生が北極・南極に集中するのも、地磁気の影響です。更新世中期は、古地磁気の向きが現在と異なっており、その証拠である「残留磁化」の地層が、我が国の上総地方に残されています。その発見を記念し、現生人類が現れた地質時代・更新世中期は「千葉時代」と呼ばれる事になりました。