お熱いのがお好き (5)
文字数 364文字
純粋に何かに打ち込んで、それで自分が成長できれば。
それだけでもう、打ち込んだ甲斐はあるはずなのに。
PVの数を気にしてみたり。
いいね!の数を気にしてみたり。
そんなの、どうでもいいことのはずなのに。
認められたら、嬉しい。褒められたら、飛びあがるほど嬉しい。
それも、不特定多数の人より――
いつも応援してくれるあの人ひとりに、喜んでもらえたら。
たった一言でいい。すごいね!と。かっこいい!と。
がんばって!と。
本当は彼女の視線は、自分の隣の、別の男に向けられていて、
自分はたまたまその視界のすみに入っただけ、
なのだと、わかっていても。
それでも。
哀しいなあ。
と、深夜に『スラムダンク 新装再編版』に読みふけりつつ、しみじみ思う佐藤四郎クリストフであった。