(二)-11

文字数 262文字

 先ほど出てきた工場の敷地の出入り口のところで、懐中電灯の明かり二つが、上下左右にチラチラ動くのが見えた。二人はすぐ、追っ手が来ると直感した。
 二人は、同時に走り出していた。路上をまっすぐ進み、S字カーブにさしかかった。そして右手にある林に飛び込んだ。
 追っ手は走ってやってきた。全速力ではないだろうけれども、ジョギングをするようにこちらへやってきた。路上の左右に懐中電灯の光を当てて確認しながらやってきた。
 そして彼らは二人が隠れている林の中にもライトを照らしてきた。
 二人は息を潜めて地面に伏せてジッとしていた。

(続く)
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