お菓子

文字数 481文字

ほらピロ、お菓子食べなお菓子。

ドロップ飴もなんかビニールみたいなのついた飴も

おせんべいもおまんじゅうもあるわよ。

う、うん。
おばあちゃんかお前は。
なによー、文句あんの。
やたら物を食わせたがるのはおばあちゃんだっ。

レパートリーもババ臭いし。

あーうるさいうるさい食べるな。
あ、まだボク取ってない。
こんなババアメニューはいらないでしょ。
……ほらピロ、今度はチョコパイ持ってきたわよー。

あーん。

……あ、あーん。
じゃ、ボクも……。
ピシッ!
いてえ! なにすんの!
食べ物にぐちゃぐちゃ言う奴にはやらん。
ほーら、ピロ、もう1個食べる?
う、ううん、もういい。
そ。

じゃあこれはしまっちゃおうかな。

京子さんが立ち上がったその瞬間!

にゃんぱちくんが京子さんに襲いかかりました!

ぐぎゃーっ!
ちょっとやだ、なにすんの!
にゃんぱちくんはあっというまに取り押さえられてしまいましたが、

しかしその口には1個のチョコパイが……。

ふふ……勝った。


ガクリ。

気絶しちゃった。
チョコパイごときになに考えてんだかねえ。
…………。
その日の夕焼けは、チョコパイに命を賭けた

一人の漢を讃えるように輝いているのでした。

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登場人物紹介

千本橋京子

27歳独身。

冒険家の父を持ち、家の中は親父が

世界中から送ってきたいらない物でいっぱい。

短気な怠け者だけど優しいところもある。

職業不定だが喧嘩は強いらしい。

にゃんぱち

京子の親父が数年前に送ってきたしゃべる猫。

化け猫らしい。

理屈屋。

ピロ

京子の親父が他所で作った女の子。

つまり京子の異母妹。

素直でいい子で頭もよい小学生。

魔法が使えるという設定があるらしい。

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