あとがき

文字数 815文字

 友だちのFacebookで知った、TREEの連載企画「Day to Day」。2020年春の日本を舞台に、短編を書きつないでいくプロジェクト。
 それに刺激を受けて、自分も「ひとりDay to Day」をやってみようと思い立った。

 私はメンタルがとても弱い人間なので、今回も、ニュースを浴びっぱなしにしないように気をつけている。きれいな映像を見たり音楽を聞いたり、「おうち時間を素敵にすごそう」というような前向きな記事を読んで、自分をはげまして、毎日を送っている。いや、送ろうとしている。

 それでもちょっと、睡眠障害を起こしかけている。夜眠れなくて、朝が辛い。この3月から5月のあいだで、昼夜が二度は逆転した。
 わかりやすいストレス過多だ。

 そして、小説を書いてみようとしたら、いきなり第1話のような怖い話が自分の中から出てきてしまった。
 せっかく書いたけど、投稿するのやめようかな、とまで思った。

 でも、もう一度TREE編集部さんの発起の言を読み直して、決心がついた。
 こう書いてある。
「数年経っても、この時のことを忘れずに前に進める企画」

 いたずらに不安を助長するのはNGだ。自分の不安も、読んでくれる誰か――あなたの不安も。
 だけど、不安がないふりをしちゃいけない。

 私も、自分の不安を、見つめようと思った。
 いま、何が、問題なのか。
 半年後か、1年後に、「あのときは怖かったねー」「でも元に戻れてよかったねー」なんて言っているようでは、きっとだめなのだ。きっといま、もう二度と元には戻れない何かが起こりつつあって、いままさにそれを生きているわたしたちしか、それを書きとめておくことはできない。

 そして、それを、よりよい未来への《いい変化》に変換していくことも。

 私にとりあえず書けたのは、ほんの小さな物語7つだけだけれど、読んでくださったあなたにとって、
 2020年春を忘れない、
 そのきっかけにしていただけたら、嬉しい。


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