「友だち」の費用対効果

文字数 741文字

昔から、友だちと言えるような人は少なかった気がする。
そうかな。

それなりにうまくやっていたんじゃないか。

本当にその通りだよ。

それなりに、うまく、やっていただけで、

そもそも「友だち」って何かもよくわからなかった。

そうなのか。

確かに、とりわけ仲がよかった人は多くなかったかもしれないが。

うん。「仲良くする」っていうのもよくわからなかったな。

みんな、そうしてるから、ああそうか、誰かと一緒にいるものなのか、と思っていたような節がある。

そんなふうに考えていたのか。
まあ最近は、もしかしたら、割とみんな、

そういうことに苦悩しながら生きているのかな、とも思うよ。

「友だち」という、よくわからない関係性に、翻弄されるようにして、生きているのかなって。

確かに。

「友だち」という関係性に、救われることもあれば、振り回されることもある。

それは事実だろうな。

うん。それがわずらわしく感じることも少なくなくて、

こんな言葉を使うのは不適切かもしれないけれど、

「友だち」の「費用対効果」みたいなものを、割と早くから考えていたように思うよ。

費用対効果、、すごい言葉だな。

でも、なるほど。言いたいことはわかる気がするよ。

それにしては、楽しそうにしていたのも見ていたが?

そうだね(笑)

そういう意味では、孤独に対して、ある程度の効果はあったんだって思っているよ。

こんな言い方するけど、やっぱり、一緒にいてくれた「友だち」の存在には感謝してる。

率直な言葉だな。

なんだかホッとする。

そっか。よかった。

この辺が、振り返って考えるところの、僕の「友だち」の定義なのかもしれない。

いまはまた少し違うけれども。

いさおの「費用対効果」は、また全然違うから。

おお、そうなのか。

その辺もまた聞かせてくれよ。

気が向いたら、また言葉にするね。
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登場人物紹介

名前:うきよ

一見なにも不自由なく生きてきたようで

幼い頃から言い知れぬ孤独を感じていた

それでも普通のどこにでもいそうな青年。

筆者本人の心の声。

名前:いさお

うきよの数少ない友人であり理解者。

聴き役であり、一緒に考えるだけでなく

一緒に悩み生きてくれる存在。

名前:かなで

うきよの姉のような存在であり

初恋の人でもあり、常に心の支え。

いまはお互いに「大切な人」という

関係の中で安心している。

名前:うきよ(子ども時代)

時おり登場するうきよの子ども時代の心。

時に問いかけ時に応える、心の声であり

今もうきよの中で生きつづけている

素直で正直な心のあらわれ。

名前:かつお

鰹ではなくカツオでもなくかつお。

よくわからない。

でも魚だということは確か。でも喋る。

ちなみにうきよは魚好き。

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