第5話 第2期7話『バジルの消滅』

文字数 755文字

シナモン達は、国土調整環境省 事務統括センター東裏州地区管理支援室第8課に忍び込み、課長代理ユーカリを待ち伏せした。


あなた達は、エリア19-22地区の清掃員。えーと、シナモン、ナツメグ、カルダモン


本体? 意識体?

どっちでもいいだろ。
……問い合わせは原則メールという決まりだが。
バジルが姿を消した。どこへ行ったの?

決まり事を無視か。重要事項でもないから教えてあげます。


先月の20日締めでスクラップ、死骸化調整区域に廃棄済み。

どうして? バジルの反射鏡(ブーメラン)はレアスキルなのに


彼女は知りすぎた、好奇心は命取り。あなた達もね。
上級州国民になれるっていうから、アタシら必死こいて頑張ってきたのに。なんだよ、その態度。
上級州国民? おまえ達が? クローブやローズマリーだってまだまださ、上には上がいる。大人になって能力を手放して 静かに老いていければ幸せだったものを。
みんな! ひとまず撤退!
偏差値35にしては身の振り方が賢いじゃないか、シナモン。余計なことは考えずに、身を粉にして任務を全うしろ。それが私からの忠告だ。

バジルが知ったこと。


テレビ局の上層部と、野党の●▲党が裏で結託し、新型ウイルスの誤情報を流していたこと。


代案を出さずに政策に異議を唱え続けるだけでなく、本質を伝える優秀な専門家を非難し、テレビ・マスコミで大衆の不安を煽り情報のミスリードを行っていた。現に、統制が崩れだし、死者数が急激に増加しつつあったのだ。

その裏には、大量に死者を出すことでその責任を現政府に負わせ、政権奪還を図るという目論みが隠されていた。


バジルはそれを動画で発信し視聴者に警告。しかし、その動画はすぐに削除され、直後にバジルは消息を絶った。


バジルの古参ファンに統計学者と医療従事者がいた。その2人も行方不明となっていた。

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