第11話 友達第二号への暴露

文字数 2,532文字

次の日の朝、愛が来るまで、最初から、家のリビングで冬月さんには待ってもらおうと思ったら、愛が普通に冬月さんが来て、すぐ来た。
まだ早いだろ?どうしたんだよ?
私も、その、久しぶりに龍一君の家に上がってみたかったの。


冬月さん朝ずいぶん早起きなんだね?

ん?早起きは得意な、なんですです。
俺は冬月さんが、頑張ってきつい口調になるのを押さえてロボットみたくなっているのがすぐに分かった。


(すごい不自然だけど早速、実践してて偉いよ)

そう思いながら二人に麦茶を出した。
ですです?冬月さんどうしたの?
(そう言えば、愛は冬月さんが少しでも周りに馴染めるように自分を頑張って変えようと努力していることは知らないんだもんな…)
そのな、愛さんはこの間、カラオケ誘ってくれたのに行けないかなくて、ごめんです。
ごめんです?冬月さんどうしたの?


なんかいつもみたいな勢いがないし(汗)

あ〜駄目だ。結構、頑張ったからな。
冬月さんは俺をみて元の口調で言うので愛は事情がわからず首を傾げている。
これは冬月さんが、ちょっと無愛想だったり、口調がきつかったり、悪かったりするのを直そうと努力している練習なんだ。


今日俺は朝今から学校に行くときに、しゃべらないようにするから、二人で会話してみてね。


愛も協力頼むな。

そうだったんだ。いいけど…


龍一君と冬月さんって、なんか仲良いよね?

冬月さん転校してきたばっかで、友達いないだろ?俺が友達第一号認定を本人からもらったんだよ(笑)


今度は同姓の友達第二号を探してる。

なるほどね…
龍一は、私に、愛さんと、と、とも、だちに、なれたらと思ます。
冬月さん、無理はしないで、ちょっとずつ頑張ろうね。


私も何かしら協力するからね♪

あ、ありがとう…
愛が冬月さんと会話を終えると俺に聞いてきた…
昨日、部活終わった後、帰る時に龍一君と冬月さんみたんだけど、龍一君昨日委員会なかったのに、冬月さんのこと待ってたの?今みたいな練習しながら帰ったとか?
それは…
冬月さんが一人で図書委員の仕事を押し付けられているのが、可哀想で手伝ったって事実だけど、でもそう言うの違う人に知られたくないとか、言わないでほしいって人もいるし…勝手に言えないよな…


なんて考えてしまっていると、冬月さんが愛に話し始めた。

それは、私が一人で委員会の仕事を押し付けられて、やっていたのを、龍一が、手つだってくれたから。


図書委員の仕事一人でしてた…でも気楽でいいよ。

今少しスムーズにお話出来たね♪


え?!一人で、他にも図書委員はいるよね?

私、愛さんに慣れてきたからかも。


たぶん、他の人達は部活とか、サボりもいるだろうケド…


東京でも、そうだったから、大丈夫。

だからって一人ではないよね…


私も、今度手伝うからね。いつでも頼ってね♪
あの、その〜よかったら、お友達、よろお願い、します。
そう言って冬月さんは愛に頭を下げた。


緊張したのかまた、言葉がおかしくなったけど、俺も聞いていて言いたいことは分かった。

かしこまらないでいいよ(汗)


こちらこそよろしくお願いします♪


東京でもそうだったって言ってたけど、東京いた時も図書委員だったの?

一応。だから、本を整理整頓とか返却された本を戻したりとか、少しは早い方だと思う。


愛さんは、龍一と昔から仲良し?

私も小学生の途中から転校してきたんだ。


もちろんこっちには友達もいなくて、ひとりぼっち…


だから、当寺の私の友達第一号も、近所に住む龍一君だったんだよね(笑)


龍一君、結構おせっかいで面倒見良い方だからさ(笑)


それからは小、中、高と今に至るみたいな感じかな。


ちゃんと数えたことないけど結構長い年数だね(笑)

じゃあ幼馴染だ。


いいねそういうの。愛さんは休み何してる?

(冬月さん、凄い良いよ。今までと違ってボツっと会話終わりじゃない感じになってる)
幼馴染だね(笑)


私は休みの日かぁ。たまにお買い物行ったり、美術の絵を書いてたり。


誘われれば外に遊びに行くこともあるけど、私、そんなに積極的に行動するほうじゃないからさ(汗)


冬月さんは小、中ってどんな感じだったの?東京?


冬月さんだったら、東京なら中学生時代には芸能スカウトとかされてそうだよね?


私達みたいな田舎者とはちょっと別格だもん。

俺は冬月さんの過去あんまり聞かないであげてくれと思っていたのに、愛は聞いてしまった…


別に悪いことじゃないし、話の流れ的にそうなんだろうけど、冬月さんの場合、ちょっと特殊な事情があって過去の記憶がないのだから…

龍一は信用出来るやつ。だから、愛さんも信用出来る。


私、事故にあって小、中の記憶がない…


愛さん友達なってくれたから言う…


私、龍一の家の隣のアパートに住んでる。


昨日、龍一遊びに来た。図書委員手伝ってくれたお礼に御飯作ってご馳走した。

(ん?そこまで教えなくていいと思うんだけど…愛に誤解されそう…)
私、他の人に言ったりしないよ。ん?!


隣のアパート?!昨日御飯一緒に食べた?!

愛が俺をガン見しているのがわかる…
いや、そんなのいいと最初断ろうと思ったんだけど、その、冬月さんいつも一人で御飯食べてるのかなと思ってさ…気持ちわかるからさ…
冬月さん一人でご飯食べてるって、両親は仕事帰って来るの遅いの?


二人きりで御飯食べたってこと?!

親離婚したから、引っ越してきた…


お母さんは東京で仕事してる。私は一人で住んでる。


龍一と二人で御飯食べたら、一人じゃなくて楽しかった。友達いいなって思った。


着替えはみるなって言ったら、龍一はちゃんと見ないでくれた。

一瞬愛に睨まれたような気がしたのは気のせいだろうか…
そうだったんだ…じゃあ冬月さんは前は名字なにだったの?佐藤?鈴木?
前の苗字は白石。だから、冬月 千春の前は白石 千春。


龍一と愛さんにしか言わないから内緒してほしい…

え?白石 千春…って、同姓同名なだけかな?


人違いだよね?

記憶ないから、覚えてないんだけど、前はアイドルしてた。らしい。アトランティックスターズっていうグループ…
アイドル…アトランティックスターズの白石 千春…って
愛は固まっている…


一瞬時が止まったかのような空気が流れた…

※白石 千春(冬月 千春)


14歳中学生の頃 人気アイドルグループアトランティックスターズ センター時

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登場人物紹介

上田 龍一(うえだ りゅういち)

城西高等学校2年生

成績、スポーツ、容姿全てが平均的男子。同級生で同じ高校で同じクラスの坂木 愛(さかき あい)に恋をしている。

冬月 千春(ふゆつき ちはる)龍一のクラスへの転校生。

両親離婚前は白石 千春(しらいし ちはる)

元アイドル。そして記憶を失くしている。

坂木 愛(さかき あい)城西高等学校2年生。龍一と同じクラス。


目立つタイプではなく、あんまり人の輪に入ることが得意ではないが、容姿が良いため男子から密かに人気がある。

酒井 真美(さかい まみ)。龍一のクラスメイトで、愛の親友。

佐藤 明(さとう あきら)。龍一のクラスメイトで親友。

神谷 俊(かみや しゅん)。龍一と同じクラスで学年一のモテ男。性格もイケメン。

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