第一幕(3)
文字数 774文字
翌朝。僕は、アーゲイヴェン十五世に謁見するため、王宮の控えの間で待たされていた。
とにかく寒くて、じっとしていられずに歩きまわっていた僕は、ラジオでエストラヴェンの名前が何度もくりかえされるのに気がついて、足を止めた。
(ラジオの声)本布告によって、セレム・ハース・レム・イル・エストラヴェンは、エストレ領主の称号およびカーハイド国議院の議席を剥奪され、カーハイドの全領地からの立ち退きを命ぜられるものとする。
三日のうちに立ち去らぬ場合、もしくは今後立ち戻った場合には、詮議無用にて即刻、死罪。
ちがう! 何度言ったらわかるんだ、あなたがたは。惑星同盟エキュメンは実在します、加盟するかしないかは、あなたがたの自由意思にゆだねられているのです。太古の昔、母なる星ハインから巣立った人類は、地球をはじめとするさまざまな惑星に植民していった。あなたがたゲセン人も僕らと同じ、ハインの子なのです!
体じゅうの血が逆流するような思いのなかで、僕は正面の扉が開き、自分の名前が呼ばれるのを聞いた。
体じゅうの血が逆流するような思いのなかで、僕は正面の扉が開き、自分の名前が呼ばれるのを聞いた。