べらべらしゃべるまったり彼氏

文字数 1,027文字

なんだかおかしな日常だね。こんなに毎日いちゃいちゃしていられるなんて……。
おうち時間とか言われるけど、僕としてはこういう毎日ならちょっといいかなって不謹慎かもしれないけど、思っちゃうな。
だって、君を独占していられるでしょう? 
君も仕事に行かなくていいから、職場で変な男に引っかかるんじゃないかって心配もしなくていい。
テレワークだから、こうして君を抱っこしたままパソコンしてたって怒られない。なんて……ちょっと鬱陶しいかな。
ごめんね、こんな彼氏で。
それだけ君が魅力的だってこと。
僕がどれだけ普段君のことを心配してるか、知ってる? 
職場のお客さんに微笑んだり、話しかけたりするだけで、僕ははらわたが煮えくり返りそうになる。
人の彼女に色目を使うなって叫びたくなる。
君の手に触られた日には……おっと、これ以上は秘密。
え? 何にもしてないよ? 別にお客さんに暴力振るったりなんかしてないって。ただちょっと、ツイッターの裏アカウント検索して、その人の職場の同僚に送り付けてるだけだって。
でも、そんな必要は今ならないでしょう? 
君が他の男と一切の連絡を絶っている……それだけでも最高だよ! 
ところで……今日のお昼は何が食べたい? 僕が作るよ。
タコライス? それともカルボナーラ? 食後にはプリンも作ろうか。フルーツも乗せて、プリンアラモードにしてあげる。
これからずっと君の食べたいもの、なんでも作ってあげるよ。
これでも料理はうまいからね。君も知ってるでしょう? もう付き合って結構経つんだから。
食後はコーヒー? 紅茶? ああ、そうだった。君は紅茶派だったっけ。
おいしいアップルティーがあるから、それを淹れようか。
食後は一緒に音楽でも聴こうよ。
ええ? 僕がギター弾くの? それは君の頼みとは言え、勘弁……。
ギター、本当に下手なんだって。
買ってみたはいいけど、コードがギリギリ押さえられるだけだし。
弾ける曲なんて本当に少ししかないよ? 
僕、歌も下手だから、弾き語りなんて……。
それでも聴きたいの? 参ったなぁ。そんなに頼まれると断れないよ……。
じゃあ、こうしよう。
僕は苦手なギターを弾き語りするから、君はご褒美にキスしてくれる? 交換条件。いいでしょう? でも、キスだけじゃ終わらせないけどね。
あっ、キスは先払いでよろしくお願いします。
え? 弾く気ないでしょって? えへへ、バレた? いいじゃない。それでも……。ふたりきりの甘い時間の方が、僕には限りなく大切なんだよ……。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み