ガイシャ

文字数 465文字

ガイシャはランボルギーニのガルウィングの奴だ。
ガルウィングってのはドアが上に向かって跳ね開くタイプだ。
どうせ乗るならああいう派手なのがいい。
そういうわけで俺はいつも車に乗るときはウィィンと言いながら両腕を広げて上にあげることにしている。
気分だけでもな。
そう思ってのことだ。
ベストキッドすか?
ああそうだ。
何度説明しても忘れやがるから、俺はもうそういうことにしている。
空手の大会とか出るっすか?
ああそうだ。
(出るわけねえだろ)
だが、気にすることはない。どうせまたすぐ忘れている。
早く乗れや、お前が運転すんだよ。
えっ?
これから現場だよ、モタモタすんなって。
マジっすか!?
お前、どんだけだよ。
ホント最近の若い奴らは……。
いや、そんなレベルじゃねえよな。
俺も薄々気づいちゃいた。
ピアノの奴はかなり異常だ。
ホレ、いいから出せ。
どこか行くんすか?
いいから、まず座れ! ハンドル握れ!
うぃーす。
俺は若いのの面倒見がいいんだ。
そうだ。クラッチレバーを引いて、それからアクセルを……
教習所かよ。
だがまあ、そんなこんなでも俺たちはどうにか現場についた。
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登場人物紹介

芋山鶴お。

人呼んで「芋づるデカ」。

如月ピアノ。

新米の相棒。

警察手帳。



星だピカ子。



オバちゃん。



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