あるリスの話

文字数 307文字

ある時森の中で
一匹のりすが鳥の雛を拾いました

リスは自分の子として木の洞の家で雛を育てることにしました

雛も大きくなるに従って自分を親と同じリスだと思うようになりました

ある時そのリスの子どもは森のはしまであるいていきました

森がひらいて広い空が見えました

鳥たちが列を組んでとんでいきます
と、その子も翼を広げて飛び上がり

するともうリスだったことはすっかりわすれていました

リスの親は木の洞に帰ってきて
子どもをさがしました
ほうぼう探して、空を見上げ
我が子はもう帰らないことが分かりました

それから
リスは木の洞で丸くなりじっと眠りにつきました
春が来て冬がきて
どれ位の時がたったでしょう
ある日

その洞から一羽の鳥が飛び立っていきました
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