【5時限目】学至の魔眼(チート回です)

文字数 2,702文字

では本日もよろしくお願いしますぞ、講師殿。
2018/05/10 19:47
はっ!

本日も姫様の講師を務めさせていただく幸運を噛み締め、職務にあたります。

2018/05/10 19:48
ほう。それは大変殊勝な心がけですな、結構。私も、なるべく手荒なことは避けたいですからな……。成果が出ることを心より祈っておりますよ。
2018/05/10 19:50

……まぁ、せいぜい本日も職務に励みなさい。

あなたには、ほんっっっの少しだけ、期待しておりますわよ。


せいぜい励みなさい。

2018/05/11 14:49
はっ。ありがたき幸せ……!
2020/06/27 14:00

ほっほっほっ。

お二人共この調子であれば、本日も問題は無さそうですな。


では、私はこれにて……
2018/05/11 14:48
 そう言って、執事は霧のように消え去った。


 1話でも言いましたけど背中の黒い羽と鎌怖いからやめてくださいほんとお願いします。

2018/05/10 19:51
……あの、授業の始めになんですが、私一つだけ確かめたいことがありますの。


2018/03/26 13:43
……はぁ。藪から棒に、何です? 『生徒A』。
2018/03/26 13:44
なっ! 授業が始まった途端、

なぜ私がモブ扱いになっているんですの!?

2018/03/26 13:44

前に言ったでしょう。授業中、生徒は講師の下僕だと。

『TPO』というやつです。

むしろ今まで『姫様』と敬称で呼んでいたことが、特別だったのですが。

それに、これから他の生徒が入ってくることも考えて、ちゃんと『生徒A』と『識別』しておりますよ。

2018/03/26 13:45
(こ、この男……。でも、授業が始まった瞬間に主従が逆転するこの感じ……Mとして堪らないですわ……)

お……お、おほぉっ!

2018/03/26 13:46
ふっ。口に出さなくても、何をお考えなのかは『悶え方』で丸分かりですよ。

怒るのか悶えるのか、どちらか一つにしていただけませんかね、『生徒A』?

2018/03/26 13:47
また、『生徒A』と!!

……くっ、くうっ!

も、もういいですわ! さっさと私の質問をお聞きなさいっ!

2018/03/26 13:48
あぁ、ご質問でしたね。何です?
2018/03/26 13:49

あなた、先日から当然のようにこちらの世界の言葉を話されていますが、こちらに来てまだ『一ヶ月』も経っていないでしょう? こんな短期間で幻界語をマスターするなんて……


あなた、いったいどんな方法を使ったのです?

2018/03/26 13:50
なんだ、そんなことですか……
2018/03/26 13:51
そ、そんなことって、ずいぶんと軽い返事ですわね。


……そもそも、異世界から来た者がこの世界で学問を教えるということ自体、極めて異常事態なのですよ!

2018/03/26 13:51
それは、もちろん私も意外です。

まぁ、999年も浪人する『理外』のあなたを合格へ導くためには、もはや異世界の者にでもすがるしかない、ということなのでしょう。


どうやら、幻界には『ミジンコ並』の脳味噌の方が多いようですね。

2018/03/31 13:26
と、とうとう幻界全体を見下したかのような発言まで……!

この男には、世界を代表して『天誅』を与えなければなりませんわ……。

な、なのに…… ダ、ダメ…… んああぁん!!

2018/03/26 13:54
何か、勘違いをされていますね。

よろしいですか? 『ミジンコ』というのは、私がいた世界では『敬服すべき知能を持つ者』の例えなのです。

こちらの世界で言えば神竜クラスといったところでしょうか。

2018/03/26 13:55
ほ、ほう……? そうなのですか……。


ところで、その『ミジンコ』とやら……そちらの世界では神格化対象の生物だと見受けましたが、どのような姿形をしているのです?

2018/03/26 13:56

そうですね、ミジンコは…体色は概ね緑色で、スライムのような柔らかい表皮で覆われています。

まぁ、ネット100匹1000円位で買えます。

2018/03/26 13:59
……ねっと? ……1000えん?


ほとんど言葉の意味が分からなかったのですが……。

でもまぁ、要するに『希少性』を裏づける例え話、ということなのですよね?

2018/03/26 14:05
ぷっ。踊る阿呆を見るのは全く、愉快です。
2018/03/31 13:43
……今、何か仰いました?
2018/03/31 13:44
いえ全く何も。
2018/03/31 13:45
まぁいいですわ。

そんなことより、いい加減先程の質問に答えていただけないかしら?

2018/03/31 13:40
……うーん、そうですね。

それに関しては、口頭で説明するよりも見ていただいた方が早いかと。

2018/03/26 14:07
え? 見せる……?
2018/04/03 22:13
これが、僕の秘密です……
2018/03/26 14:08
カッ!
2018/03/31 18:55
シュウウウ……
2018/03/31 16:27
2018/03/26 14:10
※挿絵:九藤朋様 作
2018/05/16 00:43
ギラッ!!
2018/03/31 18:58
姫様、どうです……?
2018/03/26 14:11
2018/03/26 14:11
ななな、何この眼!

超恐いんですけどどど……!!

2018/03/26 14:12
この眼は学至の魔眼と申しまして、私の集中力を極限に高める代物です。

これで物事の吸収力を極限まで高めて、学習しているのです。

2018/03/26 14:13
が、ががが、学至の魔眼……!?
2018/03/26 14:13
今申し上げた通り、この眼を開眼するとゾーンと呼ばれる、集中力が極限にまで高まった状態になります。


そして、この状態で学習することで普段の数倍……いや数十倍の学習量をこなすことができるのですよ。

2018/03/26 14:14
ぞ、ぞぞぞぞ、ゾーン……!??
2018/03/31 16:20
はい。私は、乳児の頃から超絶的なスパルタ教育や同級生との神話級の受験戦争を闘ってきました。


その休みなき勉学闘争の果て……15歳の冬に病気で寝込み、初めて勉強を休みました。


その時……自分への激しい怒りで、突然この眼を開眼したのです。

2018/03/31 16:21
と……突然、この恐ろしい眼が身に宿ったと……?
2018/04/05 23:59
そう、突然です。ほどなく自在にゾーンを操れるようになり、授業で見たこと聞いたこと、全てが秒単位で脳内に流れ込んでくるようになったのです。
2018/03/31 19:23
ななな、なるほど……。

その眼の力で……短期間に幻界の言語を学んだと……

2018/03/26 14:15
その通りです。理解されましたか?
2018/03/31 19:29
はははは、

はい……

2018/03/31 19:30
理解されたのでしたら、眼を瞑っても構わないでしょうか?


この眼の開眼状態は、相当に体力を浪費するので、そろそろ元に戻したいのですが……

2018/03/26 14:15
2018/03/26 14:18
ギラッ!!
2018/03/31 19:34
ひっ!!!
2018/03/26 14:16
……いや、むしろさっさと眼を隠していただきたいですわ……
2018/03/31 19:35
全く……。

秘密を知りたいというから見せたのに、今度はさっさと隠せとは……いいご身分ですね、生徒Aは。

やれやれです。

2018/03/31 16:25
カッ!
2018/03/31 19:38
シュウウウ……
2018/03/31 16:26
はい、隠しましたよ。
2018/03/31 16:28
はぁ……。

こ、これで、ひと安心ですわ……

2018/03/31 16:29
ちなみに、私のいた世界にはこれと似たような魔眼を開眼した講師が、あと二人います。


まぁ、商売敵でしたがね……

2018/04/03 22:21
な、なな……

こんな恐ろしい眼を持った者があと『二人』もいるなんて……

人間も、侮り難いですわね……

2018/04/03 22:23

それと言い忘れていましたが、これから授業後には毎回『宿題』を出します。

もし翌日の授業開始前までに提出できなかった場合には、この眼で迫りますのでご覚悟を。

2018/03/31 16:29
しゅ、宿題できなかったら……

この眼で、迫る……?

……ひ、ひぃっ!!!

2018/03/31 16:32
まぁ、私の宿題は授業後にすぐ着手しても、翌朝に終わるかどうかは微妙な物量ですがね……


死苦dieとも言います。


ふふっ。

2018/03/31 16:32
……眼、開いてる!

眼が……また開いちゃってますわっ!!

2018/03/31 16:33
おや、これは失礼。無意識に……
2018/03/31 16:35
(こ、この男、こんな隠し玉を持っていたとは……。どうにか、あの眼を封じる手段を考えなければならないようですわ)
2018/03/31 16:37
(ふっ。これで姫は僕の操り人形も同然。『快楽』と『恐怖』の二重縛りから逃れる術はありませんから……)
2018/03/31 19:54
 こうして、僕は姫を完全なコントロール下に置くことに成功したのだった。
2018/03/31 19:57
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登場人物紹介

◾サトル(29歳/♂)

異能力総合学院予備門の講師。

地球でも塾講師をしていた。

ある罪の免除のため、予備門の講師にされてしまった。

丁寧かつ控え目なドS。


彼の眼が開かれた時、何かが起こるような起こらないような。

◾カワイ姫(1019歳/♀)

異世界のとある小国、レッドブック王家の姫様。天使。

異能力総合学院を目指す受験生。

ガリ勉風だが999年浪人中。

王族気質の自信家かつ傲慢なドM。


ただでさえM気質ではあるが、真価が発揮されるのは難問に直面した時。試験問題を脳内擬人化し、問題を解くことができない自分を問題が責めてくるという妄想をして最大限興奮するという奇特すぎる性癖を持つ。


彼女が眼鏡を外した時、何かが起こるような起こらないような。

■バハムート(2500歳/♀)

見た目ビッチ、中身もビッチなフェロモン剥き出しの邪悪竜。

カワイ姫と同じく異能力総合学院入学を目指す受験生。

勉強と掛け合わせた性癖があるらしいが詳細は謎に包まれている。


一国を燃やし尽くす威力を持つ【メガフレア】を吐くことをライフワークとしている。

■マーク(?歳/♀?)

レッドブック国の同盟国・チャート国で第一王子の家庭教師を務める人物。

両国の友好条約締結1000年の祝賀に先行し、友好の証としてレッドブック王家に家庭教師助手として派遣されて来た。

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