Ⅲ『チャペック博士の子供たち』

文字数 1,194文字

こんにちは〜
よぅ。
!?
どうした。
店長が不機嫌じゃないなんて初めてでは……?
失礼な奴だな。
だっていつも「またお前か……」つってため息つくじゃないですか。
お前がベストセラーばっかり持ってくるならいつでもご機嫌なんだけどな。
僕はいつもベストセラー候補ばっかり持ってきてるつもりですよ。
その心意気だけは認めてやる。
で、何かいいことでもあったんですか?
今回は先に見本を送ってもらったわけだが。
ああ、『チャペック博士の子供たち』のことですね。
面白ぇじゃん。
えっ、ほ、ホントですか!?
貴様!
なぜここで灰皿を投げる!?
ベストセラー候補なんじゃねぇのか。褒められて驚くってどういうことだよ。
いや、すいません。あまりにいきなりだったものでつい。
戯曲ってお前が最初に言った通り「読む」のはしんどいから、今までの2冊はぶっちゃけ全部は読んでないんだが、
(やっぱりそうなんだ)
今回は登場人物一覧で興味惹かれたから読んでみたんだわ。
その結果!
読めた。面白かった。
ありがとうございます!!
なんか、マンガみたいに読めた。かと言って内容が薄っぺらいわけじゃなくて示唆的だし、伏線も効いてる。
そうでしょうそうでしょう。
この作者、最初に見たのが『その話いつまでしてんだよ』だったから、ずいぶんトゲトゲした奴だなと思ってたけど、こういう柔らかいのも書けるんだな。
本人はいたってフツーの人間ですよ。
写真は善良そうに見えたわ。
ただ、小さな子供に好かれないのを気にしてました。
腹に一物ある感じが子供には見透かされるんだろうな。
店長は作品と作者を繋げて考える人ですか?
切り離せるもんじゃねーと思うぜ。ああ、つい最近、作者のヘイト発言が炎上してラノベが出荷停止になるって騒ぎがあったな。
アニメ化も中止になりましたからね。
あの件についてどうこう言う立場じゃねぇが、一般論として、作品には作者自身の感性とか人生経験が反映されるもんだろう。
はい。
つっても、どんな部分がどんな風に出てくるかは一概に言えねぇし、その出方が入り組んでて、「こいつ、底が知れねぇ……!」って思わせてくれる作者があたしは好きだな。
なるほど。ちなみに、『チャペック』の作者は?
「底が知れねぇかも知れねぇ」ってとこだな。

頑張るように伝えておきます!

行動十二戯曲Ⅲ『チャペック博士の子供たち』(森山智仁・著)

Kindle版 250円


戦後生まれの戦闘ロボ・レックス。

人間を見下す経営ロボ・エリーゼ。

すぐバッテリーが切れる掃除ロボ・ティンカー。

心が欲しい芸術ロボ・スーザン。

四人のロボットに留守を任せ、チャペック博士は出かけていった。

ちょっとそこまでの感じだったのに、博士はなかなか帰ってこない。

命令にはないけれど、博士を探しに行く? どうする?

不完全なロボットたちの冒険が始まる!

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キャストは男性5名・女性8名、上演時間は推定1時間30分です。

表紙:杉浦昭太郎

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登場人物紹介

営業さん。趣味は旅行。

本屋さん。趣味は蕎麦屋で一人酒。怒ると灰皿を投げる。

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