如月真琴

文字数 4,474文字

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他の人は書き込んではいけませんよ!

魔王城、エントランスにて――。

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ついに追い詰めましたよ、魔王!!

あなたがやってきた悪事、全て許してあげるので降伏しなさい!!


今なら指三本詰めるだけで済ませます。

わちき……何も悪いこと、してない……。

友達に薦められてやっただけなの! ほんと、信じて……!

他人のせいにして逃げるなんて、なんて狡猾な魔王でしょう!

でも何か見た目が可愛いから愛しちゃう!! さぁかかってきなさい!!

うぬぬ……こうなりゃ自棄っぱちの窮鼠よ!!

アリス様に楯突こうなんて考えの勇者気取りぐらい、わちきが倒してあげる!



奇跡よ、この世に調停と闇をもたらし給え――!!

アリス様万歳ああああああい!!

そう言うなり、可愛い見た目の魔王は一丁の拳銃を引き抜いた。

その銃口を――私、ではなく自分のこめかみへ。実に素早い行動だった。

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――バァン!

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な、何をしているのですっ……!?

自らの命を粗末にするなど――なんたる愚行!

は、はは……わちきに血を流させたこと、あとで後悔するがいい……!

わちきの血脈は光巫女のそれ! どんな奇跡だって起こしてみせる!



そう――いくら無敵の貴女だって、

いずれ地獄に堕ちるでしょう!!

まさか……あなた、ザッハトルテ!?

数年前から行方不明になっていたとは聞いていたけど……。

まさか魔王になっているなんてね。

いや、だから、わちき魔王では無いのだけれど……。
とりあえず、アリス様に栄光あれ――!!



グハッ

そう言うなり、小さく可愛らしい魔王は自らの城の玄関で命を引き取った。

こうして――世界に平和は訪れるのだった。



あぁ、あと一歩「愛する」のが遅かったら――。

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まぁ私も貴女も、無傷なんですけどね。
……なんか面倒くさそうな人だったから、

再生するのは後にしておきましょうか。


さて――あとは魔王城の財宝とお酒を根こそぎ頂いて、

みんなで宴会しておっしまーい! ザ・エンドってね!

◇ ◇ ◇

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魔王城、最下層――。

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クククWWWザッハトルテがやられたようだなWWW
彼女は魔王四天王の中でも最弱……ですわ♪
女神ごときに負けるとは四天王の面汚しよのうwww

なんっつってwww一度言ってみたかったんだよねwww

……それで、どうしますの?

あの無敵と名高い女神様がついに私たちのアジトまで足を踏み入れてしまったわね。命知らずさん。どうやって処分して差し上げましょうか。

ちょwww言葉選び自重www

確かに私たちのアジトだけど、もっと雰囲気大事にしてwww


ここはマスターと私の愛の宿屋だぞ。
君は何を言っているのかね(真顔)
はぁ……相変わらず貴方たちは仲が良いこと。

じゃあ私が追い返してくるわ。行きましょう、コウちゃん。

御意。
◇ ◇ ◇

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魔王城、台所――。

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ふんふんふーん、おっさけー♪ おっさけー♪


あ、最高級ビアだー! しかも100年ものじゃん!

流石だよ魔王ちゃん、愛してるぅ!!

あなた、本当に勇者ですか。

ただのコソ泥ではありませんの?

へへへ……私の世界ではこういうのを「勇者行為」なんて呼ぶんだよ。

鬼ヶ島に行った桃太郎は、鬼を倒したついでに溜め込んであった金銀財宝を人々に分け与える、なんて逸話もあるぐらいだしね。合法、善意!

――ってお姉さん、どちらさま?
こんにちは、魔王です♪
あ、あれれっ……?

魔王は確かっ……私が愛の力で倒したはずではっ……!?



まさか――愛の届かないところで悪しき魔法の影響を受けているッ!?

いや、彼女は本当に魔王でも何でもないのだけど……。
ええい、人々を惑わせていたのはお前かッ!

女神の裁きを受けなさーい!!


ラブリー殺法・感謝の百発ミサイル!!

説明しようッ! 感謝の百発ミサイルとは、

彼女の愛の力で生成されるオーバーテクノロジーなのだ!

機動戦士も真っ青のMAP兵器である!!

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ふっふっふ……この力によって、この城の台所はボロボロになる。

しかし、私とお酒は無傷! ノーリスク!


何故なら私は彼らを愛しているからッ!

ず、随分と自分勝手な愛なのねぇ……。

聞いていた話とだいぶ違うのだけれど。

げぇっ、何故生きている!?
コウちゃんが居なければ即死だったわ。貴女、すごい力なのね。
『お前と過ごした時間、楽しかったぜ――』
コウちゃん、再起不能――。

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あぁ、なんていうこと! 私が愛する前に死んでしまうなんて!

こんな可愛い生き物を肉壁にするなんて、なんたる外道! サディスト!! 


やはり貴女が真の魔王で間違い無いようですね……!!

私だって大切なペットを痛めつけられて、

何も感じていないわけじゃないのよ。



胎内魔王城、開門――!
彼女がそう言うと、辺り一面に影が広がり、無数の魔物が姿を現す――。

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これは……一つの村と勇者を滅ぼしたという、禁忌の力!

まさか貴女は――魔王メタリカですか!!

あらあら、今更気付いてしまったのね……知らなくても良かったことを。

そう、私はこの世界の魔王に呼ばれて、異世界から召喚された魔王なのよ。


世界は私の胎内で、再び一つになるでしょう――。

あなたは指を咥えて見ていなさい。本当の愛とは何か、教えてあげる。

うわあああああ、メタリカ様だ! 本物だ!

まさかこんなところで会えるなんて光栄ですよ!!

えっ

いやぁ、まさか実在するなんて思ってませんでした!

私、あなたに憧れて愛を布教することに決めたんですよ!

そ、それでいいのかしら女神様……。

この世界では創作みたいなものでしょうけど、

一応曲がりなりにも魔王よ? 私。

こまけぇこたぁいいんですよ!

酒瓶にサインしてください、サイン!!


それで今日のところは帰りますから!

う、ううん……?

まぁ利害は一致してるっぽいし、それでいいのかしら。

これにサインすればいいのね? これ?

ありがとうございます!!

一生大事にします!!

◇ ◇ ◇

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で、帰らせちゃったんだ。
流石に戦うのが辛くなったのよ。
急展開ってレベルじゃねーぞWWW
なんか母性に目覚めちゃってね。

思い返せば、あれがジルちゃん様の本領だったのかしら。


いや、でもアレ……演技には見えなかったわよ?

クソがWWW台所が大惨事なんだがWWW

大切にしてたお酒も持ってかれたし、ちょっと世界滅ぼしてくるわWWW

何それカッコいいwww
◇ ◇ ◇

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みなさーん、魔王と和解してサインもらっちゃいましたー!

今日は平和を祝してたくさん飲んじゃいましょー!!!

うおおー、ジルちゃん様万歳!!

俺たちはやってくれるって信じていたぞお!!

いやぁ、私ってば愛の女神ですから。

そんなに褒めても10年ものの最高級ビアしか出ませんよぉ。

ははは、今日は女神様の帰還を祝して乾杯じゃあ――!!
あ、あそこに見えるのは何だ!

一頭の龍がすごい勢いでこちらに接近してくるぞ!

青年が指差す先には――巨大かつ真っ赤な飛龍の影があった!

それはあっという間に大きくなると、村の広場に落下する!

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おいWWW女神どこだぁWWW

お酒返しやがれWWWWW

うわぁ、コイツは火山の支配者、伝説のバハムートじゃないか!!

ジルちゃん様、脅威はまだ残ってます! 愛の力でやっつけてください!!

むむぅ……お酒が欲しいのですか、あげませんよ!!
それ、ワイの蔵酒なのWWWほんと返してWWW
あ、貴女よく見るととてもフェチズムな姿してますね!

きっと作者の愛がたくさん詰まっているのでしょう!!



そんな貴女を――私は愛します!

え、えぇ……?

確かにマスターが愛してくれた身体だけどさぁ……。

って、はぐらかされるかぁ!

バハムート・ブレス・オブ・ゴッド!!

はい、無傷です。
そ、そんな……村も、人々も、お前も焼き払ったはず……!
ふふふ……ここには私の愛するものばかりですからね。

誰一人、愛する貴女には焼かせませんよ!!

今日来たばかりの旅人が焦げているぞぉ!!
無念でござる……。
ああっ、よく知らない人が死んだぁ!

今からでも間に合いますかね!?


近々書籍化するんですか貴方! すごいです、愛しちゃいます!!

おい。
やっほ^^
うわぁ、真の魔王が現れたぞ!
いやぁ、やっぱり私が出ないとダメかぁwww

一時間半にも及ぶ茶番、みんなお疲れ様www

観客の皆様も私の出番が来るのを今か今かって待ちわびてたよねwww


だって、私が主役のSSなんだよ?

マスター、相手は何らかの手段を用いて一切の攻撃が通じないらしい!

私の能力でも歯が立たなかった……でも、マスターの能力なら!

そうだねwwwプロテインだねwww
おやおや、ようやく真打ちのお出ましってわけですか。

これまでの魔王は弱かったですもんね。やっぱり黒幕が居ましたか。

言いたいことは山ほどあるけどwww

まぁどんな能力でも、私の能力で一発なんですけどねwww

だって私は神殺しの魔王だからwww
説明しよう! ロリロリさんが誇る常在の最終兵器、その名はアリス嬢!

その能力をまとめると「相手の能力を改変します・相手の能力の影響を受けません」というものッ! すなわち――ジルちゃん様では太刀打ちできない相手なのである!

素直に敗北を認めよう!!

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すごい衣装が凝ってる!! すごく可愛い魔王なんですね!!

私は貴方みたいな魔王とお酒が飲めるのを待っていたんです!!



さぁ――私がたっぷり「愛」しちゃいますから、

みんなでハッピーエンドを迎えましょう!!

お前さぁ……結局、誰の味方なの?
え? そりゃあ、みんなのお友達ですよ?
そりゃあ美少女が媚び売って、「愛してます」なんて言ってれば、誰もお前に敵対するはずが無いだろう。ゆえにお前は無敵の女神だった。


その行為、ずっと見てきたさ。

でもさぁ――お前は、甘いよ。

このまま2時間逃げ切れば無条件で勝てるなんて思ったら、

大間違いなんだよなぁwwwそんなの甘いよwww


私の能力に溺れて、未完のまま死ねばいい!!

こんな世界、滅びてしまえ!!

アリスが放った一撃は、無敵のアイ・シールドを打ちやぶって世界を貫いた。

ここは――異世界。普段アリスたちが戦っている世界とは、別世界のダンゲロスだった。


あの世界には、魔法使いが至る所に居た。

あの世界には、魔人なんて必要無い。

ゆえに――我々が居るべき世界は、ここじゃない。

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きっと――2人に争う理由なんて無かった。

初めから平和だったはずのSSがなんだ。


みんなでお酒を飲んで、それでおしまい。

それが本来――誰もが望んだSSのはずだった。

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うーん……私は一体どこに……。
おはよwwwジルちゃんwww

もう闘う必要なんて無いんだよ。勝負は私が終わらせたからね。


もう演技はいいでしょう?

ここからは本来の私たちに戻って、

たくさんおしゃべりして、お酒飲んで、平和に暮らそうね。

あはは、私ったら、ちょっとキャラ崩壊しすぎちゃいましたね。

でも、最後は貴方に勝ちたかったなぁ……せっかく、主役だったのに。

能力が伝わらなくても、私に愛は伝わったよ。

ジルちゃんの世界は、ジルちゃんの中で広げていくべきだ。

ん、んん……?

結局私が勝ったんでしょうか? いや、そもそも平和を望んでいたし……。



まぁ、いいや。私はアリスさんとお酒飲みたかったんですよ。

かんぱーい!!

未完の狭間に、乾杯。
おしまい。

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そこまで!

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登場人物紹介

「愛で世界を救っちゃいます!」



愛と勇気の無敵女神

○ジルハルコン・メイプルシロップ

性別:女



いつも天上を騒がせている、生命の誕生を司るおてんば女神。

愛が満ちるとき世界から争いが無くなると本気で思っている。


世界各地で「ジルちゃん様」の愛称で信仰されている、れっきとした神柱の一本。

よく下界に降りては愛の布教と称した握手会を行い、

ファンを増やして帰っていくが、ちゃんとした女神。

たまに吟遊詩人と間違われても女神。

お酒が大好きジルちゃん様。

村の酒場で騒いでいる姿も目撃されている。


魔王が現れ世界に闇が満ちたとき、

彼女はその動向を注意深く見守っていた。

他の神々から止められているため彼女自身が動くことは出来なかったが、勇者や魔王が争いの果てに傷つくことは無いか心配だった。

どちらが死ぬことも許してはおけなかった。


しかし――待てども待てども魔王に立ち向かう者が現れない。

この世界の住民は臆病だった。謂れのない憎しみに怯えていた。

やがて痺れを切らした彼女は神々の静止を振り払い、再び下界に降り立つ。


魔王と民が平和に暮らせるその日まで、ジルちゃん様が世界を救う!!




能力名:アイ・シールド・インフィニティ

愛する者からの一切の攻撃を無効化する能力。

彼女が愛することに決めた対象からの

あらゆる殺傷や魔法などの悪い影響を受けなくなる。


また、彼女の攻撃で傷ついたあらゆる生物を任意で再生させることも出来る。

すでに死んでいる魂さえ、即時に蘇生される。

愛さえあれば誰も傷つくことのない――彼女の望んだ世界の叶え方。




戦う動機:魔王と一杯交わすため。




イラスト:ジュエルセイバーFREE

作者:如月真琴


「可愛い魔王だと思った?残念、アリスさんでした^^」



~祀ろわぬ荒神にして神殺しの魔王~

神魔=アリス=ナイトメア



【性別】

見た目はつるぺた幼女だがポ○モンの禁止伝説同様に性別の概念は無い。(見た目は11歳くらいの幼女)


【年齢】

実際のところ本人にもよくわからない


【特殊能力(?)】

《異常の設定者・アリス》

「全ての世界はワタシの見ている悪夢に過ぎない………だから望めば何でも叶うの」

ありとあらゆる事象を、まるで明晰夢の要領で【設定】するという実質上最強且つ最も欲深き自由のチカラ。

全ての情報という情報はワタシの夢の中の【設定】の一部に過ぎず、それらを望んだ通りに幾らでも改変でき、その改変現象を【異常(バグ)】という。

『どういう【設定】にしたい』と、言ったり思ったりすれば【異常(バグ)】らせられない【設定】は無い。

万が一、存在や魂を概念ごと消滅しても、何をされても、どんな状況下に居ようとオートで発動できる。

【設定】をあらかじめ【異常(バグ)】らせておくことで【デフォルト設定】を装備する事が出来る。


『装備中の【デフォルト設定】』

・自分より強い奴を見た瞬間、力が敵が絶望するレベルまで跳ね上がる。

・魔法や能力的なチカラは自動的に効かない。

・攻撃してきた相手はゲームみたいに【フリーズ】する。


【設定】

作者の趣味を色々と凝縮した結果、これ以上ない程に痛々しい厨二チックなデザインと設定を携えてしまったやべーやつ。

前世では魔女をしていたが死に際に神を介さず自力で転生した上に『旧世界』を丸ごと破滅させて『新世界』の生成を促したやべーやつ。

親友の亡骸と全異世界中の生命力を使って不死身で最強の人形を創り出したやべーやつ。

本来は物語の作者のみが所持することを可能とする筈の《設定》という実質最強のチートを使いこなすやべーやつ。

筋金入りの悪食なうえ、身体の背面側から【暴喰器官】という名の触手が何本も生えており、それを使って口から食べられない大きさの物を貪り喰らうやべーやつ。

5連続で「やべーやつ」と書かれている割りには以外と温厚な性格。(しかし極度のサディストなので注意が必要)

特にチョコレートとチーズが大好物で、それを両方使ったチョコチーズケーキがマイブーム。

最近ではよくトークメーカーのダンゲロスSSに姿を現す。


【魔王としての側面】

魔王といっても実際に現在で悪さしている訳でなく、前世で色々とやらかして(堕天して神界から死の世界に追放されてたり激昂に任せて神々を世界ごと喰い殺したりして)その悪名故に魔王と呼ばれてたりする。

テンプレの魔王のそれとは違って決まった魔王城(テリトリー)を持たず子供に扮して世界を自由に旅行していて、魔物(取り巻き)の大群を従えている訳でもなく従者(?)も一人しか居ないし、世界征服などの目的があるわけでもなく、自由気ままに従者と仲良く旅をしてるといった具合で魔王にしてはかなり歪な設定になっている。


【戦う動機】

(勇者が)なんかこっち来た^^


【イラスト】

きゃらふと様


【作者】

ダンゲロス界の最弱王!

脳内☆ロリロリ楽園幻想


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