あとがきという名の長い長い駄文

文字数 7,330文字

 まずは読んでくださった方々に心からお礼を。ほんとうにありがとうございました!

 なにせ長いうえに完全に作者の趣味に走ってるので、一般受けしないうえに気楽に人にすすめられるような話じゃないので……。

 ジャンルはたとえるならば、「B級バトルファンタジー恋愛ライトノベル……」。

 自分で言ってて悲しくなってきましたが、だいたいそんな感じです。

 女性向けなのか男性向けなのか、ターゲットがはっきりしていない。

 漫画でたとえるなら、女性向け漫画誌の最後の方に載ってる少年漫画みたいな作品です。

 今はwebマガジンが主流になってきているので、雑誌だとたとえがわかりずらい人もいるかもしれません。

 電子書籍やweb連載の漫画もたまには読むのですが、たとえが思いつくほど詳しくないんですよね。

 まあ、とにかく完全に周囲の作品から浮いちゃってるやつです。
 
 読んでくれた姉、友人からの手ごたえは半端なく薄かった!!
 みんないわゆるサブカルは好きでもオタクじゃないからだとは思うけど。

 姉からは冷ややかに原稿を「朱書き」されまくり、ほめ言葉の一つもくれませんでした。

 ある友人からは面白いと言ってもらえたものの「バトルはいらないんじゃない?」と女性一般代表みたいな感想をいただきました。

 漫画と小説が好きな友人に見てもらおうと思って久々に会ったら、なんの拍子か「ラノベは読まないから」と言われてしまい、そもそも頼もうとする言葉さえ飲みこみました。

 彼女たちのおかげで改良できた部分もあるので、感謝するべきなのでしょうが。

 けっこうハートは折れました。
 リアルの読者環境なんてそんなもんですよね……。

 小学生のときとか、無邪気に読んで笑ってくれた友人たちが懐かしいです。

 もう、誰とも連絡つかない状況ですが。
 うわ、しょっぱなから暗い!暗い小説書くだけあるな、私。

 なので、こうして投稿サイトで公開して、見知らぬ誰かが読んでくれるくらいでちょうどいいのであります。

 場を提供してくださっているノベルデイズ様には、ほんとうに感謝しています。

 さて、ここからは作品について作者が語るという、どうしようもない駄文がはじまります。読まなくても本編にはいっさいさしさわりありません。

 あとがきなんて書かないほうが潔いのは百も承知なのですが、自分はなにせぐだぐだ書きたいという性分なので、そういうのが苦手な方はご注意を……!

 追伸・なんと7000字!超えてますので、お暇なときにでもお読みくださいね。

        ☆

 本編は完結しました……!!
 しかし!回収されていない伏線がけっこうあります。

 実はこの話、何度か書き直しというか加筆をしていまして。最初に書ききったときは、本当にきちんとここで終わらせていたんです。

 でも、以前のサイトに投稿するさいに、勢いで設定をいろいろ盛りこんだり、話の伏線を作ってしまったのです。

 そのときの加筆の量は膨大でした。今回もなんだかんだで、ちょこちょこと加筆しています。ほぼ丸一話加筆してるような話もあったりします。

 その結果が現在にいたります……。
「完結」と銘打っていながら、なにか終わってないような終わり方ですみません。

 続編にあたる「第二部」を途中までですが書いてあるので、それを今年の秋かおそくても冬ころから投稿できればいいなと考えています。

 その続きは不定期投稿になってしまうと思いますが、遅筆ながらがんばりますのでよろしくお願いします。

 まずは本編と続編のあいだにあたる、恋愛中心の日常話である短編が四本と。

 ロジオンとラグシードの出会いを描いた中編『フォーチュン・タブレット~prequel~』を書き終えているので、それを先に投稿しようと思っています。

 いちおう主役はラグシードなので、表紙は彼になってます。すでに第一話は投稿しているので、そちらのほうも読んでいただけるとうれしいです。

 芸人さんのネタ帳のように『創作ノート』が何冊もありまして。そのなかに後日談やエピソードの断片がまだまだ眠ってるので、それらを書けたらいいなと漠然と思っています。

 しかし、いわゆるハッピーエンドの童話のほとんどが、めでたしめでたしで終わってる理由は、その後を書いてしまうと夢も希望もなくなるからだと思うんです。

 綺麗に幕を下ろすなら、ここで終止符を打つべきなんだろうけど、彼らが過酷な現実に直面し、悩み、葛藤し、見苦しくのたうちまわるさまも書いてみたい。

 ま、そこまで残酷なことにはならないだろうけど、この先二人の行く手が障害だらけであまり平坦ではないのは明らかなので……。
 
 もっと幸せにしてやれよと、心のどこかで叫んでる自分もいるんですけどね。

 あと、登場させたい新キャラがけっこういるというのも、続編を書く理由の一つです。

 第二部でほぼ確定しているのは、ロジオンの妹で引きこもりのレクシーナと、ラグシードの弟ギレンホールでしょうか。

 どういう人物を書きたいかによってストーリーが決まってしまうことも多いので、出したいキャラはいても、今回の話では出せないと断念することがよくあります。

 たとえばロジオンの恋の好敵手として、一角獣の若長を考えているのですが、どういうタイミングで出せばいいのやら。

 まだ性格などははっきり決まっていないのですが、たぶん眠そうな感じ。なぜだろう……?人間形態のときは銀髪の美青年で、頭から一本角が生えています。

 ちなみになんで一角獣なのかというと、処女を好むという性質からきています。

『エレプシアの乙女』でいるために純潔でなければならないアナベルには、きっと興味を抱いて口説いてくるにちがいないと思うので。

 ちなみに、アナベルの恋の好敵手としては、『毒蟲エクゾレータ』の司教であり、某大国の姫ドロテアを想定しています。

 この娘はいろんな意味でかなり手強いかと思われます……。

 ロジオンとは過去に面識があり、病む一歩手前というか、狂気を感じるレベルで一方的に執着しています。

 悪女を書く楽しさを憶えてしまったので、早くこの娘を出したいのですが、登場させるといやおうなく物語がドロドロしそうなので、どうしようかという感じです。

 考えるだけでちょっと、胃が痛い……。
 そして、シリアス連投はキツい……。 

 果たしてこのありさまで、無事に全員出すことができるのだろうか……。
 
        ☆

 ここからは登場人物の造形について。

 作品を書くにあたって、事前にイメージした場面なんかがいくつかありまして。

 その脳内イメージを短い文章にして、そこから連想される場面にしっくりくる人物を想像して作ったりしてました。

 たとえば「血まみれの路地に佇む少年」「うす暗い旅人宿で膝を抱えて眠る」「雨に濡れた接吻」などという言葉の羅列。

 上記の言葉のイメージなどから、ロジオンというキャラが生まれたわけです。

 自分は完璧な人間にあまり魅力を感じないため、メンタル面が非常に不安定になりました。自分に自信がないキャラは書きやすいです。

 しかし、最初から主人公も物語も暗いのでは読んでもらえないと思い、中盤まではわりと性格も話の内容も明るめになるよう注意しました。

 主人公もさわやかさを押し出してる感じですね……(遠い目)。

 以降はストーリーが重くなるほど暗さに拍車がかかり、おまけに話が進むごとに性格が黒くなっていったような。

 キスシーンに関しては、本当に奥手なの?と姉から手厳しいツッコミが。
 見なかったことにしてください……。

 アナベルはロジオンみたいな性格だと、こういう娘に弱いかな?という憶測からできました。

 天真爛漫なイメージにプラスして、「夢見がちな乙女」「恵まれているけれど虚無感を抱えている少女」「虚勢と弱さ」という少女特有の儚さもくっつけてみました。

 両親からの愛情不足(特に母親からの)は、ロジオンとアナベルの二人に共通していることですが、こういうタイプはえてして恋人に過度の期待と依存をしがちではないかなと思います。

 ただの明るい子にしたくなかったとはいえ、ヒロインまで闇を抱えなくてもよかったかも。とはいえまったく闇のないキャラクターなんて、自分には書けそうもないんですが。

 ラグシードは主人公が奥手なら女好きで。という安易な設定のもと、あまり深く考えずにできたキャラです。

「放蕩息子」「厳格な生活への反発」「自堕落さからくる楽観主義」……等々、比較的明るいキャラですら、このような負のイメージから生まれていると思うとおそろしい気がします。

 とはいえいい意味でいい加減で、マジメすぎるロジオンをさりげなくフォローする役どころなのですが、お互い単独行動しすぎなので、二人一緒に戦う場面って意外に少ないです。

 彼は勝手に動いてくれるというか、非常に書きやすいキャラです。が、姉には性格が悪すぎるから変えろと言われた……。変えませんでしたが。

 でも、読んでくれた人たちからはわりと好評なようでした。わかりやすいから……?

 リームはエルフが書きたい!占い師が書きたい!という思いから生まれたキャラ。エルフの容姿端麗かつ神秘的というありがちなイメージにプラス。

「静かな諦め」「異性への不信」「時間を超越した者の冷静と情熱」みたいな感じです。

 容姿と雰囲気がクールなのですが、書いているうちにややお節介な面倒見のいい性格になってしまった。見かけによらず意外と熱い女性なのではないかと思います。

 アナベルの良き相談役であり、メインキャラのなかでは一番の常識人です。

 ラグシードとリームの二人にいたっては、物語の後半で出てこなくなるため、友人からその後の話が気になるから書いてほしいとリクエストがありました。

 実は書き足そうと思って、セリフや場面をメモ書きまでしていたのですが、文章に起こすのが間にあいませんでした……。

 普段の日常とルビふりの投稿でいっぱいいっぱいで、丸々一話の加筆はできませんでした。遅筆ですみません。かんじんの内容はというと……。

 あのあと回復したラグシードは、目覚めて早々『棺の間』に仕掛けられたトラップに引っかかって、二人とも奈落の底に落っこちてしまう……という話です。

 そのせいで無駄に迷宮のような地下都市をさまようことになり、ロジオンたちとの合流がおくれてしまったわけです。

 この話は続編の伏線にもなっているので、回想というかたちで第二部に追加しようと考えています。

 ムスタインは、何を考えているのかわからない変幻自在な人物にしようと思い、わざとあまり枠をさだめなかったキャラです。

 なので例える言葉すらないのですが、あえて言うなら「気まぐれな狂気」ですかね。

 普段なかなか動いてくれないのに、いったん動き出すと暴走して手に負えないタイプ。無邪気な残酷さを出したかったので、年のわりには童顔という設定に。

 ただひたすらムカつくキャラにしようと思っていたのに、つい同情の余地を作ってしまった。それが吉と出るか凶と出るかは、不確定要素であり、これからの展開次第ですね。

 最後に白金の使い魔であるセルフィン。モデルは子供のころお気に入りだったぬいぐるみです。

 わたしはずっと、そのぬいぐるみを白猫だと思っていたのですが、ある違和感を感じていました。

 筆の先のようにしっぽが途中で束ねられふさふさしているのです。おまけに両耳のあいだにはとさかのように毛が生えていました。つまりはたてがみ。
 
 これって……もしかして白ライオンの子供なんじゃない?と大人になってから気づきました。ちょっと変わった使い魔にしたかったので、愛着あるぬいぐるみをモデルにしたのです。
 
        ☆

 さて、この小説にはだいぶ以前に書いた、いわゆるプロトタイプの小説がありまして、現在の半分くらいのボリュームです。

 登場人物やおおざっぱな設定は同じですが、ストーリーや構成が今と大幅に異なっています。

 もうプロトタイプは処分してしまって残ってないので、自分の記憶のなかにしか存在せず、すでにあやふやな部分も多いのですが……。

 当時、なんとなく暗い少年を主人公にして、暗いラブシーンのある暗い物語が書きたいと思い、時代の風潮であまり暗いものはウケないと理解していながら、自分の書きたい本能を優先して書きました(にしても何回「暗い」を連呼しているのか……)。

 当初、ロジオンは病弱という設定でした。でもそんなんじゃ旅するのは無謀だろうと思い、改変。病弱っぽい性格はそのまんま引き継がれてますが……。

 すでに秘儀呪文という設定はありましたが、『フォルトナの魔法円』という名称ではなくもっと地味な感じでした。

 アナベルにいたってはさらわれるだけで、ほんとうに役に立たない恋愛要員でした。

 プロトタイプでは『フォルトナの契約』や『エレプシアの乙女』なんていう設定もなく、彼女がいなくてもロジオンは秘儀呪文を唱えることができたので、完全にただの傍観者に成り下がっています。

 このころは『黒い蛇』の組織じたいも、ネペンテスとグロリオーザくらいで、こんな大規模なものではなかったのです。

 最終的に宗派(セクト)は『黒き大蛇ネペンテス』、『複合魔獣アングラータ』、『海の怪鳥ドルステア』、『毒蟲エクゾレータ』、『屍の怨霊グロリオーザ』と五つに増殖してしまいました。

 大きくしすぎてしまったと今では後悔すらしています。

 幹部のキャラクターだけは、おおざっぱだけれど名前も性格もだいたい決まってるし、ほぼ作ってはいるのですが。全員出せるのだろうか……?

 カットしたシーンで記憶に残っているのは、物語の終盤でロジオンが谷間の町グレッツァに住む、師匠アンテーヌに会いに行く場面があるところ。

 内容を変更したために、丸ごと消去しなくてはならず、セリフも内容もほとんど覚えていません。

 自分の過酷な運命を悲嘆して、ロジオンが師匠の前で泣き言を言うのですが、けっこう厳しいことを言われていたような……。
 
 あと、ラグシードがアナベルの姉キャスリンを口説くシーンがあったのですが、すでに婚約者がいるという設定自体を変更したために、こちらも丸ごとなくなってます。

 婚約者に会いに行こうとめかしこんだキャスリンを呼び止めて、称賛したあとデートに誘うもふられるというくだりがありました。

 本編ではキャスリンに婚約者はおらず、お見合いをくり返しているという設定です。

 ともかく数年のブランクを経て、大幅に書き直すことに決めたとき、もうちょっと甘さと救いがある話にしようと決意。

 これがけっこうきつかった。勢いだけで書いたプロトタイプが、あら削りのうえ構成もお粗末でそうとうな直しが必要だったからです。

 苦労した書き直しのおかげで、少しはまともな内容になりました。しかし、物語や設定を盛りこんで広げてしまったために、無責任な伏線が張り放題になっています。

 この先ちゃんと回収できるか不安……。

 いちおう大ざっばに考えてはいるのですが、どうなるかは書いていくうちに変わってしまったりすることが多いので。

 残りの『黒い蛇』関連にしても、第67話のムスタインの設定についても、決着つけられるように頑張らなくては。

 あと同じ67話の『フォーチュン・タブレット罪案篇・第九条』なんてのも、闇が生み出した産物としかいいようがないですね……。

 普通の恋人たちだったら発狂するレベル。というかこれのせいで主人公はいろいろと追い込まれる予定ではあります。

 我慢するのは辛いと思うけど、ま、頑張れ。ということで。

 ちなみにいまさらですが、本編はロジオンとアナベルが出会ってから八日間という設定です(長いような短いような)。

 ロジオンたちがアトゥーアンに着いてから、七泊八日滞在した間のできごとなわけです。ちょうど長めの旅行くらいの日数ですね。

 もともとゆきずりの恋みたいなのを書きたいと構想していて、そうすると旅先でせっかく結ばれても、すぐに別れのときがくるわけです。

 そういうせつない雰囲気が出せればいいなと思って書いてました。

        ☆

 大方の予想通りだらだらと長文になってしまいました。中途半端な感はありますが、きりがないのでこの辺で閉めたいと思います。

 続きにあたる第二部は、途中までしか書けていないので、これからは不定期投稿になると思います。

 今年の秋か、おそくても冬ころから投稿開始できればいいなと考えていますので、なにとぞよろしくお願いします。

 その代わり先にも書きましたが、第一部と第二部のあいだにあたる『番外編』の短編が四本と、ロジオンとラグシードが出会ったときの話・中編が完結してるので、そちらのほうを先に、できれば週に一回くらいで投稿しようと思っています。

 中編の『フォーチュン・タブレット~prequel~』ほうは、すでに第一話だけ公開していますが、第二話の連載スタートはお盆明けくらいになると思います。

 本編のおよそ二年前。ロジオン十五歳、ラグシード十七歳の時の話になります。

 いろいろあった後のせいで、本編よりロジオンの性格はやや荒んでいます。ラグシードは相変わらずですが……。

 二人は続編にあたる『複合魔獣アングラータ』に関わる事件に巻きこまれてゆきます。

 番外編・四本は、本編がかなりシリアスな反動でコメディというか、恋愛よりのやや甘めな感じです。

 どちらも気楽にお読みいただけると幸いです。

 これからは不定期投稿になるので、更新時にメールが届く【お気に入り登録】してくださると、作者は大変うれしいです。

 とはいえ、読んでもらえるだけですごく励みになるので、めんどうくさかったらしなくてもかまわないです。

 読んでくださるだけで……いや、ほんとにありがたいんです。

 最後になりますが、読んでくださった方々、星をくださった方々、連載を続けるのしんどくてやめようと何度も思ったんですが、踏みとどまれたのはあなた方のおかげです。

 ほんとうに励みになりました。ありがとうございました!!



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