エピローグ
文字数 1,413文字
エピローグ
えー、みなさん、お静かに。
わたしがこの「カルディア学園」を預かる学園長のマーリン・シュトラウスです。
新入生の皆さん、入学おめでとう。今日のこの佳き日を皆さんと迎えられたことを心から喜んでいます。
この学園は若い才能溢れる15歳以上の少年少女を育成するために建てられた王都立学園です。
入学してくる生徒の身の上も年齢も略歴も多種多様。入学を乞われる条件はただひとつ――才能です。
剣が得意なひと、魔法が得意なひと、知識欲に溢れた人、情熱に溢れた人、ここには色んな人がいるでしょう。
わたしたちはあなたの中に眠る光る原石を買ったのみ。それを腐らせるも君次第、開花させるも君次第、というわけです。
用意されたタイムリミットは4年です。4年もあるのか長いな、なんて甘くみてはいけません。時間は有限、時は金なりです。この4年は濃密で短いですよ。
どうかその才能を磨いてください。そしてどうか、金のなる木へと成長してください。
……ん? なんだか会場がザワめいていますね。
まさか学費・宿泊費・食事代すべて無償の学園が慈善事業だとでも思いましたか? キッチリ払っていただきますよ。500万シィール、出世払いでね。
おや、聞いてねえ! という声があがったようですが……。大丈夫です、安心してください。実践的に才能を養うためのカリキュラムのなかに給料が発生するものも組まれていますから、大部分はそちらで返せるでしょう――あなたの頑張り次第ですけどね。
そして毎年恒例ですが、卒業試験で特別課題をクリア出来た人には達成報酬として、本当に無償でむしろ卒業祝いに褒賞金をつけて卒業させてあげています。
自信がないなという方は奨学生も募集していますから、そちらもご検討ください。
若き少年少女たちよ。どうぞ夢を描いてください。君たちの未来は明るい。
以上、学園長からの祝辞でした。
次に生徒会会長より、学園での生活について説明していただきます。
どうも。ご紹介にあがりました生徒会会長のスピカ・フィーナです。
新入学生の皆さん、はじめまして。ようこそカルディア学園へ。
僕は今は4年生になりますが、4年前のこの日、皆さんと同じように僕もそこに立っていました。期待と希望に溢れた輝かしい日でした。
今日はそこに僕の妹であるシリウスが立っています。
ああ、しーちゃん、同じ学園に入学してきてくれて兄さんは本当に嬉しいよ! 1年生の皆さん、シリウスとどうか仲良くしてやってください。
最初の頃は口調は冷たく感じるかもしれませんが――ハハハ、そう感じてしまうというのは、まだまだシリウス愛レベルが足らないということだけれどね――感情を表現するのが下手なだけで本当は優しくて可愛い妹なんです。惚れたら殺す。思いやりがあって、僕がリビングで寝ていた時はそっと掛け布団を持ってきてくれてね…料理も絶品で、ああそういえばしーちゃん、なんでもかんでも香辛料と酒を入れる癖は治ったかい? 僕はそれも好きだったけれど、ルーラちゃんの口が火を吹いた日を思いだ――
…ん、なんだいこれ、氷弾? アアアアア! ああっごめんって、ごめんって、しーちゃッ―――ゴツッ!!!!
せ、生徒会長~~! 生徒会長~!!
すみません、皆様。生徒会長がどこからか現れた氷魔法の餌食となり意識を喪失しましたため、今から蘇生魔法を施します。
どうぞ皆さん少しの間ご歓談ください……。
えー、みなさん、お静かに。
わたしがこの「カルディア学園」を預かる学園長のマーリン・シュトラウスです。
新入生の皆さん、入学おめでとう。今日のこの佳き日を皆さんと迎えられたことを心から喜んでいます。
この学園は若い才能溢れる15歳以上の少年少女を育成するために建てられた王都立学園です。
入学してくる生徒の身の上も年齢も略歴も多種多様。入学を乞われる条件はただひとつ――才能です。
剣が得意なひと、魔法が得意なひと、知識欲に溢れた人、情熱に溢れた人、ここには色んな人がいるでしょう。
わたしたちはあなたの中に眠る光る原石を買ったのみ。それを腐らせるも君次第、開花させるも君次第、というわけです。
用意されたタイムリミットは4年です。4年もあるのか長いな、なんて甘くみてはいけません。時間は有限、時は金なりです。この4年は濃密で短いですよ。
どうかその才能を磨いてください。そしてどうか、金のなる木へと成長してください。
……ん? なんだか会場がザワめいていますね。
まさか学費・宿泊費・食事代すべて無償の学園が慈善事業だとでも思いましたか? キッチリ払っていただきますよ。500万シィール、出世払いでね。
おや、聞いてねえ! という声があがったようですが……。大丈夫です、安心してください。実践的に才能を養うためのカリキュラムのなかに給料が発生するものも組まれていますから、大部分はそちらで返せるでしょう――あなたの頑張り次第ですけどね。
そして毎年恒例ですが、卒業試験で特別課題をクリア出来た人には達成報酬として、本当に無償でむしろ卒業祝いに褒賞金をつけて卒業させてあげています。
自信がないなという方は奨学生も募集していますから、そちらもご検討ください。
若き少年少女たちよ。どうぞ夢を描いてください。君たちの未来は明るい。
以上、学園長からの祝辞でした。
次に生徒会会長より、学園での生活について説明していただきます。
どうも。ご紹介にあがりました生徒会会長のスピカ・フィーナです。
新入学生の皆さん、はじめまして。ようこそカルディア学園へ。
僕は今は4年生になりますが、4年前のこの日、皆さんと同じように僕もそこに立っていました。期待と希望に溢れた輝かしい日でした。
今日はそこに僕の妹であるシリウスが立っています。
ああ、しーちゃん、同じ学園に入学してきてくれて兄さんは本当に嬉しいよ! 1年生の皆さん、シリウスとどうか仲良くしてやってください。
最初の頃は口調は冷たく感じるかもしれませんが――ハハハ、そう感じてしまうというのは、まだまだシリウス愛レベルが足らないということだけれどね――感情を表現するのが下手なだけで本当は優しくて可愛い妹なんです。惚れたら殺す。思いやりがあって、僕がリビングで寝ていた時はそっと掛け布団を持ってきてくれてね…料理も絶品で、ああそういえばしーちゃん、なんでもかんでも香辛料と酒を入れる癖は治ったかい? 僕はそれも好きだったけれど、ルーラちゃんの口が火を吹いた日を思いだ――
…ん、なんだいこれ、氷弾? アアアアア! ああっごめんって、ごめんって、しーちゃッ―――ゴツッ!!!!
せ、生徒会長~~! 生徒会長~!!
すみません、皆様。生徒会長がどこからか現れた氷魔法の餌食となり意識を喪失しましたため、今から蘇生魔法を施します。
どうぞ皆さん少しの間ご歓談ください……。