第3話 グドゥ⁉

文字数 727文字

「わっ!!
私が坂口先生のことについて考えていると、美香に突然におどかされた。いつものことだ
「なに?」
「誕生日おめでと」
今日は、私の誕生日だった
「ありがと」
「グドゥ⁉」
「なにそれ?」
「グッティーがさ部活の時、ずっとグドゥ⁉って言ってくるんだけど、なんだか知っている?」
ふっと思わず笑ってしまった。グッティーとは、坂口先生のあだ名だ。
「なにそれ、変なの。アハハ!」
「そうだよね、アハハ!」
そう笑い合ってたら、10分休みが終わってしまった
ただただ時間だけが流れていく。部活の時間になる。
「あっ華誕生日!!」
「華おめでとう」
「おめでとう!」
友達と、いろいろ話したら、恒例の校庭5周だ。アップで校庭5周1キロっておかしいと思う。
ほかの部活を見ていると、美香が話しかけてきた。
「ぐどぅ!?」
「なに?」
「グッティーまた言ってた」
「ハハハ」
そう言って、美香を見てからペースを少し上げる。美香が待ってよというのが聞こえるが、
「はやく!!
と言ってさらにペースを上げる向かい風だ。頬に当たる風が痛い。
その後、素振りを一時間やって部活は終わり。一年生は体育館も使えない。おかしいと思う。怒りと、何かこみあげてきた悲しみから、大きな声で「グドゥ!?」とさけんだ。
部活帰り、美香と別れ、狭い歩道を歩く。道を照らす夕日を車のボンネットが反射してまぶしい。後ろで、男子たちもそれぞれの家路についたようだ。信号が点滅する。「やばっ」そう思い、走るが間に合わなかった。
「華!」
突然声を掛けられびっくりすると翔がいる。
「誕生日」
「うん」
「おめでとう」
「何で覚えてんの」
「いや、幼馴染みだから」
「去年も同じこと言ってたよな」
そう言って笑う私たちを夕日と、車のライトがが明るく照らしていた。
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登場人物紹介

北上華(13)

卓球部のエース

親友の美香のために顧問の先生に立ち向かう

西元翔(13)

並外れた運動神経の持ち主

父は、天才ストライカー

幼馴染みの華に片想い中

鵜方美香(12)

華の幼馴染みで親友

華と共に極悪顧問に立ち向かう

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