第35話 ~しぃ。

文字数 787文字

「ダイ〇モンドプリ〇セス号乗客の足止めに反対されているそうですが」
「乗客の皆さんには観光を楽しむ権利があるわけですしぃ、それは人権ですしぃ、政府にそれを奪う権限はないわけですしぃ」
「しかし、ウィルスの拡散を防ぐためには必要な措置だという意見もありますが」
「拡がるか拡がらないかはウィルスの自由ですしぃ」
「議員もマスクをかけていらっしゃいますが?」
「マスクをかけるかかけないかは私の自由ですしぃ」
「ウィルスが恐ろしいものだと言う認識はおありなんですね?」
「怖がるか怖がらないかは私の自由ですしぃ、ウィルスに感染しないように予防するのも自由ですしぃ」
「3700人のために日本でパンデミックが起こっても仕方がないと?」
「ウィルスに感染する自由もあるわけですしぃ」
「それは『自由』ではなくて『危険』なのでは?」
「どう捉えるかは個人の見解によりますしぃ」
「ウィルスの蔓延によって日本社会が打撃をこうむっても構わないと?」
「人権より大切なものなどないわけですしぃ」
「日本人がいくら亡くなっても構わないと?」
「死んじゃった人には人権はないわけですしぃ」
「亡くならないまでも、このままウィルスが拡散し続けると日本経済にとって大打撃になるとお考えにはなりませんか?」
「日本なんて国は無くなっちゃっても構わないわけですしぃ、中国人民の人権の方が大事ですしぃ、まして豪華客船の船旅を楽しめるのは富裕層ですしぃ、富裕層は上級国民ですしぃ、なにより私のイデオロギーの方がずっとずっと大事ですしぃ」
「実は私、この二週間ダイ〇モンドプリ〇セス号に乗船して取材を続けて来たのですが……」
「えっ……? あんた、あっちへ行って! 誰かこいつを隔離して! コンクリ詰めにして海に投げ込んじゃって! レベッカ、それにイット版! 集団的自営店! 猿馬見れんだろ大会~~~~! 
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