魔法少女の戦い
文字数 1,643文字
魔法少女。それは魔物を退治し、ときには災害などから人々を救う謎の存在。ニュースになることはあっても、彼女たちがどこから来てどこへ去っていくのかは誰も知らない。
だが、ミサキのその反応に魔法少女の方もまた驚きを感じたらしかった。
だが、ミサキのその反応に魔法少女の方もまた驚きを感じたらしかった。
二人の友人が傍らでドサリと地面に倒れるのを見てミサキが恐怖する。
しかし、黒髪の少女は平静だった。
しかし、黒髪の少女は平静だった。
怒りで元の大きさの何倍ものサイズとなったカップの再襲来!
ぼうっとしていたミサキを守ろうとした魔法少女がモロに体当たりを食らい、空高く吹き飛んだ。路地を囲むビルの壁に叩きつけられて小さな悲鳴を漏らす
そこへ、とどめとばかりに、魔物が突進する。だが、今度は彼女の方も迎撃態勢を整えていた。
ぼうっとしていたミサキを守ろうとした魔法少女がモロに体当たりを食らい、空高く吹き飛んだ。路地を囲むビルの壁に叩きつけられて小さな悲鳴を漏らす
そこへ、とどめとばかりに、魔物が突進する。だが、今度は彼女の方も迎撃態勢を整えていた。
五芒星状に展開された輝く魔法陣が肥大化した魔の体に絡みつく蔦となって縛り上げ、巨大な花弁が魔物の苦痛の慟哭を呑み込み……そして。
あっけにとられて見上げていたミサキの足元に、元通りに戻ったスナックカップがポトリと落下した。
あっけにとられて見上げていたミサキの足元に、元通りに戻ったスナックカップがポトリと落下した。
その傍にフワリと着地した魔法少女が呻いてふらつき、壁に手をついて身体を支える。
その瞬間、色鮮やかだったコスチュームがノイズの入った映像のようにボヤけて彼女の変身が解け、その姿にミサキは再び驚きの声を上げた――今度は、彼女のその正体に。
その瞬間、色鮮やかだったコスチュームがノイズの入った映像のようにボヤけて彼女の変身が解け、その姿にミサキは再び驚きの声を上げた――今度は、彼女のその正体に。
ひとつ上の学年の、学園の誰もが知る才女。成績ばかりでなくその大人びた美貌と、聖女のような優しさで誰からも慕われている憧れの人。無論の事、ミサキも尊敬している。
そう言って口の中で何か唱えて傷口に手を当てるマリヤ。
柔らかな白い光が優しく照らすと、その肌の裂傷が薄くなり消失する。
柔らかな白い光が優しく照らすと、その肌の裂傷が薄くなり消失する。
そう言って優しく微笑むマリヤは、学園でいつも目にする優しい先輩そのまま……そのせいだろうか、ミサキはつい、口走っていた。
諭すように言って年長の少女は表情を改める。いつもの思いやり深く優しい、しかし、どこか憂いを秘めた顔に。
立ち去るその背中を見送ったミサキは、傍らで眠る夏奈と樹里に目をやった。
彼女たちの落ち着いた呼吸を確認すると、ミサキはそっと、その場を離れた――マリヤの後を追って。