『金の海。静寂の時。』
文字数 2,094文字
ガラッ
晴美 「時間が欲しい」
千里 「締め切りが近づいてきたのね。」
ガラッ
麻菜実 「お金が欲しいです」
千里 「返済日が近づいてきたのね。」
ガラッ
望 「……みなさんはお金と時間、どちらが大切ですか?」
千里 「急にどうしたんですか、先生。」
望 「いやですね? ふと思ったんですよ、『時間の価値』について。今世の中ではお金と同じくらい、時間の使い方が問題となっています。場合によっちゃお金より重要視されることだってあります」
あびる 「時間はお金じゃ買えないもんね」
望 「そこでみなさんに問います。お金と時間、どちらが大切ですか?」
奈美 「私はお金派です。どちらもあるに越したことはないですけど、お金があれば美味しいものをたくさん食べれるので!」
カエレ 「私も断然お金派。時間をやけに気にするのは日本人だけ」
千里 「私は当然時間派です。人生の九割は何かの準備に費やす、と言われてます。ならば時間がどれだけ重要か分かるでしょう。質の高い準備は素晴らしい結果を出します。そして、質の高い準備はたくさんの時間が必要ですから。」
晴美 「私も時間派……締め切りの恐怖に震えたくないんです!!」
望 「あなたの場合、時間があっても締め切りギリギリになりそうですけど……」どよんど
ガラッ
可符香 「そこで私は策を講じてみました!」
望 「嫌な予感しかしませんがどうぞ?」
可符香 「まさしくお金で時間を買えるようにしたのです!」
望 「えっ」
可符香 「さらに言えば! 時間を売ってお金にすることだって可能に!」
望 「ええっ⁉︎」
ガラッ
倫 「暇でしたので試しに30年くらいの時間を買ってみましたわ、お兄様!」
望 「倫……30年ですか? ちなみにおいくらで?」
倫 「秘密ですわ」
望 「なっ」
ガラッ
男 「どうも」
望 「あなたは?」
男 「時間鑑定士です。時間の査定をします」
望 「はあ」
奈美 「ねえちなみに私の1年間ってどれくらいで売れるの?」
男 「うーん……100万円くらいですかね」
奈美 「びゃ、びや、ひゃ、百万⁉︎ うまい棒1万本も買えるじゃん!!」
あびる 「10万本ね」
男 「まあ時間は本当に代え難いものですからねー、それなりの金額はつきます」
可符香 「私はどれくらいですかね〜?」
男 「ええっとですね、って、えっ⁉︎」
望 「……どうしたんです?」
男 「一億円くらいの価値があります!!」
可符香 「おおすごい、逆に売りたくないくらい高いですね!」
奈美 「すごいね、可符香ちゃん……ってどういうことよ⁉︎ 私は安い女って訳⁉︎」
男 「いやいや、この人がすごいんですよ。まるで何人もの時間を背負ってるみたいだ。よっぽど善行を重ねたんですね〜」
千里 「善行を重ねた? 善行を重ねると時間の価値が上がるんですか?」
男 「そりゃあそうですよ。世のため人のために努力してる人の1時間と、遊んでるだけの人の1時間とじゃ、全く別物ですから」
望 「ちなみに私の一年はおいくらですかね?」
男 「えっとですね……これは珍しい」
望 「そ、それって!」ワクワク
男 「あのお……買取不可です」
望 「えっ」
男 「ブックオフの一円で売る本みたいなもんですよ」
望 「な、何でですか!」
男 「普段死のうとしてます? 命を粗末にする人の時間の価値ってすごく安いんですよ」
望 「こ、こ、心当たりは、な、ないですね」
千里 「震えてますよ。」
望 「絶望したぁぁっ! 平等じゃない時間の価値に絶望したぁぁっ!」
晴美 「相場は一年100万くらいだから、先生はもはや外れ値だね」
グサっ
望 「心にとどめを刺さないでくださいっ!! もうこうなったら時間をたくさん買ってやります!! 一円一年間なら不老不死だって目指せるはずです!」
男 「あっ一年間は150万ですよ」
望 「何でですかっ!!」
男 「そりゃあそうですよ、売るときより買うときのほうが高いに決まってるんですから。それに時間の使い方で時間の価値は決まりますが、買うまでは時間はまだ使われてないんです。そんな真っ白な状態の時間は誰だって一緒の値段なんですよ」
あびる 「ぐうの音も出ない正論」
望 「……どうやら私の価値は安いようです。なのに買うときは割高、救いようがないです。一体どうしろと言うんですか!!」
可符香 「なら先生も善行を重ねればいいんですよ! 神様に認めてもらえればいいんです!」
望 「えっ」
可符香 「まずは教会で一緒に祈りましょう!」
望 「はいっ!!」
千里 「また信仰が始まった。」
可符香 「じゃあまずは……
マ太郎 「あれ続きハ? これじゃまたオチないじゃナイカ!」
倫 「私が作者のオチにかける時間を買収しましたわ! お兄様が善行を重ねるシーンは悲しくもカット!! お兄様、かっこわるい!!」ほほほ
晴美 「時間が欲しい」
千里 「締め切りが近づいてきたのね。」
ガラッ
麻菜実 「お金が欲しいです」
千里 「返済日が近づいてきたのね。」
ガラッ
望 「……みなさんはお金と時間、どちらが大切ですか?」
千里 「急にどうしたんですか、先生。」
望 「いやですね? ふと思ったんですよ、『時間の価値』について。今世の中ではお金と同じくらい、時間の使い方が問題となっています。場合によっちゃお金より重要視されることだってあります」
あびる 「時間はお金じゃ買えないもんね」
望 「そこでみなさんに問います。お金と時間、どちらが大切ですか?」
奈美 「私はお金派です。どちらもあるに越したことはないですけど、お金があれば美味しいものをたくさん食べれるので!」
カエレ 「私も断然お金派。時間をやけに気にするのは日本人だけ」
千里 「私は当然時間派です。人生の九割は何かの準備に費やす、と言われてます。ならば時間がどれだけ重要か分かるでしょう。質の高い準備は素晴らしい結果を出します。そして、質の高い準備はたくさんの時間が必要ですから。」
晴美 「私も時間派……締め切りの恐怖に震えたくないんです!!」
望 「あなたの場合、時間があっても締め切りギリギリになりそうですけど……」どよんど
ガラッ
可符香 「そこで私は策を講じてみました!」
望 「嫌な予感しかしませんがどうぞ?」
可符香 「まさしくお金で時間を買えるようにしたのです!」
望 「えっ」
可符香 「さらに言えば! 時間を売ってお金にすることだって可能に!」
望 「ええっ⁉︎」
ガラッ
倫 「暇でしたので試しに30年くらいの時間を買ってみましたわ、お兄様!」
望 「倫……30年ですか? ちなみにおいくらで?」
倫 「秘密ですわ」
望 「なっ」
ガラッ
男 「どうも」
望 「あなたは?」
男 「時間鑑定士です。時間の査定をします」
望 「はあ」
奈美 「ねえちなみに私の1年間ってどれくらいで売れるの?」
男 「うーん……100万円くらいですかね」
奈美 「びゃ、びや、ひゃ、百万⁉︎ うまい棒1万本も買えるじゃん!!」
あびる 「10万本ね」
男 「まあ時間は本当に代え難いものですからねー、それなりの金額はつきます」
可符香 「私はどれくらいですかね〜?」
男 「ええっとですね、って、えっ⁉︎」
望 「……どうしたんです?」
男 「一億円くらいの価値があります!!」
可符香 「おおすごい、逆に売りたくないくらい高いですね!」
奈美 「すごいね、可符香ちゃん……ってどういうことよ⁉︎ 私は安い女って訳⁉︎」
男 「いやいや、この人がすごいんですよ。まるで何人もの時間を背負ってるみたいだ。よっぽど善行を重ねたんですね〜」
千里 「善行を重ねた? 善行を重ねると時間の価値が上がるんですか?」
男 「そりゃあそうですよ。世のため人のために努力してる人の1時間と、遊んでるだけの人の1時間とじゃ、全く別物ですから」
望 「ちなみに私の一年はおいくらですかね?」
男 「えっとですね……これは珍しい」
望 「そ、それって!」ワクワク
男 「あのお……買取不可です」
望 「えっ」
男 「ブックオフの一円で売る本みたいなもんですよ」
望 「な、何でですか!」
男 「普段死のうとしてます? 命を粗末にする人の時間の価値ってすごく安いんですよ」
望 「こ、こ、心当たりは、な、ないですね」
千里 「震えてますよ。」
望 「絶望したぁぁっ! 平等じゃない時間の価値に絶望したぁぁっ!」
晴美 「相場は一年100万くらいだから、先生はもはや外れ値だね」
グサっ
望 「心にとどめを刺さないでくださいっ!! もうこうなったら時間をたくさん買ってやります!! 一円一年間なら不老不死だって目指せるはずです!」
男 「あっ一年間は150万ですよ」
望 「何でですかっ!!」
男 「そりゃあそうですよ、売るときより買うときのほうが高いに決まってるんですから。それに時間の使い方で時間の価値は決まりますが、買うまでは時間はまだ使われてないんです。そんな真っ白な状態の時間は誰だって一緒の値段なんですよ」
あびる 「ぐうの音も出ない正論」
望 「……どうやら私の価値は安いようです。なのに買うときは割高、救いようがないです。一体どうしろと言うんですか!!」
可符香 「なら先生も善行を重ねればいいんですよ! 神様に認めてもらえればいいんです!」
望 「えっ」
可符香 「まずは教会で一緒に祈りましょう!」
望 「はいっ!!」
千里 「また信仰が始まった。」
可符香 「じゃあまずは……
マ太郎 「あれ続きハ? これじゃまたオチないじゃナイカ!」
倫 「私が作者のオチにかける時間を買収しましたわ! お兄様が善行を重ねるシーンは悲しくもカット!! お兄様、かっこわるい!!」ほほほ