はじまり

文字数 1,061文字

【巻頭歌】
たとえば、それは

五線譜の向こうに

白鍵と黒鍵の間に

フレットと弦の交差点に


人知れず佇む学び舎

“ダイアトニック学園”


集う乙女たちの

紡ぐ想いの物語


これは、そんなお話です

【このトークのねらい】
こんにちは!

私はこのトークの案内役をつとめます、フェージュといいます。

妖精みたいなものだと思っていただければけっこうです。

このトークのねらいは、ポピュラー音楽で使われるコード進行の理論の基礎を、乙女たちの恋模様、いわゆる百合になぞらえて、学んでいこうというものです。
このトークは、次のような方におすすめします。

・作曲をしてみたくて、コードについて学んでみたが、専門用語ばかりでわけがわからなかった

・ギターなどでコード演奏はしたことがあるが、基本的な仕組みを学びたい

・百合好き

反対に、次のような方にはおすすめできません。

・より高度な知識を得たい(アッパー・ストラクチャー・トライアド等)

・クラシック音楽の和声法を学びたい

・百合嫌いまたは百合に挟まれたい

このトークの舞台は、巻頭歌にその名が謳われている「ダイアトニック学園」です。この学び舎に集う、コードが擬人化された乙女たちといっしょに、これからコード進行を学んでいきましょう。
【階名・コード・音名の表記について】
……その前に。

このトークには、音楽の音を言葉で表すためのルールがいくつかあります。今すべてを覚えておく必要はありませんが、一度目を通してから、次のエピソードへお進みください。

このトークでは、コードをディグリー・ネームという記法で表します。

これは、特定の調に限定しない説明をするためです。

基本的な記法は、次のとおりです。


1)階名をカタカナで表します。

例:ド, レ, ミ, ファ, ソ, ラ, シ


2)ドからシまでの階名に、IからVIIまでのローマ数字を割り当てます。

例:ド, レ, ミ, ファ, ソ, ラ, シ ⇔ I, II, III, IV, V, VI, VII


3)和音の種類に合わせて、次の記号をつけます。

Maj ⇔ 長三和音(メジャー・トライアド)※省略することが多い

m ⇔ 短三和音(マイナー・トライアド)

m-5 ⇔ 減三和音(ディミニッシュト・トライアド)

実際に演奏するときなど、調を限定する必要がある場合は、次のように表します。


1)音名をローマ字で表します。

例:C, D, E, F, G, A, B(カタカナで表すと:ハ, ニ, ホ, ヘ, ト, イ, ロ)


2)調をローマ字とカタカナで表します。

例:Cメジャー・スケール(カタカナと漢字で表すと:ハ長調)

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登場人物紹介

フェージュ

このトークの案内役。ダイアトニック学園の乙女たちを見守ったり相談に乗ったりする、妖精のような何か。

I

3年生(トニック)

誰にでも優しいお姉様。

性格:母性>癒し>直向き

IIm

1年生(サブドミナント)

Vの親友だが、密かに彼女を慕っている。

性格:快活>頑張り>憂い

IIIm

3年生(トニック)

心に甘えがあるので、お姉様になりきれない。

性格:癒し>直向き>甘え

IV

1年生(サブドミナント)

器用で世話好きだが、どこか素直でない面がある。

性格:頑張り>憂い>母性

V

2年生(ドミナント)

行動力はあるが直情的で、お姉様を求めずにはいられない。

性格:直向き>甘え>快活

VIm

3年生(トニック)

憂いを含んだ仕草で下級生をとりこにする先輩。

性格:憂い>母性>癒し

VIIm-5

2年生(ドミナント)

甘え上手だが軟弱で、いまいち影が薄い。

性格:甘え>快活>頑張り

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