第39話 同意する場合、チェックを入れなさい
文字数 727文字
特待生になるとき、センター長と同意書を取り交わしているはず。
あれは……同意書は意識を縛る呪文みたいなもの。
どうせあなた達のことだから、規約もろくに読まずに同意のチェックを入れたんでしょ?
運営に対し背信行為が認められたら、廃棄ルートよ。こんなところに逃げても無駄なの。
もうじき楽しい夏休みは終わる、そろそろ呪文が顕在化する時期。
だからね、私にお願いすれば同意の解除の仕方を教えてあげる。
それ越権行為だけど……
(まあ、ユーカリさんが教えなくても私が教えちゃうけどね。ナツメグちゃんには恩があるし)
(小声で)少しは私も「さすがユーカリさん」って尊敬されたいのよ。
いつの間にかメンバー達が集まってきた。
みんなで少しザワザワしてから、笑いが漏れた。
なんだよユーカリ、もったいぶって。アタシ達、同意にチェック入れてねーもん。
読むわけねーよ、漢字が多くて無理、あれわざとわかりにくくしているよな。
サフラン先生のアドバイスだよ。
うん。 ”チェックが未了です” ってメッセージたまに来るけど無視している。
同意しなくても特待生になれたから、システムザルだなと。
サフラン、意外と余計なことをするのね。
クローブはどうなの? 別チームだったでしょ?
規約および同意書はすべて読み込みました。その時は州国に対し背反行為など考えられなかったので同意しチェックを入れました。浅はかでした。
運営から離脱するとき同意書は破棄したけど、チェックは外していなかった。
先日カルダモンちゃんとバジルちゃんと話したこと(第34話)がきっかけで、規約に潜ったときにチェックを外してきました。けっこう深いところまで潜らされた。
みんな、ありがとう。
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