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文字数 330文字
今日一日の中で何回目だろう
君を想い手を止めたのは
バカだなとは思う自分から手放した
大切だった君の事を今更思い出しても
君の前ではいつまでも兄のような振る舞って
僕もそのくらいの距離がちょうど良かったから
心の中で育つこの想いに気付くまで
君のそばに居過ぎてしまっていた
この街を選んだ僕は
あの街を選んだ君の
その拙い羽ばたきを
見届けると決めたんだ
先に大人になってしまったから
君へこの先降りかかるだろう
たくさんのことの解説書を書き上げる
同じ道を進むのはあり得ない事なのに
君にとってはいつまでも兄のような存在で
僕は引き返せない距離を意識して保って
君の足枷にはなりたくないと
弱い心を隠して君を見送るよ
この街を選んだ僕は
あの街を選んだ君の
その揺るぎない羽ばたきを
見届けると決めたんだ