第1~8章のあらすじ④/事実とキャクターたちの誤った推測

文字数 1,018文字

【事実その1】

奥多摩のダム見物に出かけたミツキが、イノシシに襲われかけていた幼女を助けるために、イノシシを脳破壊攻撃で倒した。幸田には、近くにいたカップルがこの状況をスマホで撮影していたと見えた。

【事実その2】

アオイとミツキの「保護者」である幸田は、素早く動いた。ミツキがイノシシを倒したその日の夜、新しい隠れ家に移動した。

【事実その3】

ミツキがイノシシを脳破壊攻撃で倒した場面はネットにアップされた。この映像を補足したNSAから横田基地のカレン・ブラックマンに報告が入った。カレン・ブラックマンは翌朝、国防総省・CIA合同の追跡チームを奥多摩に出動させることを決定した。
【事実その4】

レノックス慧子は、国防総省の指示に従っているふりをしながらアオイとミツキの逃走を助けたことをミツキに見抜かれ、横田基地内で拘束された。

【事実その5】

武器商人エル・リケルメが、国防総省・CIA合同の追跡チームを奥多摩山中で待ち伏せた。国防総省内にリケルメへの内通者がいたのだ。

リケルメは追跡部隊を壊滅させ、放電型人間兵器20181〜20184を抹殺した。さらに、追跡部隊の指揮官であり人間兵器開発者でもあるカレン・ブラックマンを拉致した。

【事実その6】

リケルメは、追跡部隊が壊滅した状況を部下に撮影させ、ネットにアップさせた。日本の警察の目を米軍にひきつけるのが狙いだった。

【事実その7】

エル・リケルメは、カレンの娘を人質に、彼女に人間兵器を作らせ闇の武器市場で販売することを企てている。

しかし、カレンから人間兵器用の特殊なチップの製造に1年かかると言われ、逃亡中のアオイとミツキを捕らえて半年語の武器の闇見本市で売ることに方針を変更した。

【誤った推測その1】

アオイとミツキ、そして2人を守っている幸田の3人は、放電型人間兵器4名と人間兵器開発者レノックス慧子が武器商人の手に落ちたと思っている。現実に拉致されたのはカレン・ブラックマン博士。

さらわれたのが慧子だという推測は、放電型人間兵器が追っ手に加わる場合は、彼らを開発した慧子が同行するに違いないという思い込みからきている。


【誤った推測その2】

慧子とCIA工作員マスムラは、放電型人間兵器が全滅しカレン・ブラックマン博士が武器商人に拉致された事実を、把握している。

しかし、2人は、アオイとカスミが武器商人の手に落ちていて、ブラックマン博士と放電型人間兵器をおびき出すために使われたと推測している。


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登場人物紹介

山科アオイ(17歳) 

両親とドライブ中に交通事故に遭う。両親は即死。生き残ったアオイは、瀕死の状態でICUに運び込まれるが、何者かの手でそこから拉致され、アメリカ国防総省が日本に設置した人体改造研究所で、放電能力を持ち人間兵器に改造される。

謎のテロリスト集団に襲撃されて混乱に陥った人体改造研究所から、傷を負いながらも脱出。幸田と名乗る正体不明の男に助けられる。

幸田の力を借りてCIAの追っ手を振り切りながら、アオイは、自分をCIAに売り渡した謎の組織を突き止めようとする。

幸田(下の名前は不明、年齢40歳前後)

C人体改造研究所の近くで負傷しアオイを助けた謎の男。

英語に堪能、銃器の取り扱いに慣れ、格闘技にも優れている。

無職。アオイをCIAに売り渡した組織の正体を突き止めることに対して、何者かから報酬を得ているようである。

田之上ミツキ(17歳)

東京郊外X市の公園で不良に暴行されかけているところを、アオイに救われる。

その後、アオイと同じフリースクールに通い始め、アオイと親しくなっていく。

実は、アメリカ国防総省ががアオイを倒すために送り込んだ刺客。ターゲットの自律神経系を一瞬にしてマヒさせ、生命維持機能を失わせる力を持っている。

細田真一(9歳)

アオイが通うフリースクールの仲間。小学校で、ひどいイジメにあって、フリースクールに移ってきた。天才的な絵の才能を持っている。

フリースクールの他の子ども達がアオイを恐がったり、煙たがったりする中で、一人だけアオイになついていて、アオイからも可愛がられている。

太一先生(20代後半、独身)

アオイが通うフリースクールのまとめ役であり、教師でもある。

温かい愛情で小学校低学年から高校生までの生徒たちを見守っている。

いざとなれば、肚の座った、芯の強い人間。

アオイに、高卒認定試験を受けて、大学進学することを勧めている。

レノックス・慧子(37歳、独身)

アメリカ国防総省(ペンタゴン)で人間兵器を開発してきた科学者。放電能力を持つ2018シリーズ5基と、ターゲットの自律神経系を破壊する脳波を発する2019シリーズ1基を開発した。

職人気質で、組織との折り合いは悪い。

CIAから、山科アオイの逃亡を助けたのではないかと、疑われている。

田之上ミツキを使って山科アオイを抹殺する密命を帯びて日本で活動しているが、CIAのパトリック・マスムラに監視されている。

日本人の両親のもとで17歳まで日本で過ごした。母親がアメリカ人と再婚したためレノックス姓となったが、日本風にレノックス・慧子と呼ばれることを好む。

パトリック・マスムラ(55歳、日系四世のアメリカ人)

CIAのベテラン工作員。アジア諸言語に堪能なため、過去20年間、アジアでの工作活動に従事してきた。眠りが浅いと、自分が殺害してきた多くの人間が夢に現れるので、睡眠薬が手放せない。

田之上カスミ(霊魂)

田之上ミツキの妹。

ミツキと同時に人間兵器に改造される途中で、死亡する。

しかし、その魂がミツキに受け継がれ、ミツキと二人きりの時に、話しかけてくる。

ミツキが忘れてしまった出来事、ミツキが気づいていないミツキの心の葛藤に気づいている。

ミツキを深く愛している一方で、クールでニヒルな一面を備えている。

川野メグミ(年齢不詳)

フリースクールの高学年生徒に英語と数学を教えているボランティアの大学院生。

実は、アオイとミツキを監視するために送り込まれたCIA工作員。

カレン・ブラックマン(35歳、独身、離婚歴あり)

アメリカ国防総省の科学者。

山科アカネ逃亡事件の責任を問われて失脚したレノックス慧子に代わって、人間兵器開発チームのリーダーになる。

バランスの取れた組織人で、感情に流されることはない。人間として許せないと感じることでも、組織の決定には従う。

レノックス・慧子を尊敬しているが、目の上のタンコブとも感じている。

エル・リケルメ(おそらく偽名。年齢、国籍不明)

国際的な武器商人。

暗殺用人間兵器を、ブラックマーケットで売って、巨万の富を得ようとしている。

しかし、実態は、金の亡者というより、ニヒリストの変種。


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