第6話

文字数 1,353文字

 リーエはプラズマショットガンで追いかけながらSHの胸や腹へ散弾を撃ちまくるが、プラズマ弾は貫通することなく弾かていった。

「ふん!! 上等だ!! ならば肉弾戦だ!!」

 リーエはアドレナリン超加薬を同時に三本飲んだ。
 爆発的なアドレナリンがリーエの身体に荒れ狂う。SH向かって、二本のソードエネルギーを振りかざした。

「ほらっ! 死ね!」
 
 人間離れした速さで、SHの一本の足を二刀で斬り飛ばした。
 恐竜型SHはバランスを失い頭から地面に派手に突っ込んだ。

 だが、突然、倒れているSHの背中から大量のSFTSが発生した。

「増殖?! 産み出した?! 自ら生産しているの?!」

 クリスが青ざめた。
 これにはさすがの高圧的なリーエも一瞬目を閉じたが……。

「貴様ら……私に本気を出させる気かー!!」

 カッと目を見開いたリーエは、ただの軍人ではない。幾つもの勲章を持っているのは、死線をかいくぐり、無数のSFTEを殺した張本人だからだ。全て修羅場をくぐり抜けてきた証拠だった。
 リーエは残りのアドレナリン超加薬を全て飲み込んだ。

「はあああああーーー!! ……ぐっ!」

 瞬時にリーエを恐ろしい吐き気が襲う。それを我慢しても、今度は体中がバラバラになるほどの激痛が迸った。

「リーエ無茶よ!!」

 クリスの声も無視してリーエは、ただソードエネルギーを二刀構えて、突っ走って行った。

「行くぞ!!」
 両刀で無数の様々な形のSFTSを斬り刻む。
 だが、そう長い時間リーエの身体は持たないだろう。そう、クリスは内心思った。腰に差したホルスターから大型コルトを無意識に取り出していた。

 その時、リーエとクリスの前方50m先で、大爆発が起きた。SFTSはほとんどがパラパラと緑色の血液と共に肉片を中空にまき散らす。

「そういえば、もう一人いるんだったわね!」

 クリスの期待の声に、また大爆発が起きた。

「援護だといいけど……RPGの乱射よ! リーエ伏せてー!! ……無茶苦茶ね……ここが砂漠でよかったわねー」
 
―――― 

「さあ、ご飯だよー」
 
 ここはリーエの家。
 外の寒さが嘘のような暖炉の暖かさで満たされたキッチン。
 桃色のエプロンをしたリーエは、得意の鍋料理を食卓に運んでいた。
 クリスとエデルと、そして、さっきリーエの窮地を助けてくれた女性軍人が座っている。

「……え? 何、この人? 二重人格なのかしら?? 変わっているわねー。さっきまで、あんなに凶暴だったのに……?」

 女性軍人の名はジェリーという。重火器専門の軍人だった。柔軟な性格のクリスとは正反対で、凍てついたような冷たい目をしている。銀色のロングヘアの少々筋肉質な体格だった。リーエの豹変ぶりに興味を抱いていた。
 
「そう、リーエはエプロン姿の時だけ凄く可愛くなるのよねえ。ほんと家庭的よねえ」
 クリスの一声で、場の雰囲気は一層と暖かくなった。
 リーエはエプロンをつけると、人が変わるようだ。
 凄く家庭的になるのだ。
「リーエも、さあ早く座りなさいな」
「うん……」
 クリスが食卓の椅子をリーエのために後ろへ引いた。

 エデルもリーエの食卓にはいつも駆けつけていた。エデルはメガネを掛けた四方に髪の毛が尖ったキンキンな金髪頭だ。

 今日も暖かな湯気が鍋から立ちのぼるリーエの家だった……。
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