第9話 【書評】エクソシスト日記(2023.8.20記)

文字数 1,050文字

【アハハと笑って済ますしかない本】

1.書名・著者名等

内藤 正俊 (著)
『エクソシスト日記(副題)奇跡と愚行の日々』
出版社 ‏ : ‎ さんが出版
発売日 ‏ : ‎ 1988/1/1
ペーパーバック ‏ : ‎ 231ページ

2.兎平亀作の意見です

ザ・祈り屋、拝み屋の話。
話には聞いてたけど、聞きしに勝るな、ペンテコステ派って。
まあ、日本仏教にも、似たような事ばっかやってる人はいますけどね。

ただ今現在、ニケーア公会議がどうした、カルケドン信条がこうしたと言った本を読んでる最中なので、ここでペンテコステを持って来られたら、脳ミソがぐしゃぐしゃになりそうです。さすがの私も「みんな違って、みんな良い」とは、よう言わんよ。

ちなみに私、念仏です。異教徒なんですが、必要があって、キリスト教について調べています。「ペンテコステには行くな!」と、阿弥陀様がイエローカードを振り回しておられますが、ここでイモ引いたら、資料調査の名が泣きます。
バカを承知で、ボクは本書を精読するぞー。

え?「本書に書いてあるのは、ホントの事だと思うか」って?

書いた本人がホントだと言ってる以上、それに乗っからなきゃ、読む意味が無いでしょ。

そもそも本書の著者は「信仰に奇跡は必要か」なんて、ユニテリアンが言いそうな事は問題にもしてません。

(引用、はじめ)

私達(注;ペンテコステ派のこと)にとって、奇跡はあたりまえのことなのですから、「奇跡は本当に起こり得るか?」なんて入口の所でウロチョロしていることはおろかしいことです。(本書3ページ)

(引用、おわり)

言ってくれるじゃないの。じゃあ、その奇跡とやらを、聖霊の働きとやらを、たっぷり見せてもらおうじゃないか。

「やっぱり」とは思ったが、箸が転んでも、ハエが留まっても奇跡奇跡と言い張るばかりの本ではあった。
たとえば、「妙な成り行きで、生まれて初めてカトリック教会で礼拝したら、ちょうどその頃、ローマ法王が息を引き取られていた」と言う話。(本書9-10ページ)
著者はこれを神の意志と言うが、私なら、こう考える。

「これは偶然ではなく、ご縁をちょうだいしたのである。機械時計がカチリとかみ合って、ボーンボーンと鳴ったようなものである。つまり、きちんとした因果関係があるのだが、信心の浅い私の目には、未だそのメカニズムは見えない。」

要するに本書は、良く言えば奇書、悪く言えば、と・・・本。
いやいや、仮にも宗教書だ。失礼な事は申し上げられない。
「アハハと笑って済ますしかない本」とでも形容しておこう。
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