その頃 後編《執筆者:亀馬 つむり》
文字数 1,438文字
「……これだったらシオンの側に付いておくんだったな……」
「そうね……」
「それでね、二人にも探すの手伝って欲しいんだけど……」
「行く」「行かせて」「帰っていい」
「「「アザミ?」」」
「ハイハイいっしょに行けばいいんでしょ、行けば」
「シオンを怒らせたのはアザミなんだから!ちゃんとどう謝るか考えとかないとだからね!」
「七面倒だね人間って」
「言い訳はいいから。行くよ?」
半ば強引にアザミを引っ張って行くフリージアの姿を見て、トウラは姉妹みたいだな、と口角を緩めた。
「なんだかんだ揃ってるな、みんな」
「よく見ろシュート、若干2名ほど欠けてるぜ?」
「集合かかってないのに集まってるのが珍しいって言ってるんだよ」
木の裏からひょっこりとシュートが現れる。シェロとトウラが座っていたのは木陰。しかし、これの意味するところを二人は気付かない。
「それに、なんとも珍しいものが見れたしな」
「なにかあったかしら?」「さぁ…?」「帰っていい?」「そうだよシオン!」
シェロが疑問げで、トウラも分からない風で、アザミはダルそうに、フリージアは叫ぶように言った。
「ん?シオンがどうかしたのか」
「起きて、アザミと喧嘩して出て行って、シスターさんも見たらしいんだけど居なくって!」
フリージアの説明に、シュートは目を細めた。
「トウラ、お前探知系の魔法使えたっけ」
「……いま後悔してるよ」
「俺もからっきしだしな。出来そうなのは……ノアか」
「それがさ、調べ物つってどっか行ったんだと」
「えー………タイミング悪っ!どうしようもねぇなこりゃあ……」
「探知系って何」
シュートとトウラに割り込むアザミ。トウラが不思議そうに尋ね返す。
「お前、そりゃあ探知する系統の魔法だろうよ」
「トウラ、ボクは内容が分からなくて質問している」
「………シュート、パス」
「俺たちは魔法を勉強する機会はついぞ無かった!なんたってお尋ね者だし。シェロどうぞ」
「探知、ってシオンの足取りが分かればいいのよね?」
うなづくシュートとトウラ。フリージアはよく分かってない顔をしている。
「てことは、シオンの足跡が追えればいいんじゃない?」
「なるほど!」「天才じゃないか?」「えと……おめでとうございます?」
トウラ、シュート、フリージアがそれぞれ感嘆を述べる。反面、アザミは黙ったまま。シェロが見やると目がここではないどこかを見つめているようであった。
「大丈夫!?」
「危ないなぁ。構築ミスったら大変だぞ?」
シェロか思わず肩を掴んだ、が、アザミの目はすぐに戻ってきて、不満げに手を払った。
「構築?構築ってなんだよ」
「……おいまさか、魔法を作ったとか言うんじゃないだろうな!?」
「シュートはなかなか聡明だね。『足跡を追う魔法』を作った。ボクは名前付けとか得意じゃないからそっちてやって。流すよ」
アザミはシュートの予想通りだと自慢げに言って、シュートとトウラに手をかざした。そして二人の脳内に何かが流れ込む。頭を抑えてうずくまる二人にシェロとフリージアはおろおろする。しばらくして。
「流すよ、じゃねぇんだよ……何を?って思った瞬間頭に来たぞ」
「のんびり教えてる時間は無いからな。この方が早いだろ?」
悪びれもしないアザミをちょっと睨みながらシュートは文句を言った。ちなみにトウラはまだ頭を抱えている。
「トウラが治ったら行こうか、シオン探し」
「そうね……」
「それでね、二人にも探すの手伝って欲しいんだけど……」
「行く」「行かせて」「帰っていい」
「「「アザミ?」」」
「ハイハイいっしょに行けばいいんでしょ、行けば」
「シオンを怒らせたのはアザミなんだから!ちゃんとどう謝るか考えとかないとだからね!」
「七面倒だね人間って」
「言い訳はいいから。行くよ?」
半ば強引にアザミを引っ張って行くフリージアの姿を見て、トウラは姉妹みたいだな、と口角を緩めた。
「なんだかんだ揃ってるな、みんな」
「よく見ろシュート、若干2名ほど欠けてるぜ?」
「集合かかってないのに集まってるのが珍しいって言ってるんだよ」
木の裏からひょっこりとシュートが現れる。シェロとトウラが座っていたのは木陰。しかし、これの意味するところを二人は気付かない。
「それに、なんとも珍しいものが見れたしな」
「なにかあったかしら?」「さぁ…?」「帰っていい?」「そうだよシオン!」
シェロが疑問げで、トウラも分からない風で、アザミはダルそうに、フリージアは叫ぶように言った。
「ん?シオンがどうかしたのか」
「起きて、アザミと喧嘩して出て行って、シスターさんも見たらしいんだけど居なくって!」
フリージアの説明に、シュートは目を細めた。
「トウラ、お前探知系の魔法使えたっけ」
「……いま後悔してるよ」
「俺もからっきしだしな。出来そうなのは……ノアか」
「それがさ、調べ物つってどっか行ったんだと」
「えー………タイミング悪っ!どうしようもねぇなこりゃあ……」
「探知系って何」
シュートとトウラに割り込むアザミ。トウラが不思議そうに尋ね返す。
「お前、そりゃあ探知する系統の魔法だろうよ」
「トウラ、ボクは内容が分からなくて質問している」
「………シュート、パス」
「俺たちは魔法を勉強する機会はついぞ無かった!なんたってお尋ね者だし。シェロどうぞ」
「探知、ってシオンの足取りが分かればいいのよね?」
うなづくシュートとトウラ。フリージアはよく分かってない顔をしている。
「てことは、シオンの足跡が追えればいいんじゃない?」
「なるほど!」「天才じゃないか?」「えと……おめでとうございます?」
トウラ、シュート、フリージアがそれぞれ感嘆を述べる。反面、アザミは黙ったまま。シェロが見やると目がここではないどこかを見つめているようであった。
「大丈夫!?」
「危ないなぁ。構築ミスったら大変だぞ?」
シェロか思わず肩を掴んだ、が、アザミの目はすぐに戻ってきて、不満げに手を払った。
「構築?構築ってなんだよ」
「……おいまさか、魔法を作ったとか言うんじゃないだろうな!?」
「シュートはなかなか聡明だね。『足跡を追う魔法』を作った。ボクは名前付けとか得意じゃないからそっちてやって。流すよ」
アザミはシュートの予想通りだと自慢げに言って、シュートとトウラに手をかざした。そして二人の脳内に何かが流れ込む。頭を抑えてうずくまる二人にシェロとフリージアはおろおろする。しばらくして。
「流すよ、じゃねぇんだよ……何を?って思った瞬間頭に来たぞ」
「のんびり教えてる時間は無いからな。この方が早いだろ?」
悪びれもしないアザミをちょっと睨みながらシュートは文句を言った。ちなみにトウラはまだ頭を抱えている。
「トウラが治ったら行こうか、シオン探し」