あとがき

文字数 2,027文字

「35years 〜昭和の不良少女、令和に現る〜」
を最後までお読みいただきありがとうございました。

この話は単なるタイムスリップものではなく、
量子力学をヒントに書いた物語です。
(あくまでヒントにしたフィクションなので文献とは少し異なりますが)

量子力学はかなり難解な概念なので、
物語にするにはハードルが高いテーマでしたが、
前からいつか書きたいと思っていたのを、
なんとか最後まで形にでき、ひとまず達成感は得られました。(笑)

量子力学を説明しようとすると難しすぎて、
あとがきでまとめるには無理がありますが
(私にそれが説明できる頭がないというのもありますが……)、
ざっくり言うと原子より小さなミクロの世界の
不思議な法則とでも言いましょうか。

量子力学では物質をどこまでも細かくしていくと
最終的に素粒子(量子)というものになり、
それは物質とエネルギーの中間のような曖昧なものなのだそうです。

まずその奇妙な現象の一つとして、
量子は普段はエネルギーとして空間に存在しているのですが、
人が見る事(観測する事)で物質となるのだそうです。

それはすでに研究で結果が出ているそうです。

この量子力学は不可解な事が多く、
天才物理学者達も首をひねるほどの現象が散見されるのですが、
そこにはこの世界の成り立ちを紐解く鍵が隠されているような気がするのと、
哲学的な思想とも通じる所があり、
私はとても興味深い話だなと以前から思っていました。

般若心経の「色即是空(しきそくぜくう)空即是色(くうそくぜしき)」と言う言葉がありますが、
これまたざっくり説明すると
色=物質、(くう)=無(実体がない)とされており、
空(空間)の中に自分が意識(認識)したものが色(物体)となり
目の前に現れるという事を説いている言葉だそうです。
(上記はかなりざっくりな説明です。本当はもっと深い意味があります)

最先端の科学と仏教の教えで同じような事を唱えている不思議。
そんな面からも量子力学は単なるオカルト的な話ではない気がしています。

さらに素粒子(量子)は「量子もつれ」と言われる
ペアになった二つの量子を、
日本とブラジルくらい離れた場所にそれぞれ置いたとしても、
一方の情報が決まるともう一方の情報も即座に確定するという、
これまた不可解な現象を起こします。(その原理も謎とされています)

それは光よりも早い情報伝達ができる事から、
それを応用した量子間のテレポーテーション技術
(実際は物体そのものが移動すると言うより、
一方の量子に情報が移る事であたかもテレポーテーションしたような
現象が起こると言うものですが)も、すでに確立されているようです。

ちなみに現段階では量子レベルのテレポーテーションだけで
人間みたいな大きなものは不可能とされています。

量子テレポーテーションの原理を利用した、
量子コンピューターはすでに存在しているようです。

様々な可能性を含んだエネルギーが集約された空間の中で
自分が観測したものが、現実となって現れる。
時間は流れているのではなく、「縁」と言う繋がりで見た風景の連続。
そしてその風景は一人一人の眼に映る幻影。

そう、壁の向こうにいると思っている人は、
もしかしたら曖昧なエネルギーの煙で実態はないのかも。
その壁の向こうの人は、寝ているか起きているかは
自分が認識できていないうちは、確定していない。
単なる可能性があるだけ。
そういう理論が量子力学です。

「そんなばかな」と思うかもしれませんが、
もしかしたらそれがこの世の正体なのかもしれません。
(その昔、天動説が当たり前だったのが、
地球が回っている地動説が常識になったように、
未来では量子力学の世界が常識になっているかもしれません)

疑問もいろいろ残る話ではあるのですけどね。
(私もあまり考えすぎると頭がおかしくなりそうなので、
深い所まで突っ込んで考えられません!)

そして素粒子は同じ周波数のものと引き寄せ合う性質もある事から、
ポジティブな意識でいればポジティブな世界になっていき、
逆にネガティブな意識でいればネガティブな世界に引き寄せられるとの事。

「類は友を呼ぶ」「朱に交われば赤くなる」という日常的に良く聞く諺。
それも科学と連動している気がします。

自分の意識が縁を繋いで、自分の見る世界に影響するのであれば、
自分の意識を蔑ろにはできません。

一番伝えたかった事は、いろんな因縁がある中でも、
何が自分にとって大切なのか?という事をきちんと見極め、
心を整える事を意識し、そのための行動をする。
そうして自分が満足するパラパラ漫画を作って欲しいなという事です。

テーマが難解なので、私自身もこのストーリーで
上手く伝えられているかどうか自信はあまりないのですが、
「自分だけのオリジナル人生」を悔いの無いよう
作りあげてもらえたら幸いです。

ここまでの長編を書いたのは初めてでしたが、
最初から最後までお付き合い下さった読者の皆様。
一緒に並走して下さっているようで心強かったです。

心より感謝いたします。

ありがとうございました☆



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