復活祭 (4区 1km-2km)
文字数 2,511文字
「さて画面は先頭に戻ります。
去年のみなと駅伝を振り返ると、姫路の1区区間賞から1度もトップを譲らずローズ大学が5連覇目を達成、2位のチームに3分54秒の大差をつけた、いわば圧勝だったわけですが、
今年は3区が終わった時点でも、上位3校が1分以内にひしめき合う、本当にどこが優勝するか分からない、そんな展開になっています。
そして松田さん、その中でも今トップを走っているのが、初出場のアイリス女学院大学なんですよね。」
アナ
「そして、この4区を任されたのが、4年生の歌川茉莉です。
実はこの歌川は、1年生の時に1度、ローズ大学の選手としてこのみなと駅伝を走っています。
その時は6区を走って区間2位という素晴らしい成績で、ローズ大学の3連覇目に貢献しました。
その後怪我もありまして、一度は競技から離れた時期もあったそうですが、アイリスに移ってリハビリを続け、またこの駅伝に戻ってきました。」
松田
「元々高校時代、実力のあるランナーで、主に3000mや2000m障害などで活躍をしていました。
それで、この3年間はリハビリに専念していて、記録会にも出ないでこの駅伝だけに絞って合わせてきたみたいですから、復帰レースでどんな走りを見せてくれるか、注目ですね。」
「ですから、先頭、アイリスの歌川茉莉を、1キロで7秒追い上げた、ということになります!
そしてですね、2位を行きますジャスミンの松田の背中がですね、どんどんと大きくなってきています。
もうその差100mを切ってきています! これは、2位が変わるかもしれません!」
アナ
「先頭を快調にひた走るアイリス女学院大、姉・歌川茉莉ですが、
その後ろから3位のローズ大、妹・歌川瑠莉が迫ってきているという情報が入ってきました。
早くも波乱の展開を予感させる4区の序盤ですが、ここでコースの紹介です。」
コースガイド
「4区は八景島から海の公園、野島公園を通過し、平潟湾を大きく一周する、全区間中最短の5.4キロ。
時折吹く浜風と細かいアップダウンが、選手達の体力を削ります。
最後は1度通過した野島公園駅まで戻り、各校のエースが待ち受ける5区・野島中継所へタスキを届けます。」
アナ
「一方、逃げるアイリスのほうの4区は、復活の4年生・歌川茉莉を起用してきています。
世界ジュニア選手権の日本代表、それから高校時代に記録した2000m障害の記録、6分45秒というタイムは当時日本歴代8位に入る記録。非常に輝かしい成績をおさめました。
アイリスの立花監督は、5区に各校のエースが集結するのは分かっているので、我々はその前の3区4区で主導権を握りたいんだ。という風にも話していました。」
「監督の立花さんね、5区の二神蓮李さんに渡る時点で、ローズ大学に対して1分のリードは欲しいというお話をされていて、
若いのに随分強気な発言をされる方だなと思ったのですが、凄いですね、ここまでは本当にその通りの展開になっていますね。」
「アイリス・歌川茉莉、ローズ・歌川瑠莉、両者の差は、中継所をスタートした時点では51秒の差がありました。
ですから、この間に序盤で早くも後ろの妹、歌川瑠莉のほうが、20秒近く詰めてきたことになります。」
アナ
「画面奥に見えていますのが、4区のランナー達がタスキを渡す第4中継所ですが、
選手達は、いったんここを通り過ぎて、横浜シーサイドラインの終着駅・金沢八景駅を経由しまして、釣りの名所でもあります、ここ平潟湾の周りを一周した後、またこの帰帆橋に戻ってタスキリレーをする、というコースになっています。」