5 あなたなら、どうしますか?

文字数 1,644文字

 今日では陰謀論なんて持ち出すまでもなく、62人が世界の富の半分を握っているとか報道されていますし、何もそれは経済だけに限らず、今に始まったことでもないとも思われます。そんな人達が何を考えているのかが、知りたいです。

 多くの人は、そんな力を持ったら、人類文明全体の持続的発展について考えると思います。なぜなら、特定の地域や分野ではなく、全体を上手く動かし続けることが、自分達の能力や責務であり、安心や利益にもつながるからです。

 しかし、文明が発展するほど、人間はダメになったり、ついていけなくなったりするところもあります。すでにある技術や組織の上にあぐらをかいて、様々な問題が起きるに任せたり、問題が悪化するとすぐに半端な徒党を組んで、仲間以外の人々を犠牲にすることで生き延びようとしたり、それでは解決にならないと教えてあげても、逆恨みの仕返しをしてきたり……。そんなとき、あなたならどうするでしょうか?

 情報活動(インテリジェンス)は、何もいわゆるスパイや通信傍受のような機密・秘密情報の収集だけでなく、実は公開情報の分析によるところも大きいと聞きます。もっとも……私のような市井の一オタクにも分かるようになったか、色々な情報を流して民度を測っているだけだったりして(笑)。

 今や世界は江戸時代に近づいて、諸国民は生産的な技術を開発・普及し、政策に対しては無駄な労力や争いを減らすチェック機能も果たしながら、地球統治(グローバルガバナンス)を支えてゆけるかが、問われているのかもしれません。 

  また今ならば、人工知能を中心に、人的資源や物的資源、経済・社会活動(資源の生産と分配の両立)といった文明要素の持続可能性を、(体内環境も含む)自然環境や社会環境に優しく、ムダ・ムラ・ムリや争い少なく確保できる技術や政策も、生まれつつあります。

 より少ない犠牲や費用(コスト)危険(リスク)でより以上の福利を得ようとするのは、知性に伴う欲求の無制限性を備えた人間の(さが)であり、原罪あるいは(ごう)であるともいえましょう。

 それができずにいるというのは悲しく、希望や救いのない話ですし、昔ながらの悲劇を繰り返すだけでは、そのこと自体が劣っているとみなされて、さらなる不利益を甘受(かんじゅ)させられてしまうかもしれない。

 だとしたら日本には、今後は刀狩りや武家諸法度に触れぬよう、大阪の陣や赤穂事件のような騒ぎで被害を出さぬよう、出させるのは惜しいと思わせるような国になってほしいです。

 この国は進歩がなくなったと思われぬよう、親藩といえども無断築城で改易処分・取り潰しとか、私戦に及べば上がりが減るので両成敗とかされぬよう、より少ない代償でより多くの福利を生み出し、世界全体の文明発展に貢献できると示す戦略を期待したいです。

 それは日本人なら一番よく知っている、あるいは知っているべき、そして一番得意な社会状況ともいえるかもしれません。

 果たして以上のような考え方は、SF小説などの読み過ぎのせいでしょうか? 

 しかし……、
● ハーラン・エリスンの『殺戮すべき多くの世界』(非道な傭兵団長は、実は人工知能の助けで様々な影響を計算し、宇宙平和を導こうとしている人だった?)や、
● ラリイ・ニーヴンの『マンホールの蓋に塗られたチョコレートについて君には何がいえるか?』(人類〝釈迦の掌〟?)、
● 同じくニーヴンによる、〝パペッティア人のクジン人対策〟を描いた作品群(これも人類〝釈迦の掌〟?)、
● フレドリック・ブラウンの『スポンサーから一言』(何者かが運命の選択を人類自身に問わせた?)
などは、大変に考えさせるものがありました。

 もちろん、これ以外にも色々な考え方があるかもしれません。

 もしもあなたが世界を動かせるとしたら、どうしますか?

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