第41話 脱出できるのか?

文字数 580文字

 通路に出ると、灰色の煙がもくもくと充満していた。何かがひどく焼けた異臭もする。目鼻と喉が強く刺激されて咳き込みそうだ。
「こっちよ!」
 女の叫ぶ声に、すぐさま従い、その背中を追った。
  いったい、何が起きているというのだ? 起きている状況がまったく呑み込めないまま、足を動かした。
 今は女に従うしかない。
 誰か飛び出してこないか、内心は冷や冷やしながら、女の後を追い続けた。幸いにも、俺たちの後を誰も追いかけては来なかった。
 爆発の現場にロボットたちは集まっているのだろうか?  いや、そうではなかった。
「壁に隠れて!」
 女は叫ぶと同時に、俺を壁にめり込むように強く押し付け、右腰から短銃のようなものを取り出し、前方に向けて発砲した。
 キューン! キューン! キューン! 鈍い音が俺の鼓膜を刺激し、レーザー光線が青白い糸でも引くように、標的に向かって飛んでいく。
 その標的は、突如現れた3体のロボットたちだった。ロボットたちもすぐに銃を構えて、発砲しようとしてきた。が、それより早くマネキン女が矢継ぎ早に放ったレーザー光線が、先に3体の胸に風穴を開けていた。3体とも吹っ飛ぶように背後に倒れた。
「さあ、行くわよ!」
 今度はへばりつけた壁から俺の体を引き離すと、女はまた駆け出した。その背中を追って俺も金魚の糞のようについていった。
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